手の平と手の甲
小学校に上がりたてだったでしょうか、サファリパークで初めて黒人の方たちのパフォーマンスを観ました。出番の後、母に促されて握手に行ったのですが、差し出された大きな手の甲は黒い肌、手の平は白い肌。その境目が不思議できれいで、見入ってしまった想い出があります。
手の平と手の甲では、皮膚の性質が異なります。
手の平にはメラニン色素が少なく、日焼けもしにくいそうです。日焼けを気にせず日光浴をするには、『手の平を太陽に』がおすすめ。カルシウムの吸収を助けるビタミンDを作ったり、ストレスや不眠の解消に役立つホルモン、セロトニンの分泌が高まるといわれます。
足の裏も同様ですが、手の平には皮脂腺がなく汗腺が多くあります。皮膚の表面では皮脂と汗が混ざり合ってバリア膜となり全身を保護していますが、皮脂腺のない手の平と足の裏にはバリアがありません。
また、他の皮膚にはない透明層があり、角質も厚いので、他の箇所よりたくさん水分を含んでふやけます。
手の平と手の甲では、発する波動も違います。
ざっくり言うと、手の平はパワー、手の甲は癒しの役目が大きいと捉えています。
もちろん、表裏は一体なので分けられませんが。
例えば、顔なじみではない猫を撫でようとするとき、手の平を出すと、警戒してかわされがちです。でも、そっと手の甲側を差し出すと、向こうから寄ってきてスリスリしてくれることが多いです。
おでこの熱をあたるときも、いきなり手の平を向けられたら、相手によっては少し警戒するかも。そっと手の甲をあてられた方が、安心感があるように思います。触れる側も、手の甲の方が相手の熱を感じやすいのではないでしょうか。
手の平と手の甲、なんだか太陽と月のようなイメージです。
ケアでも、体調や箇所によって手の平と手の甲を使い分けます。
(日本語的には手の平や甲に指は含まれませんが、今回の話では含めて使っていると受け取ってください。)
今のそこに活力が合うときには手の平でほぐしたり、酷く傷んでいるときは手の甲でそっとさすったりします。
あおぐ方が効果的なこともあります。
そしてとても大切でよく使うのが、猫の手のように丸めたグー。個人的には、活力を握り込んだ癒しの手(手の甲側で触れるので)だと思っています。ストレスで縮んだ筋膜を伸ばすときなどは、この手でアイロンをかけるようにさすります。力で揉みほぐすのとは全然違って、硬く縮んだ心ごと緩んでいきます。
単に猫好きだからではないのですよ。
猫の手はとっても役に立つのです。
おすすめしますニャ~。