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物理的に孤立している俺の高校生活3 (ガガガ文庫) epubダウンロード無料

2021.02.06 16:36

物理的に孤立している俺の高校生活3 (ガガガ文庫)


物理的に孤立している俺の高校生活3 (ガガガ文庫) pdf

de 森田季節

3.8 étoiles sur 5 (6 Commentaires client)

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残念系異能力者でも友達と文化祭回りたい!波久礼業平には友達がいない……わけでもない。むしろ、あわやぼっちで過ごすと思われた夏休みを人研メンバーとともに無事乗り越え、本人はなんとなく成長した気さえしていた。しかし、業平の持つ異能力「ドレイン」はもちろん健在で、オン・オフができるようになったわけでもなんでもない。やっぱり学校レベルで物理的に孤立している。せつない。それでも、これなら二学期の文化祭も乗り切れると安心していた中、同じく不遇な異能力に悩む高鷲えんじゅから脈絡もなく連絡が来る。「男友達作り、早くしないとまずいことになるわよ。うちの高校って修学旅行が二年生の二学期途中にあるから」いやいや、そんなこと言ったってお前も人研メンバー以外の友達いないじゃんと思う業平だったが、高鷲の言葉は確かに事実。蘇る中学時代のトラウマ。現状、限りなくぼっちな二人は、売り言葉に買い言葉で「文化祭が終わるまでに友達を作れるか」勝負をすることになってしまう。お互いこいつにだけは絶対負けないよなと思うのだが……あれ、そもそも友達ってどうやって作るんだ!?残念系異能力者たちだって友達と文化祭を回りたい! 大人気青春未満ラブコメ第3弾!!※「ガ報」付き!※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。A continuación se muestran los comentarios del lector después de leer 物理的に孤立している俺の高校生活3 (ガガガ文庫). Puede considerarlo como referencia.

いわゆる「ぼっち」と呼ばれる類の若い人たちに共通して見られる傾向の一つに「友だち関係への極端な理想化」みたいなもんがあるかと。「友だち」ってのが必ずしも「心の友よ!」と言えるほど濃くて堅い関係じゃない、普通に切れる事も分かれる事もあって当たり前、そんな事はある程度歳を食えば分かる事だけど、「友だちが少ない」タイプの人は何故かやたらと自分を絶対に裏切らない「心の友」を欲しがる傾向にあったりする。森田季節がガガガ文庫で続けている本シリーズ三作目はそんな「ぼっち的友だち観」を鋭く抉った一冊。話の方は謎の存在「メイド長」を呼び出す異能の持ち主・汐ノ宮嵐蘭が加入した事で人研が同好会に昇格するべく業平の担任・坊城先生を婚活相手を紹介するという条件でたらし込んで顧問に据え、生徒会室で待つエリアスに必要な書類を提出する場面から始まる。いつもの業平に対する態度からすれば妙にすんなり受理してくれたエリアスだけど、やはり腹に一物あった様で「文化祭で活動実績残さないとせっかく認められた同好会扱いも取り消すことになるから」と5階の空き教室という文化祭の来場者がまず寄る事の無さそうな場所を活動の拠点にしている人研にとっては非常にきつい条件を突き付けてくることに。人研のメンバーで出し物のアイデアを練るけど、当然の如く都合の良い案などはでないまま暗礁に乗り上げ「ここは一つ切羽詰まった状況で徳川家康の屋敷に逃げ込んだ石田三成を見習おう」とエリアスに相談を持ち掛ける業平たち。呆れながらもエリアスが助っ人として人研に寄越したのは生徒会書記、実質雑用係の大福卜全という男子生徒。「販売も展示も厳しいなら足して二で割ったら?」という大福の提案で雑貨を持ち寄ってセレクトショップ兼カフェをやる事になった業平たちだったが、一段落ついた所で高鷲は夏休みの最期にLINEでの「人研を介さずに友だちを作る」という宣言を思い出し、業平相手に先に友だちを作った方が何でも一つだけ命令できる権利を賭けて勝負する事を申し込み、業平はその条件を呑んで文化祭へ、というのが主な流れ。「ぼっち」が集まって謎部活を作る、というラノベ作品は多いけど、その場合友だちの需要は部内で賄ってしまう事が多くわざわざ部外に友だちを作るという話は割と珍しい流れじゃないかと。しかもそこに「先に友だちを作った方が勝ち」という勝負の要素を持ち込むとなるといよいよもって珍しい。そしてこの三巻はその「友だち作り」という一見すれば非常に前向きに聞こえる言葉の裏に潜む厭らしさをガッツリ抉っている。上にも書いた様な「ぼっち」が抱きがちな極端な友だち幻想をペチャンコにする様な強烈なパンチを入れてくる内容となっているのである。立地最悪の場所で活動する人研に人を呼び込むという難題を解決するべく生徒会から借りてきた人材、カラスと喋れるというどこに利用価値があるかさっぱり分からない異能の持ち主だが妙に人当たりが良い大福卜全という少年。一巻冒頭でドレインの異能を持つ業平の前の席からテニスラケットにプリントを載せて申し訳なさそうに渡してきた女子生徒でマニアックなバンドが趣味の高鷲と何故か話が合う一身田さん。この「ぼっち」の業平や高鷲でも比較的付き合いやすそうな二人が今回のキーマンとなっている。「友だちを先に作った方が勝ち」という賭けに出た二人の前に現れた都合が良すぎる位に友だちになり易そうな二人。人研のセレクトショップ「意識高い系」を訪れた一身田さんがマニアックなバンドの話で普段は毒気の塊みたいな高鷲と妙に話が盛り上がっている所を見せつけられた事で「俺も早く友だちを作らなきゃ、それには人畜無害っぽい大福を攻略するのが一番」という焦りにも似た感情に業平が囚われた所で話は妙な流れに。大福と言う少年は人当たりが良いように見えて意外なまでに「自分」を持っている事が見えてくるのだけど、その大福の生徒会副会長のエリアスは付き合い辛いから人当たりの良い汐ノ宮さんを彼女にしたいな、という正直な態度を「付き合いやすいから攻略対象みたいに扱うのは汐ノ宮さんに失礼だろ」と咎めようとした業平を襲う強烈な矛盾。「友だちにし易そうだから大福を友だち作りの攻略対象にしようとしたお前がそれを言うのか?」という疑問。もっと明確に言えば「自分を拒絶したり裏切りそうにない大人しそうな奴だから友だちにしてやろう」という傲慢さ。「友だち作り」という行為の裏に潜むどうしようもない厭らしさが顔をのぞかせる瞬間である。「自分が裏切られない保証を取り付けなきゃ人と付き合えない」という人間関係に不自由な人特有の弱さをここまで赤裸々に描く辺り「不戦無敵の影殺師」でも感じた事だけど森田季節はこういう毒を利かせた話を書かせると抜群に巧いなあと唸らされる。裏切ったり裏切られたりの経験を経ずしていきなり「最高の友だち」をゲットしてしまいたいという「ぼっち」特有の「理想の友だち」観を徹底的に糾弾する様な展開に吐き気を催す人もいるのではないだろうか?ただ、これだけじゃキツいだけの話なので同じ構図が高鷲と一身田さんの間に生じていた事を明かし、ズルをしていたのは業平だけじゃなかった、高鷲も「厭らしい友達作り」を恥じていた、という事を語らせる辺りは救いとなっている。一巻で理想が固定化され過ぎた所を伺わせた高鷲と二巻で変な所で潔癖な過去があった業平らしいというか…二人きりの反省会を開いた業平と高鷲の互いに自分を責める様なやり取りは「自らの醜さを突き付けられた若者らしさ」が満ち溢れていて…なんというか読んでいてムズムズするぐらいの恥ずかしさを感じた…キツい展開の後にこういう場面を入れてくる辺り森田季節はズルいなあ、と苦笑させられた次第である。ただ、気になるのは前巻でかなりの存在感を見せ付けたエリアスが空気化していた事。一巻ではエリアスが、二巻では高鷲が、そしてまた三巻ではエリアスが…交互に存在感を失ってしまうのは何でなんだろう?どうにもダブルヒロインという設定を森田季節が持て余してしまっている様な気がするのだが…ともあれ、綺麗な物と醜い物を並べて人間臭い矛盾を描き、キャラクターに厚みを持たせる森田季節らしさは感じられた。「ぼっち」にホイホイ救いを与えてしまう凡作と違い、「ぼっち」が陥りやすい厭らしさに容赦なく切り込んだあたりも実に「らしい」。まるでピンと来ない作品を書く事も多い森田季節だけど、こういうど真ん中を突いてくる作品を出してくれる以上、まだまだ付き合わなきゃならないな、と思わされたシリーズ第三巻だった。