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NPO法人YouToo

ぼくらは平等さ

2021.02.16 13:47

結婚前、夫は言った。

ぼくらは平等だ。働きたければ働けばいい。男女平等?あえて言う必要はないね。

男が仕事で女は家を守るなんて、いつの話さ!

子どもが生まれた。産休をとった。

産休をとっている間に、なんと会社は社長が急死して解散してしまった。

もどる会社のないなか、子どもの世話はすべて私。

毎日まいにち、子どもと二人。ときどき実家。

仕事しなきゃ!心が叫ぶ。

夫は言った。

「もちろん!応援するよ!」(・・あれ、応援?)

在宅校正者の仕事が見つかった。

家でできる仕事。保育園はなかなか見つからないから、ありがたかった。

昼間は食事のしたく、洗濯、子どもの世話。

夜、テレビを見ながら晩酌をする夫の横でやっと作業時間ができる。

「僕の見てる前で、仕事しないで。疲れて帰ってるんだから」。

(働いていいと言ったのはあなたでは?)

それからしばらくして、私は、子どもを連れて家を出た。

わたしは私の人生を主体的に生きたい、そう考えたから。

とても拙く、幼い考えだったかもしれない。経済的に自立をしないままの、決断と行動だったから。

もどった実家では「出戻りの娘」を持て余した。

両親とはうまくいかなかった。

子どもと二人で家を出た。二人で暮らすために。

一人親家庭はたいへんだった。

それでも、よかった、としばらくして思った。

さらにそれでも、男ってこういうもん。切ってすてればいいのよ。

そう言ってしまうのは簡単だ。

それでは何も進まない。何も変わらない。

泣きながらその場を去る前に、もっとできることがあったのかもしれない。

声をあげること。

目の前の人が耳を傾けようとしなかったら、そのまわりに対してでも声をあげること。

いまならそんな風に思える。