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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

啓蒙の光13-ヴォルテール帰国逃亡

2021.02.07 11:08

1722年6月15日、13歳の成聖式を前にルイ15世はパリからヴェルサイユに移動した。王が国家の頂点に立つのはやはり王宮だというわけである。ところが、貴族達はサロンに忙しく、パリを離れなかったのである。豪華な宮廷と活気ある市民のパリにすきま風が吹いていくのは確かである。

そしてオルレアン公は摂政を返上。王は宰相をブルボン公にまかせる。さらにスペイン王女と婚約するが、相手はまだ4歳である。25年王が病気になると、宰相は後継者を慌て、幼すぎる婚約者を国に返してしまう。そして結婚したのが元ポーランド王女マリーだった。

ブルボン公は失政続きで翌年罷免され、養育係だったフルリー枢機卿を宰相に指名した。当時73歳だったフルリーは16年間宰相を務め、財政再建を行い、南海事件問題の後かたずけをして繁栄の時代をつくった。

ヴォルテールがイギリスから帰国したのは29年である。33年イギリス体験記である「哲学書簡」がイギリスで出版され、フランスに輸入された。この書はいかにもイギリスが優れているという書だったため、禁書となり、またもや逮捕状が出された。彼はロレーヌの愛人にして物理学者のシャトレ夫人に厄介になる。

下はシャトレ夫人を描いた神聖なるエミリー