牝牛と兵隊(1960)LA VACHE ET LE PRISONNIER
〈ビデオ解説より〉
名優フェルナンデルと巨大な牝牛とは最高のコンビ
銃殺もなんのその、ものの見事に
《敵前脱走》が大成功だ!
第2次大戦中、ドイツ軍の捕虜となったフランス兵士の《堂々とした脱走秘話》にもとづいた傑作コメディ!奇想天外、やることなすこと矛盾だらけで次々と意外な事件ばかり起きて、スリルとサスペンスと笑いが絶えることのない痛快な作品だ。
ヨーロッパの戦争が一段と激しくなった1943年春のこと、ドイツの農家で働かされている捕虜のフランス兵、シャルルは《大脱走》の計画を練りに練り、ついに敵の目を《あざむく妙案》を考えついた。捕虜であることを偽らず白昼堂々とドイツ国内を移動し、母国に帰る。その力ギは、ドイツの農家の《作業の延長》として行動することだ。かくして彼は丸々と太った牝牛のマルグリットを引き連れて、《帰国の旅》に出た。
牛の散歩でドイツ横断、ということだったが当然ながら道は平坦ではない。①フランスの曲が響きわたるので、テッキリもう母国!と思いきや強制労働のフランス捕虜部隊で危うく《編入》されそうになる ②マルグリットが似たような牛の仲間に入ってサア大変 ③20キロも歩いたろうか、そしたら元の農家の隣人に発見されて《振り出し》に戻される ④再出発し森の中でロシア兵と会うが、服と牛を交換しようと言われて逃げ出す ⑤ドイツ兵の陣地から食品をと思って盗み出したら、なんと薬品 ⑥マルグリットがオス牛に求愛されて脱走劇どころじゃむい ⑦ドイツ将校に成りすましたフランス兵と、捕虜のままの主人公のどちらが脱走に成功するか……。などなど《牝牛と兵隊》の苦労話はまだまだ続き、意外なラストが待っている。
フェルナンデルはフランス喜劇の《至宝》で独得の《ウマづら》と達者な芸で人気も実力もトップの人だった。『ヘッドライト』『地下室のメロディ一』の名匠アンリ・ヴェルヌイユと組んだ本作品は、魅力あふれるコミカルなロ一ド・ムーヴィーでもある。
柳生すみまろ
スタッフ
製作/ローラン・ジラール
監督・脚本/アンリ・ヴェルヌイユ
脚本/アンリ・ジャンソン
ジャン・マンス二
原作/ジャソク・アントワース
撮影/口ジェ・ユヴェール
音楽/ポール・デュラン
キャスト
シャルル/フェルナンデル
ヘルガ/インゲ・シェーナー
フランス兵/ピエール・ルイス
フランス兵/リシャール・ウィンクレール
コレソト/アルベルト・レミイ
1960年・フランス・シクロップ/オムニア作品
ビスタ/モ/ク口