中国に関する質問回答(十四)
【質問】
前回のメルマガで、蕎麦と拌麺に、日本人と中国人の性格の違いを見る記事を面白く読みました。ラーメンも日本では独特の進化をしているようですが、中国のみなさんの目にはどう映っているのでしょうか?
【回答】
ラーメンは中国人にとって日本で最も馴染みのある料理です。 中国にも様々な味のラーメンがあります。日本ラーメンと中華麺には似て非なるものがあります。中華麺は手で引っ張り回して作っています。麺はプルプルしているので、麺には縁がなく、切り口が丸くなっています。 中華麺の出汁は豚肉・牛肉・魚介類を原料とし、日本のラーメンの出汁は豚骨・醤油・味噌などの調味料を加えて作られています。スープは濃厚、盛り付けが似ていて、肉が数枚、メンマが数枚、煮干しが数枚などとなっています。 中華麺の盛り付けはバラバラです。
中国人にとって、日本ラーメンは真面目な日本料理です。多くの中国人観光客が、日本でいろんな名物ラーメンを食べ回しています。例えば、北海道ラーメン、博多ラーメンなどなど。 日本に行ったことがない中国人に聞いてみたら、知っている日本ラーメンの名を挙げたのは同じく味千ラーメンです。実は、味千ラーメン、中国でも香港でもよく見かける日本のラーメン屋さんです。
筆者は数年前かつて香港国際空港で初めて味千ラーメンを食べました。正直言って、味は平凡でした。でも、ラーメンとコーラがセットで出してくれて、その組み合わせは面白かったのです。 ところで、味千ラーメンのアジア進出戦略は大成功したそうで、世界中、日本ラーメンの普及に貢献してきた。海外で、日本ラーメンと言えば、「味千」でしょう。あたかも味千ラーメンが海外で「孤軍奮闘」しているようです。 味千ラーメンは、台湾出身の客家、劉壇祥(後に重光孝治に改名)が創業した熊本市に本店を置くラーメン店チェーンです。
2020年10月現在、日本国内に74店舗、日本国外に15ヵ国776店舗あります。 海外店舗のうち700店以上が中国国内店で、これらは中国人女性実業家の潘慰が総裁(CEO)を務める味千(中国)控股有限公司が経営展開しているようです。味千ラーメンは、日本より中国でもっと有名だそうです。
ところで、日本では、様々なラーメンがあります。多くのおいしいラーメン屋はずっと一つの店舗で構われていて、チェーンストア経営をしないようです。常連のお客様を大切に、小売りを守ることでも一つの経営美学でしょう。 実力を持つ日本のラーメンチェーンストアがなぜか、海外に行かないのは不思議だと思います。いろんな素晴らしい日本ラーメンを世界中の人々が味わったらいいでしょう。
今まで、筆者はいつも日本旅行を考えられている中国の友人に言っていることがあります。「もっと個性的なラーメンを体験するためには、日本に来るしかない。肌で日本のラーメン屋の雰囲気を感じて、きっとラーメンをもっと美味しく味わえるでしょう」、ということです。