騒々しい場所で会話が聞き取れないのは「隠れた難聴」であるとする研究結果が発表される
2016.10.11 01:30
騒々しい場所で会話が聞き取れないのは「隠れた難聴」であるとする研究結果が発表される
静かな場所ではしっかり会話の内容を聞き取れる人でも、街の雑踏や騒々しいカフェなどで会話すると、相手が何を話しているのかはっきり聞き取れないことがあります。
「騒々しい場所なのだから聞きづらくて当たり前」と思うかも知れませんが、これは「隠れた難聴」であるそうで、多くの研究が行われています。
騒々しい場所では会話を聞き取りづらいことを、科学者たちは「隠れた難聴」と呼んでいます。
標準的な聴力検査ではこの「隠れた難聴」に関する測定は行われることがありません。
よって、「隠れた難聴」であっても、通常の聴力検査の結果が「正常」と判断される患者は多いそうです。
しかし、「隠れた難聴」の人々が騒々しい場所や混み合ったレストランの中で商談などを行えば、相手の話す内容が聞き取りづらく、そのことにストレスを感じるのは間違いありません。
そんな「隠れた難聴」の原因が、近年の研究により徐々に明らかになってきています。
科学者たちによると、「騒々しい雑音」には脳の「選択的に音を聞き取る能力」や「言葉を理解する能力」を低減する効果があるとのこと。
アメリカの言語聴覚士職能団体であるAmerican Speech-Language-Hearing Association(ASHA)で副所長を務めるアン・オイラー氏は、「これは我々が長い間存在を認識してきた問題であり、最新の研究はなぜ『隠れた難聴』が起こるのかを教えてくれます。
今後、聴覚科学者はより積極的に『隠れた難聴』の症状を探す必要が出てくるでしょう」と語っています。