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なるの台本置き場

【女2】私のテディ

2021.06.13 12:00

女2/時間目安30分



【題名】

私のテディ



【登場人物】

園田りり花(そのだりりか):愛香症を患う。

相澤仁菜(あいざわにな):ぬいぐるみ症を患う。



【台本に入る前に少し基本説明】

*愛香症(あいこうしょう)

愛情を抱くと体からいい香りを発する病。自分の体から発しているため、本人は知覚できない。

*ぬいぐるみ症

発作を起こすとぐったりとその場にへたり込んでしまう。誰かに抱きしめてもらえるまで元に戻れない。



(以下をコピーしてお使い下さい)


『私のテディ』作者:なる

https://nalnovelscript.amebaownd.com/posts/14483567

園田りり花(女):

相澤仁菜(女):




-------- ✽ --------






【自宅】



001 りり花:ただいまー。


<返事がない>


002 りり花:あれ、仁菜ー?いるー?……寝てるのかな。


<寝室に向かうりり花>


003 りり花:(小さめの声で)ただいまぁ……あ、仁菜?


004 りり花N:寝室に入ると、部屋の隅で床にへたり込んでいる仁菜がいた。


005 仁菜:……あ……りり、ちゃん……。


006 りり花:動けなくなっちゃった?


007 仁菜:……うん。


008 りり花:もう大丈夫だよ。私がいるからね。


009 りり花M:私はそっと仁菜を抱きしめた。動けなくなった仁菜を抱きしめていると、本当にぬいぐるみを抱いているような気持ちになる。抱きしめ返して来ない、私より少し背の低い、暖かいぬいぐるみ。それが仁菜。ぬいぐるみ症という奇病を患う、私の彼女。


010 仁菜:いつもごめんね、りりちゃん。


011 りり花:謝らない。……仁菜が悪いわけじゃないでしょ。


012 仁菜:でも、


013 りり花:でもじゃない。そんな事いいから、黙ってもう少し私に抱き締められてなさい。


014 仁菜:う、ん。


015 りり花:私が抱き締めたいから抱き締めてるの。仁菜は巻き込まれてるだけ。


016 仁菜:……うん、ありがとう。


017 りり花:よろしい。


018 仁菜:ふふ……りりちゃん。


019 りり花:もう大丈夫?


020 仁菜:うん。りりちゃん、おかえりなさい。


021 りり花:ただいま、仁菜。ごめんね、帰りが遅くなっちゃって。


022 仁菜:ううん、最近お仕事忙しそうだし、全然大丈夫だよ。


023 りり花:ありがとう。あ……発作の前、今日は眠気来た?


024 仁菜:……うん。眠いな、って思ってから、その、動けなくなるまであっという間で……。


025 りり花:そうなったら連絡してって言ったでしょ?遠慮しなくていいんだよ。私達恋人なんだから。


026 仁菜:う、うん。携帯リビングに置きっぱなしで、取りに行けなかったの。


027 りり花:そっかそっか。


028 仁菜:携帯はちゃんと肌身離さず持ってることにする。


029 りり花:そうだね、家でも気をつけようね。


030 仁菜:うん。……りりちゃん、もう一回ぎゅーってして?


031 りり花:ふふ、いいよ。ほら、おーいで。


<りり花に仁菜が抱きつく>


032 仁菜:えへへ……りりちゃんいい匂い。


033 りり花:ほんと?仕事帰りそのままだし、汗臭くない?


034 仁菜:んーん。りりちゃんいい匂い。仁菜が一番大好きで、一番安心する匂い。


035 りり花:そっか。……仁菜がいいならいいや。夕飯は?食べた?


036 仁菜:……あ!いけない!ご飯作ってる最中だった!


<キッチンに走っていく仁菜>


037 りり花:あ、ちょっと、仁菜?


038 仁菜:ごめん!すぐ作るから!りりちゃん先お風呂入って!あぁ、ちゃんと追い炊きしてね!パジャマいつもの所に用意してあるから!


039 りり花:あぁ、うん……ふふ、ほんと可愛い。







【駅】



040 仁菜M:りりちゃんはいつもいい匂いがする。香水とかではなく、りりちゃん本人の匂い。……りりちゃんは、愛香症という病気を患っている。生活に支障はないけど、好きが周りに筒抜けで、トラブルも多かったそう。本人には匂いが分からないらしく、仁菜が近くにいると匂いが更に甘くなる事をりりちゃんは知らない。


041 仁菜:りりちゃん!ごめんね、お待たせ。


042 りり花:あれ、仁菜。どうしてここって分かったの?迎えに行こうと思ってたから連絡しなかったのに。


043 仁菜:ふふ。りりちゃんの場所なら、何処にいてもすぐ分かるよ。こんなに人がいっぱいいる駅でもね。


044 りり花:あぁ、匂い、か。


045 仁菜:うん。


046 りり花:あー、だからか……。


047 仁菜:何かあったの?


048 りり花:凄いジロジロ見てくる人がいてね、不思議に思ってたんだ。


049 仁菜:何それ!……むぅ……仁菜のりりちゃんなのに……。


050 りり花:大丈夫大丈夫、私の事狙ってる人なんていないから。


051 仁菜:りりちゃんはもう少し自分が美人さんな事を自覚するべきだよ。


052 りり花:ん?


053 仁菜:何でもない。……りりちゃんこっち向いて?


054 仁菜N:口にキスをするように見せかけて私はりりちゃんのほっぺにキスをした。


055 りり花:に、仁菜?!


056 仁菜:ふふ、これでみんな、仁菜達がラブラブな事分かったと思うから、そういう変なやつはもう寄って来ないよ!


057 りり花:もう、仁菜ったら。ありがと。


058 仁菜:えへへ、りりちゃん今日も可愛いね。


059 りり花:ありがとう。仁菜も可愛いよ。このワンピ、この前買ったやつだよね?


060 仁菜:うん。今日はめいっぱいお洒落しようと思って、着てみた。


061 りり花:ほんとに可愛い……流石私の彼女。


062 仁菜:も、もう!りりちゃん!


063 りり花:ふふ……じゃあデート、行こっか。


064 仁菜:うん!







【自宅・寝室】



065 りり花:にーな。


066 仁菜:ん……りりちゃん?


067 りり花:……今日、しよっか。


068 仁菜:へ?!


069 りり花:……イヤ?


070 仁菜:りりちゃん。


<そっぽを向くりり花>


071 りり花:やっぱり何でもない。


072 仁菜:りりちゃん、ほーら。


073 りり花:もう寝るから。


074 仁菜:ふふ……仁菜寂しいなぁ。


075 りり花:……ずるい。


076 仁菜:ぎゅー!こっち向いてくれないなら後ろから抱きついちゃうもんね。


077 りり花:仁菜、離して。


078 仁菜:やだ。


079 りり花:そっち向きたい……。


080 仁菜:ふふ、はい。……あーあー、泣きそうな顔して。どうしたの?


081 りり花:分かんない。


082 仁菜:じゃあほら、ぎゅーってしよ、ね?


083 仁菜M:りりちゃんが少し強引に私を誘う時は、りりちゃんが不安を感じたり、寂しいと思った時の合図。こういう時はそっと頭を撫でながらりりちゃんを抱きしめる。


084 りり花:ねぇ仁菜……私の事好き?


085 仁菜:うん、好きだよ。……大好き。


086 りり花:……そっか。


087 仁菜:りりちゃんは?仁菜の事好き?


088 りり花:うん。……好き。


089 仁菜:えへへ、嬉しい。よしよし。


090 りり花:仁菜暖かい。


091 仁菜:……りりちゃんは蝶々みたいだね。


092 りり花:蝶々?


093 仁菜:うん。りりちゃんは、いつも甘い匂いを運んでくれる蝶々。


094 りり花:ふふ、なにそれ。そうだな……仁菜はくまさん、かな。


095 仁菜:仁菜はりりちゃん専用のぬいぐるみだもんね。


096 りり花:うん。だからどこにも行っちゃダメだよ。仁菜は私のだから。


097 仁菜:うん、どこにも行かない。……私はテディ。ご主人様のお傍にずっと居ます。……ふふ。


098 りり花:あはは!……私のテディは可愛いなぁ。


099 仁菜:テディはハグが大好きです。いーっぱい、ハグしてください。


100 りり花:はいっ。


101 りり花M:言われた通り、めいっぱい抱き締めると仁菜がくすくすと笑っていた。今日は私が仁菜に抱きついているから、腕がお腹にあたってくすぐったいらしい。……ふと、仁菜の胸元に光るネックレスが目に入った。


102 りり花:仁菜、ネックレス外さないの?


103 仁菜:外せないよ!……りりちゃんから貰ったものだもん。


104 りり花:仁菜はさ、私でよかったの?


105 仁菜:じゃあ逆に聞くけど、りりちゃんは私でよかったの?


106 りり花:いいに決まってるじゃん。そうじゃなきゃ、仁菜にネックレスはプレゼントしないよ。


107 仁菜:ふふ……それと同じだよ。


108 りり花:どういうこと?


109 仁菜:りりちゃんからのプレゼントじゃなきゃ、ネックレスは受け取らない。


110 りり花:……そっか。


111 仁菜:そうだよ。……さ、もう寝よ?りりちゃん、明日もお仕事でしょ?


112 りり花:うん。あれ、仁菜は?


113 仁菜:私明日休みー。


114 りり花:えぇ、じゃあ私も休んじゃおうかな。


115 仁菜:ダメですっ。


116 りり花:えー、仁菜のイジワル。


117 仁菜:もし休んだら、……罪悪感に駆られて、後でお部屋の隅っこで体操座りして頭にキノコが生えちゃうのは、……どこの誰かなぁ〜?


118 りり花:うっ……。


119 仁菜:ふふ。りりちゃんの好きなもの作って家で待ってるから。お仕事頑張ってくださいな?


120 りり花:はーい。……今日はこのまま寝ていい?


121 仁菜:いいよ。りりちゃんが眠るまで、頭撫でてあげる。


122 りり花:ん!……手繋いで。


123 仁菜:はぁい。


124 りり花:おやすみ、私のテディ。



<間>



125 仁菜:……りりちゃん。……りりちゃんは、仁菜のそばにずっと居てくれる?……りりちゃんが他の人のものになるの、……いやだなぁ。







【デートの帰り】



126 りり花:仁菜、最近ご機嫌だね。


127 仁菜:うん。最近りりちゃんと過ごせる時間が沢山あるからかな!先週も、先々週も、今日も!デートしてるし。


128 りり花:ふふ、私の事大好きじゃん。


129 仁菜:……うん。大好き。


130 りり花:その笑顔禁止。


131 仁菜:なんでよ!


132 りり花:とっっっっっても可愛いから、他の人に見せたくない。


133 仁菜:うぅ……りりちゃんすき!


<仁菜がりり花に抱きつく>


134 りり花:あ、こら!急に抱きつかないの。


135 仁菜:えへへ、ごめんなさい。


136 りり花:ほんと、仁菜は世界一可愛い。


137 仁菜:え、りりちゃんが世界一だよ?


138 りり花:違う、仁菜が世界一。


139 仁菜:りりちゃんですー。


140 りり花:ふふ、じゃあ私達世界一カップルだね?


141 仁菜:……うん。


142 りり花:最近調子よさそうでよかった。酷い時本当に辛そうだから。


143 仁菜:りりちゃんがそばに居てくれるお陰だよ。


144 りり花:何か役に立ててるなら良かった。


145 仁菜:それに、寂しいにも少しずつ慣れていかなきゃいけないからね、私も頑張らないと。


146 りり花:焦らなくていいんだからね?


147 仁菜:うん!でも出来る努力はしないと!……ふふ、仁菜は大丈夫だよ。


148 りり花:そっか。


149 仁菜:さて、そろそろお茶でもしたいんだけどカフェに入りませんか?


150 りり花:ふふ、何?その話し方。


151 仁菜:えへへ、何となく?


152 りり花:ふふ、じゃあ行こっか。あそこ行こ。







【自宅】



153 仁菜:ねぇ、りりちゃん。来月の最後の週の土曜日って空いてたりする?


154 りり花:何かあるの?


155 仁菜:ポップアップショップやるらしくて、行きたいんだよね。一緒にどうかなと思って。


156 りり花:あぁ、仁菜が好きなキャラクターのやつだ。ふふ、ちょっと待ってね。……えーっとそこは……あ、ごめん、大阪に出張だ。


157 仁菜:え、出張?


158 りり花:言うの遅くなってごめんね。そういうの断ってるから普段声かからないんだけど、今の時期忙しくて行ける人が他にいなかったみたいで。


159 仁菜:……ううん、大丈夫だよ。……どのくらい行くの?


160 りり花:土日は休みで2週間。日曜に出て、土曜に帰ってくる予定になってる。


161 仁菜:そっか。……長いね。


162 りり花:……仁菜?


163 仁菜:……あ、そうだ。私お風呂……お風呂、行ってくるね。


<立ち上がる仁菜>


164 りり花:……仁菜、ちょっと待って。


165 りり花M:声を掛けただけなのに、仁菜はビクッと肩を震わせた。


166 仁菜:な、なに?りりちゃん。


167 りり花:こっちきて。


168 仁菜M:『こっちきて』はりりちゃんが絶対逃がさないモードの時に言う言葉だ。


169 仁菜:……うん。


<仁菜を膝の上に座らせるりり花>


170 りり花:仁菜……怖い?


171 仁菜:ん……うん。でも、大丈夫だよ。最近発作もほとんど出てないし、この前の検診でも、良くなってきてますねって先生に言われたし。


172 りり花:本当は?……本当はどう思ってるの?


173 仁菜:ん……。


174 りり花:だめ、本心言うまで離さないよ。


175 仁菜:……2週間……長いなぁ。


176 りり花:うん、私も仁菜を置いていくの少し心配。


177 仁菜:でも、ニィ、りりちゃんが戻ってくるまで、ちゃんとお利口で待てるよ?


178 りり花:まだ時間もあるし、一緒にどうするか考えよう?


179 仁菜:りりちゃんに迷惑かけないようにするから。……ニィは、大丈夫、だから。


180 りり花:仁菜、ちょっと待って。


181 仁菜:ニィ、我慢できるよ。りりちゃんがお仕事してる間、ニィも頑張るから。


182 りり花:大丈夫。大丈夫だから、ね?少し落ち着こう?


183 仁菜:……ん。


184 りり花:……仁菜?


185 りり花M:突然私の腕の中で眠たそうにしている仁菜に驚きはしたものの、この光景にも慣れてきている私がいた。


186 仁菜:……ん……(欠伸)


187 りり花:ちょっと不安になっちゃったね。大丈夫、このまま抱き締めててあげるからね。


188 仁菜:……りりちゃん。


189 りり花:んー?


190 仁菜:……ごめんね、迷惑かけて。


191 りり花:迷惑じゃないよ。


192 仁菜:迷惑……かけないように、ニィ、いい子になるから……。


193 りり花:もう十分いい子だから。ちょっと休もう?


194 仁菜:ニィを……捨て、ないで……。


195 りり花:あれ、仁菜?……あぁ、落ちちゃったか……。


196 りり花M:仁菜が自分の事を『ニィ』と呼ぶ時は私が何かを間違えた時。


197 りり花:ごめんね。……私また間違えちゃったね。


198 りり花N:私は仁菜をベッドに寝かせ、一人分のコーヒーを入れにリビングへ向かった。







199 仁菜:あ、先輩。お疲れ様です。……はい、大丈夫です。ご心配をお掛けしてすみません。……あはは!本当に大丈夫ですよ。今週1度帰ってきてくれるそうなので。……はい。……あ!その書類なら先程先輩のデスクに届いてましたよ。……いえいえ。私はこれで、失礼します。



200 りり花:本社から参りました。園田です。2週間、宜しくお願い致します。……恋、人ですか?はい、いますが……それが何か?……あぁ、初めまして。……課長さんの息子さんで、あぁ〜。……宜しくお願いしますね。……はい。



201 仁菜:りりちゃんが帰ってくるまであと3日か……意外とあっという間だったなぁ。……ふふ、バタバタしちゃうだろうから夕飯の下ごしらえだけしておかないとなぁ。何にしようかぁ。……りりちゃんの好きなオムライスにしようかな。ふふ。



202 りり花:あぁ、お疲れ様です。……はい。……あ、土曜日……土曜日はちょっと……え、歓迎会?私の、ですか?あぁ……え、あ、はい。分かりました。……失礼します。



203 仁菜:あれ、りりちゃんから電話?……もしもし、りりちゃん?


204 りり花:仁菜?急にごめんね、今大丈夫?


205 仁菜:うん、今日は早上がりだったからもうお家にいるよ。どうしたの?


206 りり花:あのさ……土曜日の事なんだけど……。


207 仁菜:うん?


208 りり花:なんか歓迎会やるらしくて。


209 仁菜:りりちゃんの?


210 りり花:そう、2週間しかいないのに。


211 仁菜:歓迎されてるみたいで良かった。


212 りり花:あ、それでね、その関係で帰るの土曜日のお昼って言ってたけど日曜になりそうなんだ。


213 仁菜:そっか。


214 りり花:大丈夫そう……?


215 仁菜:……うん、大丈夫だよ。……日曜日もそっちにいたら?


216 りり花:え?


217 仁菜:歓迎会の後に帰ってくるとバタバタになっちゃうでしょ?大丈夫だから。


218 りり花:そ、そう?


219 仁菜:うん。時間も勿体ないし、観光とかしておいでよ。お土産待ってるから。


220 りり花:……うん。分かった。じゃあそうするね。でも何かあったら絶対連絡してね。


221 仁菜:うん、分かった。りりちゃんそろそろ休憩終わるんじゃない?


222 りり花:あ!やば。……じゃあまたね。


223 仁菜:はーい。……そっか。帰ってこないのか。



224 りり花:あぁ、先日はどうも。ありがとうございました。……はい、とても楽しかったです。……本当ですか、それは良かったです。……あ、日曜日、ですか。空いてます、ね。……あぁ……じゃあお願いします。……はい、お待ちしてますね。



225 仁菜:……あ、はい。すみません、ぼうっとしてて。……あぁ、いえ。……いやいや!本当に大丈夫です。……あっ……分かりました。じゃあお言葉に甘えて……ありがとうございます。



226 りり花:……そうですね。本当にあっという間で。……いやぁ、皆様のおかげです。とても楽しく色々学ばせて頂きました。……はい、また機会がありましたらぜひ。……あはは、今日のお昼ですか?まだです。……はい、ぜひ。ご一緒させてください。



227 仁菜:りりちゃん……何してるのかな……楽しんでるといいなぁ……あっ携帯、落ちちゃった……ん、届かない……ふぁ……やば……りり、ちゃ……。







【自宅・出張帰り】



228 りり花:ただいま〜。


<返事がない>


229 りり花:仁菜?どこー?


<寝室へ>


230 りり花N:寝室へ向かうと、ベッドの上には目の光を失い、動けなくなった仁菜がいた。


231 りり花:仁菜……やっぱりダメだったか……。


232 りり花M:いつもより少し強く仁菜を抱きしめると、虚ろな目に少し光が灯った。


233 仁菜:ん……だ、れ……?


234 りり花:私だよ、仁菜。ただいま。


235 仁菜:りり……ちゃん?


236 りり花:うん、そうだよ。ごめんね、遅くなって。


237 仁菜:あ……おかえりなさい、りりちゃん。


238 りり花M:ふわっと笑う仁菜の笑顔は、見た事が無いほど儚くてとても愛おしくなった。


239 りり花:2週間も一人にしてごめんね。数日お休み貰ったからずっと一緒にいようね。


240 りり花M:仁菜は嬉しそうに笑い、そのまま眠りについた。


241 りり花:離れちゃダメだよ、私のテディ。



(終)



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Special Thanks 

みなみ様


台本の上に掲載してある画像はツイキャス用のキャス画としてみなみ様が作ってくださいました!もし良ければお使いください♪




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続きのお話 ⇢『薫りに縋って』(男2:女2)