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かげろう(陽焔)2021.2.11

2021.02.11 21:24

作州居合のカゲロウは『陽焔』と表記され、カゲロウのようにユラユラと揺れ動くなかで刀を操る技である。この捕らえ難さそのものが、技の本質なのかも知れない。


『陽炎』もカゲロウと読めるが、『焔』や『炎』に意味の違いがあるのか?と思って、調べてみた。


陽炎は摩利支天を意味する(後述)


 『炎』、『焔』どちらの漢字も『ほむら』または『えん』という音で読まれ『ほのお🔥』や激しい感情などを意味する。


① ほのう。『火の穂』や『火(ほ)群(むら)』が語源。

『ほむら』とは、気体が燃焼したときの、熱と光を発している部分。


液体(油)・固体(ろうそく)も、燃焼によって一部が気化し、反応している。ふつう最下部の炎心、輝きの強い内炎、その外にあり完全燃焼している外炎の三つに分けられ、温度は外炎内側で最も高い。火炎。


② 心の中に起こる、燃え立つような激しい感情(怒り、妬みなど)や欲望の例え。



ほのお🔥とひと口にいっても、

「🔴焔が赤く燃えている」というよりも、

「🔵炎が青く燃えている」というと、より

激しく燃え盛る炎を表現することになる。


炎と焔とで温度差を表現する訳ではないのだか、🔥炎の色が、赤🔴→黄🟡→白⚪️→青🔵と変われば、炎の温度は高くなるという。

また、焰(旧字体)→ 焔(新字体)

という字の成り立ちを考えると「火が臽(落とし穴の中にある)」意味であるため、ほのおが奧で燃えているさま。火の燃え始めるさまが原義で、ほのお一般に用いられることがわかる。


意味としては、

(1)ほのお。ほむら。「火焰カエン」 (2)火が少し燃え上がるさま。

「焰焰エンエン」(火が燃え始めてまだ盛んでないさま)となる。


『焔焔(えんえん)に滅(めっ)せずんば

炎炎(えんえん)を如何(いかん)せん』 

《「孔子家語」観周》という用法もあり、


『火は燃えはじめた段階で消さなければ猛火となり、手がつけられなくなる。災いは小さいうちに除去するのがよいという戒め。』

とされていることから、厳密には、

『焔焔 <= 炎炎』と理解した。

また、『かげろう』は、陽炎とも陽焔とも表記される。


カゲロウとは、

春の天気のよい穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象、を意味する。


強い日射で地面が熱せられて不規則な上昇気流を生じ、密度の異なる空気が入りまじるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。かぎろい。糸遊(いとゆう)。

『陽炎稲妻(いなずま)水の月』と言えば、

捕らえがたいもの、また、すばしこいもののたとえ、を現す。


ただし、

ヨウエン(陽炎)と言う場合には、

摩利支天を意味する場合がある。

摩利支天(まりしてん)は、「陽炎」を神格化した天部に所属する女神で、古代インドヒンドゥー教のウシャスという紅暁(曙)の女神(夜明けの光を神格化したもの)が、仏教に取り入れられ、仏教の守護神である天部の一柱、日天(※)の眷属となったといわれている。


その名称は、サンスクリット語で『陽炎、太陽や月の光線、威光』を現す、Marīcī(マリーチー)が音写されて「マリシ」となり、そこに「天部」の「テン」が付いた結果、「マリシ・テン」となったといわれる。

※ 日天は太陽を擬人化した神で、日天子(にってんし)、日神(にっしん)ともよばれ、

密教においては光り輝く光明によって煩悩の闇を照破し、ひいては大日如来の徳を輝かすことを誓願として、十二天の一つとして月天と対峙させて曼荼羅中に配されています。


摩利支天は陽炎のように実体がなく、捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かず、どんな影響も受けない存在である。


摩利支天は、自らの姿を隠して、常に日天の前に疾行し、災難・厄を除き、運を開いて利益・勝利を与えるといった、自在の通力を有すとされる。これらの特性から、日本では武士の間に摩利支天信仰があった。

竹内久盛の居城であった一ノ瀬城跡には、小さな祠がありますが、そこには摩利支天が祀られています。

太陽は46億年間、水素の核融合により光や熱を発し続けているが、その光もこの間、満ち溢れていたことになる。

稲荷宝珠