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退屈と惰性と 改

ER ファストトラック レビュー

2021.02.10 08:22

 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、

“ERー12 ファストトラック” です。


 “トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ” および、“ザ・リバース” に登場したメガザラック(スコルポノック)麾下のガードロボット、

“ファストトラック” が

ウエポナイザーとして復活。アースライズのランナップに加わりました。


 アースライズで発売される唯一のウエポナイザー(リカラー除く)。

 メトロフレックスにシックスガン、フォートレスマキシマスにコグ、ダイナザウラーにブラントというように、過去にタイタンクラスでリメイクされた大型の基地系トランスフォーマーに付属しなかったガードロボを補完していくシリーズ(?)の最新アイテムです。

 メインのスコルポノックがアースライズで発売されたこともあり、同じシリーズ内で早々に揃えられたこと、そのおかげで連動ギミックともいえる仕様が組み込まれていること、デザイン的な違和感もまったくないことなど、これまでの3組に較べ、よりチーム感があるのはよいですね。


 おそらく、ウエポナイザーというカテゴリでは一般販売最終アイテムとなるだろうファストトラック。

 今回は、とくに関係はないですが、モール限定のバトルマスター、

“ERーEX15 ダブルクロッサー” も一緒にレビューしていきます。


ファストトラック

ロボットモード

 オリジナルトイの簡易変形ロボ的な雰囲気を保ったまま、ほどよく現代ふうのプロポーションに調整された秀逸なデザイン。

 ほかのウエポナイザーたちと同じく、はっきりとした自我を持たない、無個性な量産型ガードロボという雰囲気ですが、それが逆に個性になっている感じ。

 オリジナルトイでは確かフェイス部分にすら塗装がなく、タイヤや武器のオレンジ以外はグレー一色だった記憶がありますが、今回も基本はほぼグレー一色ながら各部に塗装が加えられ、意外にもけっこう格好良くなっています。

 塗装については、この1月発売アイテムのほとんどがそうだった(たまたまかもしれないけど)ように、少々雑でした。まぁ、目立つ傷や塗料跳ねなどがなかっただけマシでしたが・・

 なお、腕部は接続用の5㎜穴が縦に2つ並んでおり、封入時、および宣材画像などでは上のほうの穴で取り付けられているのですが、説明書の画像は下の穴に取り付けたものになっています。

 後者のほうが肩の位置が上がって格好いいので、僕は(画像でも)そのようにしています。

 背面もすっきりとまとまっています。

 脛裏以外に目立つ肉抜きはなく、案外密度感もあります。

 ただ、ウエポナイザーになったものの、外見上はオリジナルの雰囲気を重視したのかディティール等も非常にシンプルで、付属の武器を除き、本体部分に武装的要素はなし。

 シージのときに発売された3体のうち、ブラントはそうでもなかったですが、コグやシックスガンはそれこそ全身武器の塊という感じにアレンジされていたので、彼らと較べるとなんとなく物足りない感じはします。


付属武器

ビーム砲

 オレンジ色が派手な小型のビーム砲・・っぽい武器。

 オリジナル準拠の武装ですね。正式名称があるのかどうかわかりません。

 ホイストやトレイルブレイカーの武器と同じように、拳をすっぽり覆って武器腕っぽい見ためになります。

 同形状のものが2つ付属し、デフォルトでは左の拳と右の肩に取り付けられています。

 銃口部分は3㎜軸で、シリーズ共通のエフェクトパーツの取り付けが可能です。


ソード

 こちらは後述のウエポンモード再現用に、新規に設定された武器だと思われます。

 便宜上ソードと呼びますが、これも正式名称はわからず。

 で、ソードというよりは幅広のナイフ程度の大きさです。

 デフォルトでは左肩後ろにマウントするよう指示がありますが、腕部の接続に若干干渉します。


分解

 これまでのウエポナイザー、そしてモジュレーター同様、各部をユニット単位でバラバラにすることが可能です。

 というか、各形態の変形のためにも基本的にはバラすことになります。

 なお、シージで発売された3体のウエポナイザーには、このように分解した状態で各ユニットにそれぞれ固有の武器、装置としての名称や能力が設定されていましたが、ファストトラックにはそういったものはありません。

 武器らしく見立てられるディティールもほぼないので、むしろモジュレーターに近い印象ですね。


ビークルモード

 2連装砲を備えた6輪の装甲車両にトランスフォーム。

 非常にコンパクトにまとまっており、オリジナルトイにかなり近い印象です。

 パッと見、ロボットモードから完全変形できそうにも見えますが、実際は組み換え変形になります。

 一旦バラす必要がありますが、後部(ロボットモードの胸部)からはER版バトルマスターや基地系アイテムと連結できるジョイントを展開することも可能。

 また、デフォルトでは右の砲塔の基部(ロボットモードの左肩)に取り付けているソードはロボットモードの後頭部に取り付けることで、

 ヘッドマスター等の搭乗席とすることが可能です。

 ソード側の穴と搭乗者の脚部のダボとでしっかり固定できるようになってします。


ウエポンモード

 スコルポノック用の大型武装、タイラントスピアにトランスフォーム。

 今回新たに追加されたモードです。

 なお、この形態では胸部(頭部含む)が余剰となります。

 タイラントスピアは、本来はヘッドマスターズの続編、“超神マスターフォース” に登場したブラックザラック(デビルZに洗脳されたスコルポノックが、強化されたトランステクターと合体した状態)の武器として新規に追加されたもので、当然、ファストトラックが変形したものでもありません。

 そもそもオリジナルのタイラントスピアは真っ赤で、形状もまったく異なります。

 アースライズのオリジナルギミックということになるのですが、なかなか面白いギミックだとは思います。

 これまでのウエポナイザーは、分離することでほかのキャラクターに装着可能な多数の武器(単体、組み合わせ含め)に変形する、というコンセプトのものでしたが、あくまで公式に、ビークルモード以外に単体で巨大な武器になる、という要素はなかったので、そういう意味でも新鮮です。

 さすが、デラックスクラスほぼ一体を直列に繋げているだけあって、一般的なサイズのキャラクターと比較すると巨大です。

 しかし、いざ本命のススコルポノックに持たせてみると、

 あれ? 案外小さいぞ。

 これじゃショートスピアですね。

 まぁ、タイタンクラスに持たせて違和感のない槍となると、リーダークラスくらいが変形しないといけなさそうではあります。

 なお、とくに固定するためのジョイントなどはなく、単純に手(ハサミ)で挟んで持たせるだけです。

 また、柄の部分はファストトラック腕部をただそのまま繋いだだけで、肘などにロック機構はなく、腰部パーツ含めて普通に曲がるので、気が付くとへたっている、なんてことも。

 ちなみに、我が家の大帝閣下ですが、寝違えてます(笑)。首、回りません。

 いやというのも、ただでさえ異様に堅かった首の基部が、低温環境下のためか、もうまったくビクともしないんです・・

 あんまり力ずくで回そうとすると、基部のディティールが歪んだり割れたりしそうだったので、とりあえずこのまま安静にしてもらうことにしました。

 もう少し暖かくなったらリハビリします。

 なので、予定していたアクション撮影も中止・・ 


 一応、もう1パターン公式の組み換え武装例が説明書に紹介されています。

 それがこちら。

 先日のラナマックのレビューで先出ししましたが、あらためて。

 8割方のパーツを使った長砲身の2連装砲およびバックパックと、ビークルモードのフロントパーツとソードを組み合わせた攻防一体型のシールドの組み合わせです。

 かなり背中が重くなります・・


ダブルクロッサー

 モール限定発売となった、おそらくアースライズ最後のバトルマスター。

 ちょっと出自がわかりません。新キャラなんだろうか?


ロボットモード

 左右対称の双頭を持つ、異形のバトルマスター。

 ゴーグルタイプの仏頂面が2つ並んだデザインは一度見たら忘れられない・・

 背面パネルパーツを横向けに背負うという、かなり割り切った仕様。

 本体部分はがっつり肉抜きされています。

 腕、脚付け根のボール可動以外に、変形都合で肩と上腕の間に回転軸があり、サウンドバリアよりはわずかにアクション性が高いです。


ウエポンモード

 まぁ、武器ではありませんが便宜上。

 シールド、あるいは基地系トランスフォーマーに連結可能な通路、タラップにトランスフォーム。

 相変わらず、ジョイント含めたパネルパーツはすべてクリアパーツなので破損が怖い・・

 同種のバトルマスター・・サウンドバリア、スリザーファングは上下(前後)2箇所にしかジョイントがありませんでしたが、ダブルクロッサーはその名の通りジョイント数が2倍になり、上下(前後)左右に4箇所のジョイントを備えています。

 なので、

このように十字路として使用できます。

 基地遊びの幅がまた広がりましたね。


 エフェクトパーツはサウンドバリア、スリザーファングと共通のものが1つ付属。

 基本は被弾イメージ用ですが、射撃エフェクトとしても使えます。


比較画像

 まずファストトラック。

 おそらくどちらもはっきりとした自我がないと思われるので、ライバル関係というのも変ですが、同様の立場ということで、フォートレスマキシマスのガードロボのコグと、ロボットモードで。

 ともにウエポナイザーとしてリメイクされた両者ですが、シージからアースライズとシリーズを跨いだ結果か、ディティールや5㎜軸、穴の数などにけっこうな差が出てしまったように思います。

 ウェザリング効果もありますが、コグは今にしてみるとけっこううるさい・・ファストトラックは随分とあっさりしましたね。


 ビークルモードでも。

 同じような装甲車両ですが、ツーインワンでもあるコグは上半身(ガスケット)と下半身(グロメ)で分離して2台のビークルに変形可能です。

 そんなコグの分離形態と並んでも、さほどサイズ感の変わらないファストトラック・・

 なので、コグを連結させるとファストトラックはかなり小さく見えます。

 ほかのウエポナイザーとも、ロボット、およびークルモードで。

 左がメトロフレックスのガードロボのシックスガン、右がダイナザウラーのガードロボ(ガードタンク)のブラントです。

 やっぱりファストトラックが1番貧相・・もとい、シンプルですね。

 なお、シックスガンはリメイクにあたり、新規にビークルモードが設定され、ブラントは逆にロボットモードが新規設定され、それぞれ単体のトランスフォーマーとして成立するものになりました。

 結局、ウエポナイザー4体は全員流用なしの独自の型になりましたね。

 一昔前なら、なんとかして流用してそうな面子なのに。

 ちなみに、フォートレスはメトロの流用・・

 ご主人様(?)のロード・ザラクと。

 身長はほぼ同じくらいですが、全体のボリュームはザラクのほうが勝ってますね。

 続いてダブルクロッサーと、ほかのER版バトルマスター、各モードで。

 オートボット、クインテッサン、そしてディセプティコンと、各勢力に1つずつ。

 人型、ヘビ型、双頭の人型と、一応個性は変えてきています。

 ウエポンモードも、今回のダブルクロッサーで十字タイプにアップデートされたのはよかった。

 ただそう思うと、スリザーファングにもなにか一捻り欲しかったですね。


 ER版のバトルマスターは、なんとなく2個ずつ購入しているので、とりあえず連結。

 もっと数があれば、ブロック的な手法で大型ロボットやビークルを組み立てられたかもしれない。


以下、画像

 デザインがシンプルなぶん、可動はウエポナイザーのなかでは1番・・いや、ウエポナイザーに限らず、WFCトリロジーシリーズ全体でもかなり優秀な部類だと思います。

 脚首スイングの範囲が広いため接地性は抜群。かなり大股を開いた状態でも安定した自立が可能です。

 腕用の接続軸はわずかですが跳ね上げが可能で、最初に言った腕部側の取り付け位置を変えることでも見せ方をけっこう変えることができます。

 肩上面の5㎜穴で接続すれば、真横に腕を伸ばしたポーズも可能。拳も回転します。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。

 背面のパーツに干渉する場合もありますが、今回珍しく穴は緩くありませんでした。

 太股と脛の長さのバランスもちょうどよく、脛が真っ直ぐな長方形ということもあり、立て膝も非常に綺麗に決まります。


 若干上半身の接続が緩くなりますが、ロボットモードでも腹部からジョイントパーツを露出させることは可能。

 まぁ、もう少しまともな利用法はあると思います・・


 ロード・ザラクをウエポナイズ。

 武器要素に乏しいので、強化用パーツとしては使えるものは限られるかなぁ・・

 ただ、車輪を備えた脚部は地上用の高速移動手段として有用です。

 あと、腕部はそのままでちょうどいいサイズの銃になりますね。


 タイラントスピアモードで。

 TF三国伝 呂布スコルポノック・・とか。


 ほかのキャラと組み合わせて、オレ変形合体をいくつか。

 +ブラントで、多脚ガードマシン。

 スコルポノックのビークルモード(サソリ)をイメージしました。

 さすが同じディセプティコン同士、ブラントとの組み合わせは色味も違和感なく、比較的うまくまとまった印象です。


 +エアウぇーブで、トレーラー型。

 あのジョイントを使って、ファストトラックのビークルモードとエアウェーブの基地モードを連結できないか? と思ったんですが、これがまた一筋縄ではいかない・・

 要はジョイントの向きに問題があって、そのまま真っ直ぐ連結とはいきませんでした。

 ファストトラックのジョイントパーツが、基部で回転するような構造なら問題なかったんですけどね。

 なんでこのジョイント、もっと単純な形にしなかったんだろう?


 最後は勢力関係なく、ウエポナイザー4体合体。

 名付けて、

カルテットウエポン

 そのまんまですな・・(笑)

 あくまでも今回はファストトラックが主役なので、彼をコアとして構成しましたが、なかなか綺麗にまとまったんじゃないでしょうか(自我自賛)。

 背面も。

 ファストトラックの上半身が露出していること、足に脚部を使うことと、シックスガンは飛行型のバックパックと大型ハンドに使う・・と、最初のとっかかりはその程度で、あとはコグ、ブラントと残りのパーツで間を埋めていった感じですね。

 コグ、シックスガン、ブラントそれぞれをコアにしたパターンもやってみたいけど、コイツが思った以上に綺麗にまとまったので、別のパターンが思いつかない・・


 以上、“ER ファストトラック” でした。


 コグ、シックスガン、ブラントに続く、いわゆるお供メカの単体リメイク・・現状でその最終アイテムとなるだろう、ファストトラック。

 やはり同様にウエポナイザーというかたちになりましたが、先の3体とは違い、単独での大型武器への組み換えが前提となり、それ以外に武器要素はあまり取り入れられていません。

 しかし、ローラーブレードなどに見立てられる脚部や、モジュレータ系との連動も可能ジョイントなど、面白みのあるパーツもありますし、シージ版ウエポナイザーとはまた違った楽しみ方ができるのかな、と思います。

 アースライズの日本展開、海外では普通に一般販売されているものもけっこうな数がモール限定になってしまったので、このファストトラックもモールかなぁ、思っていたんですが、意外や一般販売されましたね。

 いわゆるモブキャラに近い存在なので、複数買いして合体などさせている人たちを見ると、僕も3つくらい買っとけばよかった・・とか思ったり。

 まだ間に合いそうだけど・・どうしようかな。


 さて、ザ☆ヘッドマスターズに新規で登場したデ軍の最新リメイク、サウンドブラスターのアースモードはさすがに出ない気がするので、これにてコンプリートということでいいですかね。

 スコルポノックのレビューのときには、ファストトラック以外で集合写真を撮りました。

 ファストラックが来てから、あらためて全員で撮ろうと思っていたのですが、スコルポノックが寝違えているので、それはまたの機会にします。

 暖かくなってからかな。

 そのときは、せっかくだしカウンターパンチと、サイバトロンモードですがサウンドブラスターも届いているはずなので一緒に撮ろうと思います。

 海外ではブラックザラックに付属したファストトラックの色違い、ブラックロリッチが限定で発売されているようですが、いずれ日本のジェネレーションセレクトでブラックザラックは出しそうですね。

 そのときブラックロリッチも一緒に単体で発売されるか、ひょっとしたら同梱という可能性もあるかも。

 ブラックロリッチ単体なら買うかな。ブラックザラックはスルーで。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。