早めに対処すれば 解決策はある…③
オーク住吉産婦人科 苅田正子先生のお話
『i-wish ママになりたい 女性のカラダと卵子の話』より
オーク住吉産婦人科
苅田正子先生
卵子の質を今より悪くしないことが大事
編集■では、何らかの方法で卵子の質を上げることはできるのでしょうか?
苅田■卵子の質をよくすることは難しいので、質を維持する、今以上にクォリティを下げないことが重要です。
他に対策として考えられるのは、卵子が減数分裂を再開する時期(排卵直前~受精まで)の体内環境をよくすることです。卵子の染色体異常が起きるのは減数分裂を再開するときなので、その時期の環境を整えるのも、ひとつの方法だと思います。
あとはサプリメントや漢方をお勧めすることもあります。DHEAは、卵子が採れにくかった方でも採れるようになったり、採卵数が増えたというデータが報告されています。他にコエンザイムQ10、ビタミンE、亜鉛、マカなどを飲まれている方もいます。
漢方は当帰芍薬散や加味逍遥散、温経湯など、その方の状態にあったものを処方しています。当院でも実際、温経湯を飲まれて卵子の採れる数が増えた患者さんがいらっしゃいます。もちろん、どなたにでも変化が見られるわけではなく、薬が合った場合に改善が期待できるようです。
検査で自分の状態をチェックする
編集■卵子の質ということも含め、患者さんにお伝えしたいことは?
苅田■女性の社会進出が進んで、高齢出産も増えていますが、すべての方が妊娠できるわけではありません。クリニックに行ったら妊娠できると思っている方もいらっしゃいますが、100%妊娠するわけではありません。
ですから、一度クリニックで検査をしてみる。まずはご自分のホルモンの値や卵子の状態を確認しておくといいでしょう。何か問題があったにしても早い段階であれば対処する方法はありますからね。
産婦人科に足を運びにくいという気持ちはよくわかりますが、当院には女性のドクターも多く在籍しておりますので、いろいろ聞いていただければと思います。
検査は採血によるホルモン検査と、子宮や卵巣などに異常がないかを確認する超音波検査が基本です。月経の終わりかけが検査に適した時期です。現在は卵子凍結という方法もありますので、まずは自分の生殖機能をチェックしてみてはいかがでしょうか。