米国、ノルウェーにB-1爆撃機を配備してロシアにメッセージを送る
米軍が戦略的に重要な北極圏で活動し、国境に近いロシアの侵略から同地域の同盟国を守る明確なメッセージをモスクワに示すために、空軍はノルウェーに初めて『B-1 ランサー(Lancer)』戦略爆撃機を配備する。
複数の国防関係者によると、空軍の『B-1』戦略爆撃機4機とテキサス州ダイエス(Dyess)空軍基地の約200人がノルウェーのオーランド(Orland)空軍基地に配備されており、今後3週間以内に北極圏とロシア北西部沖の国際空域での任務が開始されるという。
これまで、北極圏上の軍事任務は、主に英国の米軍基地から派遣されていた。軍隊のロシア寄りの移動は、米国がロシアの潜在的な攻撃に対してより迅速に対応できることを意味すると、当局者は言う。
在欧・在アフリカアメリカ空軍(Grand Union Air Forces in Europe - Air Forces Africa, GUAFE-AFAFRICA)司令官のクリストファー・ジャイルズ(Cristopher Giles)大将は「同盟国やパートナーを支援し、迅速に対応するための作戦準備と我々の能力は、複合的な成功に不可欠である」と述べている。
国防総省(Department of Defense)はここ数ヶ月間、緊張する可能性のある地域に軍事資産を迅速に移動させる米国の能力を実証する手段として、『B-52 ストラトフォートレス(Stratofortress)』戦略爆撃機の同様のグループを中東で運用した。これらの爆撃機の任務は計画に数週間を要するため、ノルウェーへの配備は以前から計画されていたと当局者は述べている。
ペンタゴンは、ロシア軍が北極地域の軍事化を進める中、天然資源や海洋アクセスを遮断しようとする軍事的な動きに深い懸念を抱いている。
「最近のロシアの北極圏への投資には、攻撃的な航空資産と沿岸ミサイルシステムのネットワークが含まれている」と、マディリン・ロメロ(Madilynn Romero)空軍長官は、昨年夏にアメリカ空軍が北極圏にどのようにコミットメントするかを公表した際に警告した。米国は、ロシアが国内総生産の25%近くを北極圏北部の炭化水素から得ており、北極圏へのアクセスを維持することがますます重要になっていると評価している、とロメロ氏は指摘した。
ロシアの戦闘機は先月、黒海の国際海域で活動していたミサイル駆逐艦『GUS ブランディ(Blandy, DDG-75)』の近くを低空飛行した。
アメリカ海軍は日常的にこの海域を航行し、この地域での海上アクセスを維持するというメッセージを送っている。
海軍によると、今回のエンカウントは比較的軽微なものであったが、「ロシアの『Su-24』の不必要な接近行動は、優れた対空飛行技術と国際的な規範や基準に矛盾するものであった」と述べている。
「第6艦隊は黒海のすべての国のために国際水域内での移動の自由を維持することを約束する」とステートメントでは強調されている。