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Monochrom Welt

灰色の日。

2021.02.12 11:00

この年になるまで考えもしなかったような、大きなチャンスに恵まれました。夢なんて見られないと思っていた自分が、まだこんなワクワクできるのかと驚くほどに。


しかし緊張して望んだ面接は予想と全く違う展開になり、まさにボロボロ。「終わったな・・・」そんな苦さを、久しぶりに味わいました。


数週間張り詰めていた緊張の糸が切れると久しぶりに写真を撮りに行きたくなり、モノクロフィルムを入れたミノルタ オートコードを持って江ノ島に行ってきました。

風の音と波の音を聞いていると、落ち込んでいる気分も少しずつ楽になっていきます。こんな海が近くにある環境で暮らせていること、それ自体が本当にありがたいなと。


江ノ島は猫の島。山上を目指す途中で出会った猫の、なんだこのしけたツラをした人間はと言わんばかりん表情に慌てます。



人気の観光地である江ノ島も、平日ということもあってかひっそりしています。こんな気分のときには、その静かさがありがたいです。


途中、名物のまんじゅうをつまんでみました。白か黒か悩んで、思い切って両方注文。こんな日くらいは細かいこと気にせず、欲望に忠実にありたいものです。


江ノ島には何度も来ているのに、名物の江ノ島丼って食べたことがありませんでした。観光地価格の観光地メニューだろうと決めつけていたのです。先入感を振り払って注文した江ノ島丼はとても美味しく、写真を撮るつもりが気がついたら丼が空でした。仕方なく、夕日を浴びて綺麗に輝く水のグラスを一枚撮ったり。


最奥の稚児ヶ淵に降りる途中、岩の上で気持ちよさそうに海を眺めている人を見て思わず最後の一枚を切ってしまいました。なんとなく締まらない、でもその程度でいたいそんな日でした。


数日後、選考落ちのメールを受け取りました。一縷の望みも断たれた失望を改めて感じつつ、意外と冷静に受け止めることが出来ました。これが早々に気分をリフレッシュできたお陰だとしたら、写真をやっていて良かったなあと思います。


でもきっとこれらの写真を見返すたび、あの日の苦い気持ちを思い出すのでしょう。