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中山身語正宗覚弘院

鬼子母神物語から(令和3年2月法話)

2021.02.17 21:36

鬼子母神に子供を奪われた人々は、お釈迦様の許に行き「災厄から救って下さい」と願われました。

願いを承諾されたお釈迦様は早速、鬼子母神の家に行き、神通力でもって末娘のアイジを隠しました。

可愛い末娘がいなくなったのに気付いた鬼子母神は、気が狂ったように愛娘を探します。

しかし何処を探しても愛娘は見つかりません。

終に、多聞天において、「お釈迦様に帰依しなさい」と諭されます。

言われるままにお釈迦様の許に行った鬼子母神は、愛娘を失った悲しみを訴えます。

その鬼子母神をお釈迦様は諭されます。

「500人も子供がいるのだから、一人の子供がいなくなっても、そう苦悩して探し求めることもないのでは」と。

鬼子母神は「大勢の子供がいても、皆平等に可愛いものです。末娘が見つからねば、私は苦しんで死んでしまいます」

すると「大勢の中で一子を見失ってすらお前は泣き悲しむのに、一人二人の子供しか持たぬ他人の子供を盗み取ったのか。

その子供を失った両親の悲嘆はお前よりはなはだしいのだ。何故に他人の子供を食べたのか」と。

鬼子母神が悔い改めた心が、顔に現れたのを見たお釈迦様は、アイジを出して見せた。

再び愛娘を見た鬼子母神は悦ぶこと限りなく、仏の教えをよく守り、城中の人々に安楽を与えることを誓った。

☆  ☆

夜叉に限らず、私たち人間も、言われただけでは、思っただけでは、自分自身をコントロール出来ません。

切羽詰まった何かがなければ変われないのが私たちだと思います。

その時に、正しい方向に向かえることが大事だと思います。

お釈迦様の教えに従える自分でありたいと思います。