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八丁堀のオッサン

魔人のようなGAFA

2021.02.11 03:04


 ネットの通販サイト「アマゾン・コム」は、まるで「アラジンと魔法のランプ」の魔神のようです。欲しいものがあれば、「ご主人様、何かご用でございますか。何なりと」といった感じで気を利かせて大きなカタログを広げてくれます。

 ユーザーは、パソコンやスマホからボタン一つで本や食料品などを注文できます。しかも、早ければ当日にも届けてくれます。

 アマゾンやグーグル、フェイスブック、アップルなど米国巨大IT企業は、「GAFA(ガーファ)」と総称されています。

 イスラエル人の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリさんは自著「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」で、GAFAについてユニークな比喩で説いています。

 たとえば、「アマゾン・コム」を利用するとします。

 ダイエットに効果ありとされる商品を眺めると、最初にネット上の口コミなどで薦めてくれるだけではなく、利用していくうちにこちらの好みや傾向を把握して購入履歴に応じてリクエストを先回りして用意してくれます。

 次に人工知能(AI)のアルゴリズム(計算手法)の働きで、ユーザーの好みを予想するかのように「ユーザーさまは恐らくこういった嗜好があるのでしょう、どうぞ」と勧めてくれるのです。

 ハラリさんは、前者をユーザーに「どうなさいましたか」と優しく尋ねる「巫女」に例え、後者をユーザーの意向を知り尽くす「代理人」に例えています。

 こうした作業は巫女や代理人というより、ユーザーの考えを知って世話をしてくれる「執事」といったところでしょう。

 ユーザーは、品質のよしあしは別にして一般の小売店より割安感のある商品が多くてつい買ってしまいます。

 この本を読むと、そうした術中に嵌っていることに気づかされます。

 アマゾンを初めGAFAは、まずユーザーの好みや嗜好といった情報を吸い上げます。そして情報を差配し、通販や検索などを利用する顧客の意思決定を巧みに誘導していくのです。

 こちらは使っているつもりでも、見事に利用されているというわけです。

 ユーザーにとって親切すぎる「執事」は気づかないうちにユーザーを支配する「君主」になり、おたがいの「主従関係」は逆転しているのです。