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退屈と惰性と 改

ZW ゼノレックス レビュー

2021.02.06 05:52

 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、

“ZW52 ゼノレックス” です。


 サードシリーズから導入された新ギミック、コアドライブシステム(CDS)に加え、さらなる新ギミック、ゼノエヴォリューションシステム(XEVS)を搭載した共和国の新型ゾイド、

“M型 ティラノサウルス種 ゼノレックス” が発売されました。

 今回は同時発売のコアドライブウエポン(CDW)、

“ZW53 イグニッションブースター” も一緒に紹介したいと思います。


 バーニングライガーと並ぶサードシリーズのフラックシップモデルとなる完全新規ゾイドの登場です。

 ファースト、セカンドと2シリーズ続けての共和国側主人公機はライオン、帝国側のライバル、ボスクラスがティラノサウルス等の肉食恐竜モチーフという流れから逆転したかたち。

 ゾイド本体の構造やデザインの方向性の変更、いわゆるブラストギミックの外付けオプション化、さらにはパッケージデザインの刷新と、少なくとも現場で直接関わっている人たちの新シリーズに対する意気込みはひしひしと伝わってきます。

 でも・・なぁ、なんかいろいろと歯痒い。

 でも、言いたいことは最後にまとめて言おうと思います。

 いつも通りの愚痴なので、そういうのが嫌な人は最後まで読まないでください。

 まぁ、嫌だという人はそもそもここに来ないか(笑)。


 それでは、レビューしていきます。


 まず最初に、さすがにスルーできないのでさらっと。

 パッケージの裏面、ゼノレックスの画像に被る謎の文言、「山路を」。

 デザインするときに誤って貼り付けてしまったとか、メモ書きを消し忘れたとか、そういった他愛ないミスでしょうが、実際に印刷されて、商品詰めて、発売されるまで誰も気付かんかな?

 気付いたけど、修正する時間もコストもないから、もうそのままにしたということなのかな?

 細かいことかもしれないけど、こういうところで、コンテンツが雑に扱われてるなぁ・・とちらっとでも感じてしまった己の性格の悪さが嫌になる。

 ネタにしてくれるファンは優しいですね。


 気を取り直して、

ゼノレックス

 バーニングライガー同様、フレームと外装が一体型の旧シリーズのゾイドに近い構造の完全新規型です。

 バーニングライガーは頭部を外せばそこだけなんとなくボーン形態っぽくできたりもしましたが、ゼノレックスではできません。

 ティラノサウスル種ということですが、同じワイルドシリーズのティラノサウルス種であるデスレックスやオメガレックスとは明らかにプロポーションが異なります。

 ティラノサウルスは幼体と生体でかなりプロポーション(体型)が変わるようですから、M型のゼノレックス、XL型のデスレックス、オメガレックスということでサイズによってそのあたりの違いを再現した・・ということなのかもしれません。

 最初に見たときは、全長に対してちょっと頭が大き過ぎるかな? とも思ったのですが、まだ幼体に近い若いティラノサウスルがモチーフなのだと思うと、可愛らしくも見えてきます。

 というか、デスレックス、オメガレックスもめちゃ頭でかいんですけどね。

 しかし実際、ここから新ギミックとなるXEVSで成長・・というか進化(大型化)していくわけですから、そのときのバランスも考慮してのデザインなんでしょう。

 で、そのちょっと大きめの頭部ですが、コクピットになっています。

 旧シリーズのゾイドはごく一部を除いて頭部にコクピットがあるのが一般的でしたが、ワイルドシリーズではまずスケール、そしてゾイドとライダー(パイロット)の関係性の変更もあり、ライダーはゾイドの首許や背中に跨がる、というパターンがほとんどでした。

 バーニングライガーで初めてキットとしても密閉型コクピットが採用されましたが、その位置は頭部でなく首許でしたから、今回のゼノレックスがワイルドシリーズとしては初めて頭部に、しかも透明キャノピータイプのコクピットを搭載したことになります。

 もう完全にゾイドの頭の中がくり抜かれてる状態ですが、そのあたりについてもとくに説明がないですね。

 諸々の設定含めて “謎のゾイド” という一言で片付けられています(笑)。

 頭部前面をほぼ覆うようなかたちのキャノピーというデザインは、旧シリーズの共和国製ゾイドの定番で懐かしいです。

 まず鼻先の装甲を前向きに開き、それからキャノピーを後ろ向きに開くことでライダーの乗降が可能。

 ライダーは引き続き腹這いに近い体勢で乗り込むことになります。しんどそう・・

 なお、共和国側のゾイドなので、普通に目が露出していますが、これまでのように別パーツではなく、外装と一体成型の塗装再現です。

 目の周りのデザインが、窪みに合わせて蓋をすればそのままZ・Oバイザーを再現できそうな形状になっているのも面白い。

 もう、鹵獲される機満々ですな(笑)。

 あと全体の顔付き・・色味もあるんですが、どことなくシルドライガーに似た雰囲気があります。

 というか、あえて意匠を取り入れている感じなんでしょうか?


 腕部は1パーツですが、脚部は脛のシリンダーや太腿部分の外装が分割されており、電動歩行時にそれぞれが連動します。

 武装らしい武装は一切なく、単体状態では牙、爪、尻尾を使った格闘戦しかできません。


 XEVSギミックの都合もあって、頭部、足、尻尾が比較的簡単に外せるようになっています。

 とくに頭部は首側の軸を挿し込むだけなのですが、その首の可動に連動して口が開閉するなど、しっかり連動ギミックが活かされている点は素晴らしいです。

 本体部分の換装、ひょっとしたら面倒なんじゃないかと思っていたんですが、おそらくはこの間にパーツを追加するだけなので、けっこう気軽にできそうでよかった。


電動アクション

 頭部を上下に動かしながら口を開閉し、腕を上下に、尻尾を左右に振りつつ2本の脚で前進します。

 頭部の動きがなんか可愛い。恐竜から鳥類への進化の過程を垣間見ているような気持ちになります。

 先にも言ったように、脚部のパーツが連動する様はこれこそゾイド! という躍動感で、感慨深いものがあります。

 パーツ数は旧シリーズのときよりはるかに少なく、一つ一つのパーツも大振りなんですが、そこは見せ方の工夫で上手くカバーできているように思います。


改造武器取り付け

 前回、改造武器 レーザーコンバットユニットのレビューでゼノレックス未発売のためバーニングライガーに代役を努めてもらった、“ZW49 改造武器 ミサイル + レーザーコンバットユニット” のマニュアルに載っていた改造例をあらためて。


 その一。

 サポートガンポッドを背中に増設し、ミサイルやレーザーショットガンを装備した中、遠距離攻撃仕様ですね。

 電動歩行時、ミサイルが脚の動きに干渉するかと思ったのですが、問題なく歩けました。

 さすがにそのへんのクリアランスは考慮されているようです。


 その二。

 左腕にレーザードリル、右腕にシールド、そして尻尾にソードを装備した近接仕様。

 しかし、尻尾を振る方向を考えると、刃は逆のほうがいいような・・


 オマケ。

 頭部の代わりにコンバージョンキャップを介してサポートガンポッドを取り付けてみ見した。

 名付けてモブレックス。

 弱そう・・(笑)

イグニッションブースター

 ゼノレックスと同時発売となったCDWの第2弾アイテム。

 中央の4連ブースター(後部)とイアインテーク(前部)、左右の高機動ロケットブースターからなる機動オプションです。

 展開した状態で後ろから。

 見ためはバーサークフューラーのイオンブースター&ハイマニューバスラスターっぽいですね。

 もちろん、ゼノレックスの専用オプションということではなく、第1弾のインパクトガトリングと共通規格で、同様にCDWシステム搭載のバーニングライガーや、一部のM型ゾイドに取り付けることが可能です。

 今回はゼノレックスとのセット売りはありませんでしたね。


 ゼノレックスに装着する場合はまず背部のカバーパーツを外し、

基部を後ろから前にスライドさせて取り付けます。

 なお、バーニングライガーは外したカバーパーツを腰に付け直すことができましたが、ゼノレックスのカバーパーツはただ余剰になります。


 というわけで、イグニッションブースター装着完了。

 わりと既視感のあるシルエットに。


 ガトリング同様ロック機構があり、右側のレバー(下図赤丸)を押しながらでないと後ろにスライドさせて外すことができません。

 なお、ガトリングが基部と砲塔を分離できたように、このブースターも分離させることができますが、

 連動用パーツ(上図赤丸)が飛び出しているため、単独で他の位置に取り付けるのは難しいです。

 4つ並んでいる3㎜軸の間隔も、ガトリングのそれとは異なります。


電動アクション

 ゾイド本体の歩行と連動してエアインテークが前後に可動、さらに左右の高機動ロケットブースターが横方向に展開、収縮、スタビライザーが開閉します。

 ただスタビライザーですが、個体差で上手く動ないものがあります。

 今回2つ購入したのですが、1つは上の動画の通り問題なく開閉したものの、もう一つは下の動画の通り、

 スタビライザーとブースター内部とが擦れて途中で引っかかり、最後まで閉じてくれません。しかも左右両方。

 どっちか一方が引っかかるだけならまだしも、2つとも引っかかるて・・

 スタビライザーパーツをぬるま湯にでも浸けながら、縁をゆっくり拡げていけばいいのかな。


 なお、バーニングライガーに装着する場合、インテークとタテガミが干渉するため、頭部は常に下げた状態にしておかなければなりません。

一方で、ゼノレックスにインパクトガトリングを装着する際にはとくに注意する点はありません。

比較画像

 まずは旧シリーズと。

 とりあえず小さいものから順番に、右がブロックスのウネンラギア、左がフューザーズ版のアロザウラーです。

 ウネンラギアのモチーフはズバリ、ウネンラギアという名前の小型肉食恐竜、アロザウラーもそのまんま、アロサウルスがモチーフと言うことでどっちらもティラノサウルスではないですが、歴代の共和国製青い肉食恐竜モチーフ縛りということで。

 ちなみに、ウネンラギアもアロザウラーもそれぞれの発売当時と今とではモチーフの姿形もけっこう変わっているようですが。

 デザイン、スタイル的にはこの2体を足して割った感じですね。


 続いて凱龍輝と。

 こちらもフューザーズ版の凱龍輝・真です。ゼノレックスにはブースターを積みました。

 雰囲気はかなり近い感じ。

 なお、ゼノレックスに凱龍輝のアーマー(ブロックスのパーツ)を着けてみたかったんですが、接続軸や穴の径が合わず、無加工では難しかったので断念しました・・


 ワイルドシリーズから、同じティラノサウルスがモチーフのオメガレックスと。

 先にも言ったように、プロポーション、スタイルともにかなり違いがありますが、それも成長段階が違うということなら妙に納得できる部分があります。

 バーニングライガーと。

 一応のライバル関係ということでいいのでしょうか。

 でも、ライガーのほうは量産型らしいですが、一方のゼノレックスは配信アニメ、ゾイドワイルド戦記では今のところ1体しか登場していません。

 仮にも主人公機という扱いなので、やはり1機しか存在しないのかもしれませんね。

 となると、真のライバルあるいはボス格の帝国製ゾイドがいずれは登場する・・はず。

以下、画像

 手動で動かせるパーツはほぼなし。なので、ポージングなどほぼできません。

 頭部が軸接続で取り外せるので、浅く挿し込んだ状態なら左右に振れるんじゃないか? とも思ったんですが、そもそも軸が短いので不可能でした・・


 イグニッションブースターを装備して。

 この状態でも、実は武装は一切装備されてないんですよね。

 機動力の向上で格闘戦により特化させて、という感じなのか。


 火力強化。

 両腕にインパクトガトリングを装備しました。

 たぶん、ブースター装備で補えないくらい重量が増加してると思います。


 バーニングライガーとの対決イメージで。

 イグニッションブースターを装備しての高機動力でライガーのガトリングによる攻撃をかい潜り、一気に懐へ。

 レーザーバイトファングで噛み付き攻撃。

 ライガーが怯んだところに、

 ブースターでの加速も上乗せしたスマッシュテイルの強烈な一撃でノックアウト!


 以上、“ZW ゼノレックス” でした。


 初見では、なんか頭でっかちで受け口で、主人公機とするにはちょっと不細工だなぁ・・と思ったのですが、のちに判明するギミックで成長・・進化を再現する機体なのだと考えると、これはまだそれこそ幼体の状態なのだと思えて、急に可愛く見えてきました。

 ゼノエヴォリューションシステム(XEVS)によるパワーアップは第2期シリーズのライガーゼロやバーサークフューラーに採用されたチェンジングアーマーシステム(CAS)を彷彿とさせますが、今回は外装の変更に留まらず、機体そのものの大きさまで変わるのですから、今後の展開含め非常に楽しみであります。

 構造的な部分でも脚部周りにゾイドらしい連動可動が盛り込まれ、いよいよリアルムービングキットの本領発揮といったところでしょうか。

 しかし・・

 シリーズも3年目に突入しましたが、いきなりボーン形態もワイルドブラストもなくなったので、ワイルドシリーズでゾイドを知った今の子供たちは混乱したかもしれませんし、こうなるともうワイルドの名を冠する必要もないだろ、と思わないでもないです。

 装いも新たに、タイトルも変えて新シリーズ開幕・・としてもよかった気もしますが、この商品展開のスローペースを見るに、そうもできなかったのかもしれませんね。

 ゾイド本体、オプション単品、本体とオプションのセット売りというかたちでナンバリングを水増ししたり、ランダムキットというカラバリがチャを投入するなどして時間を稼がないと新規アイテムが作れないのかなぁ。

 たんに時間の問題なのか、予算の問題もあるのかはわかりませんが。

 カラバリ商法に走ったらもうそのコンテンツは終わり・・

 新規と流用のバランスが極端に後者に傾けば、そんなネガティブな意見が出るのも仕方がないとも思います。

 僕自身、わりとそんなふうに思ってしまいがちです。

 しかし終わりに向かっているのではなく、あくまで時間稼ぎなんだと信じたい・・そんなふうにと思っていたところに、ディアス中佐のワイルドライガーがモール限定で発売されるとの報が!

 7月の発送だそうです。予約期間もけっこう長めに撮られています。

 しかも、ゾイドワイルド列伝というシリーズの第1弾ということなので、おそらく今後もアニメに登場した仕様変更機、アルドリッジのタイガーとか、スピーゲル(シュピーゲルだと思ってたww)のウルフとか出してくれるんじゃないかと期待しています。

 仮にこれらが毎月リリースされるとすれば、少なくともこの秋までゾイドワイルドは継続することになります。

 もちろん、その間にも一般販売で完全新規型・・ゼノレックスの真のライバル機などが発売される可能性もあるはずです。

 ただ・・やっぱり遅いよなぁ。

 ディアス中佐のライガー・・なんでアニメ放送中に一般で出せなかったのか?

 見たところ新規パーツはありません(ミサイルポッドのデザイン再現まではされていない)し、そもそもの話、キットとアニメの世界観を分ける意味がわかりません。

 旧シリーズと違って、完全な新シリーズで、同時にタイアップでアニメをやることは決まっていたのだろうから、同じ世界観にすべきなんですよ。

 バズブロ版のワイルドシリーズのライダーフィギュアはアニメキャラを再現したもので、しかも塗装済みなんでしょ? 

 子供は(大人も)絶対そっちのほうがいいよ。

 アニメの出来のよし悪しとか、ノリがちょっと合わないとか、そういうこととはまた別の話です。

 要は売り方が下手というか、中途半端になってる感じがして歯痒いんですよね。

 新規ファン開拓よりも古参ファンへの遠慮というか忖度のほうが勝ってしまったような、しかも結局そこにもメーカー側とファンの間に微妙な乖離があったというか・・ちょっと上手く言えませんが、そもそもこんなことをこんなところでうだうだ言ってる僕自身がなかなか厄介なヤツだという自覚はある(笑)。

 僕は、ゾイドシリーズはやっぱり第1期の中盤あたりのキット郡が1番好きなので、正直、ワイルドシリーズには当初戸惑いもありました。

 でも今となっては十分楽しませてもらっていますし、結局ゾイドは前部好きなんです。

 ただそんな好きなシリーズが、イマイチヒットしきれないような状況にモヤモヤする、というだけです。

 つまりはもっと流行って、新商品をガンガン出してほしい。

 いや、無理に数は求めません。せめて毎月、1つでいいから新作ゾイド本体を発売してほしい。

 もちろん新規に越したことはないですけど、ガブリゲーターからのディメパスサーやアンキロックス、ギルラプターからのパキケドスやソニックバードくらいの流用なら全然オッケーですから。

 ・・長々と妄言を垂れ流しまして申しわけあませんでした。

 m(_ _)m


 こんなところで、今回は終了。

 またのご訪問を。