●通し枘接ぎ(とおしほぞつぎ)と止め枘接ぎ(とめほぞつぎ)
枘接ぎ(ほぞつぎ)において、枘(ほぞ)を有する角材(すなわち男木(おぎ))の枘(ほぞ)が相手の嵌め合う角材(すなわち女木(めぎ))を貫通している場合を通し枘接ぎ(とおしほぞつぎ、through tenon joint)と言います。
Figure 1をご覧ください。
枘接ぎ(ほぞつぎ)として二方胴付き平ほぞ接ぎ(にほうどうつきひらほぞつぎ)の場合の通し枘接ぎを図解しています。
この場合嵌め合う角材(女木、めぎ)の枘穴は開口し男木(おぎ)の枘(ほぞ)が暴露します。
このときの枘を通し枘(とおしほぞ:through tenon)、いっぽう枘穴を通し枘穴(とおしほぞあな:through mortise)と呼びます。
次に、Figure 2をご覧ください。
また枘接ぎ(ほぞつぎ)において、枘を有する角材(すなわち男木(おぎ))の枘が相手の嵌め合う角材(すなわち女木(めぎ))を貫通していず途中で止まる場合を止め枘接ぎ(とめほぞつぎ:blind tenon joint or stub tenon joint)と言います。
Figure 2 に示しますように、この場合嵌め合う角材(女木(めぎ))の枘穴は開口せず男木(おぎ)の枘は隠れます。
このときの枘を止め枘(とめほぞ:blind tenon or stub tenon)、いっぽう枘穴を止め枘穴(とめほぞあな:blind or stub mortise)と呼びます。
なお、Figure 1の場合のように二方胴付き平枘接ぎかつ通し枘接ぎの場合に対して、二方胴付き通し平枘接ぎと命名することも可能です。
また、Figure 2の場合のように二方胴付き平枘接ぎかつ止め枘接ぎの場合に対して、二方胴付き止め平枘接ぎと命名することも可能です。
しかしながらこのような名称は、あまり聞くことはありません。
Figure 1 通し枘接ぎ(とおしほぞつぎ):
二方胴付き平ほぞ接ぎ(にほうどうつきひらほぞつぎ)の例
Figure 2 止め枘接ぎ(とめほぞつぎ):
二方胴付き平ほぞ接ぎ(にほうどうつきひらほぞつぎ)の例