DI:#6 ALCOA原則/ALCOA+
こんにちは。パースペクティブの德原です。
前回からデータインテグリティに関する用語を紹介しています。前回はデータや記録に関する用語の定義について説明しました。今回は、データインテグリティの原則であるALCOA原則/ALCOA+について紹介します。データインテグリティとは、一言でいうと医薬品に関係するデータが正確で信頼できることと第1回でお伝えしました。データが正確で信頼できるために何を守るべきか、その原則についてみていきましょう。
データインテグリティの基本原則であるALCOA原則は、データインテグリティで守られるべき要件の頭文字をとったものです。
- A:Attributable(帰属性)
- L:Legible(判読性)
- C:Contemporaneous (同時性)
- O:Original (原本性)
- A:Accurate (正確性)
さらに4つ加えたものがALCOA+となります。
- Complete(完全性)
- Consistent (一貫性)
- Enduring(耐久性/永続性)
- Available(利用可能性/可用性)
データインテグリティを遵守するためには、紙の記録(手書き・印刷物)及び電子データの記録の両方において、これら9つの要件を守り、維持することが求められます。
それぞれの要件について紹介します。
◆Attributable(帰属性)
作業や記録をした人、データを変更した人が特定できること
データを生成した装置やシステムが特定できること
◆Legible(判読性)
データや記録の内容を人が判読・理解できること
◆Contemporaneous(同時性)
観察・作業した時点で記録されていること
◆Original(原本性)
オリジナルレコードもしくは真正コピーであること
◆Accurate(正確性)
記録が正確で事実に基づいていること
◆Complete(完全性)
事象を再現できる記録が全て揃っていること
◆Consistent(一貫性)
記録が矛盾していないこと
◆Enduring(耐久性/永続性)
記録の保管期間を通じて、恒久的かつ維持可能な状態で記録が存在していること
◆Available(利用可能性/可用性)
記録の保管期間を通じて、必要な時に記録を取り出し、利用できること
以上、今回はデータインテグリティの原則であるALCOA+について紹介しました。ALCOA+(9つの要件)はデータライフサイクルを通じて守られていなければなりません。次回はそのデータライフサイクルについて説明する予定です。