【お知らせ】SL保存意見交換会 事前周知事項
いつも大変お世話になっております。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会の大場です。
いよいよ3日後に迫ったSL保存意見交換会について、事前に周知したい点がございます。
【誰のために、何のために】
発起人である私は幼少期から汽車が好きな人間ではありますが、今回の保存は「鉄道ファン」のために行いたいとは一切考えておりません。あくまでも蒸気機関車が保存された当時の方々の想いと同じく「地域の功労者として、地域の歴史伝承のため」であり、「大崎市民」にとって令和の時代に於いても保存は意義があることと信じて保存を訴えております。「意見交換会」としたのも、保存を望む側だけの一方的な意見としないためであり、何よりも地域に生きる方々のご意見を蔑ろにしないためであることと、解体を望む方々の意見もしっかり聞く事も重要視しているからです。多種多様な方々のご意見を尊重し、建設的に話し合い、それで「SLは不要である」と市民が判断するのであれば解体も然るべきと考えております。ぜひ保存を望まれる方々も望まれない方々も『誰のためか、何のためか』について、この最も重要なテーマを今一度お考えいただき、当日はご意見を頂戴できれば幸いです。
【行政責任について】
今、全国で蒸気機関車が解体か保存かの岐路に立たされております。そこで必ず出る話が「行政責任」です。私も当初は蒸気機関車を荒廃・放置させた行政の責任を追及したい気持ちがありましたが、私を含めた誰もが保存について訴えた市民がこれまでいなかった事も忘れてはならない事だとも考えております。何故だれも声を出さなかったのか、それはどんなにボロボロになったとしてもそれが自然と街に溶け込んでいた「風景」であり、「思い出はあるけども解体されるとは考えてもいなかった」と考えられていた方が大半だったのではないかと私は考えております。そして今回、大崎市行政が解体方針を発表したことで、改めて蒸気機関車に対してしっかり意識が向いたという方がほとんどだったのではないでしょうか。
だからこそ誰が悪いといった敵・味方の二次元論で話をするつもりはありません。行政担当者も人事異動があり、約50年も前に取り交わされた契約内容や、当時の方々の想いを知る由も無かったはずです。また市長も職員も一人の人間であり、神様でも無い限り間違った判断を下すことは大いにあり得ることです。逆も然りで、保存を望む我々の考えが間違っていることもあり得ましょう。だからこそ、その一度の判断の是非を追及するのではなく、もっと前向きに「これからの未来を行政と市民が協力し合い、お互いにどう考えていくか」というスタンスでありたいと私は願っております。
【SL保存意見交換会開催までの経緯】
2019年12月に「中山平温泉駅前のSL劣化 住民が撤去要求」としてニュースとなり、翌年2020年の3月と9月に解体方針であることが発表されました。保存の声を上げた私としては2019年12月から行政へ問い合わせを行っており、4月にインターネット署名を立ち上げ、10月14日の鉄道の日に合わせて保存会結成となりました。
コロナ禍で極めて身動きが取れにくい中ではありましたが、SL保存意見交換会開催を決定した昨月1月までの間、大崎市の東から西までと、仙台市、大崎市と隣接する山形県最上町を行脚し、地域活性化にご尽力されている方々・美術家・音楽家・歴史研究者・観光業者・小売店・飲食店・工芸家・温泉宿・市町会議員・町役場・鉄道保存団体・地域のおじいちゃんおばあちゃん、解体要望を上げた中山平温泉観光協会の方など、実に様々な方々とお会いしSL保存の意義をお話し、9割以上の方々からご賛同を頂く事ができました。(残りの1割の方は最初から話を聞くつもりもない方々であった事だけは追記しておきます)その9割の大半が「鉄道ファンではない方々」であり、今回の意見交換会にも全員ではありませんがご出席頂く予定となっております。
【コロナ対策について】
当日は必ず検温をしてからご来場をお願い致します。
どれだけ現場で感染対策を施してもコロナ感染のリスクは避けれませんので、体調不良の方・持病をお持ちの方などはご無理に出席をされないでください。
またマスクの着用をされない方のご入場は固くお断りさせて頂きます。
【SL保存意見交換会当日について】
当日は河北新報・大崎タイムス・読売新聞の記者の方が取材にいらっしゃる予定です。蒸気機関車保存の可否について世論がさらに拡大する事でしょう。ご出席頂く皆様との前向きなSL保存意見交換会となることを心より楽しみにしております。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会
代表 大場 正明