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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

大王対女帝6-ポーランド継承戦争

2021.02.12 11:17

1733年ポーランド継承戦争が起きる。スペイン継承戦争以来約20年ぶりである。この年、ザクセン公にしてポーランド王アウグスト2世が崩御すると、大北方戦争で一時国王となったスタニスワフ・レシチニスキが議会で再び王に選出された。彼は仏王ルイ15世の義父である。

ところが、皇帝カール6世は、娘マリアの継承をザクセンに支持してもらうために、ザクセン公フリードリヒ・アウグスト2世を推薦し、ロシアやプロイセンが反スウェーデンの立場から付いた。フランスはここでスペインとイタリアのサルディーニャアを味方につけ、また欧州にまたがる戦争に発展する。

ロシアは一気にワルシャワに攻め込み、ザクセン公を王位につけ、レシチニスキはまたしても亡命、しかしスペイン継承戦争の領土の再編成をめざし、各国は戦争をやめる気がなく、2年間戦争は続く。

35年のウィーン平和条約で、ポーランドはザクセン公が継ぎ、レシチニスキは一代限りのロレーヌ公となり、その後ロレーヌはフランスへ。ロレーヌ公だったマリアの婚約者フランツはトスカーナ大公となった。スペインは、ナポリとシチリアに復帰。北の大国ロシア、プロイセンも巻き込んで戦争は欧州中に広がり、その中で、ポーランドは衰退して悲劇の運命を迎える。

下はダンツィヒ攻囲戦