ラッフルズホテルのコートヤードにある美しい噴水
シンガポールにはマーラインを始めあちこちに噴水があるけれど、その中でもヴィクトリアン スタイルの美しい噴水が2つある。
今回は麗しのラッフルズホテルのコートヤードにある噴水。
スコットランド、グラスゴーにあるウォルター マックファーレン カンパニーが建設した高さ6mの華やかな鋳鉄製の噴水は1890年代初頭にシンガポールに持ち込まれたもの。
今はこうして、昔からココにあったかのように馴染んでいるけれど、ヴィクトリアン噴水と名付けられたこの噴水はもともとテッロク アヤーのマーケット(ラオパサ)の市場の中心にあったのだそうだ。
1902年、噴水はオーチャード通りの市営市場に移され、公の場から姿を消すまで市場の入口を飾っていたとある。
そのオーチャードロードのマーケットが何処にあったのか調べたら、
今の150 Orchard road,オーチャードプラザの辺り。
Koek roadとCuppage roadの間のエリアに弁護士でもあり、市の委員でもあったエドウィン コークによって1880年に設立されたオーチャードロードの最初の市場は、
1890年に政府によって買収され、オーチャードロード市営市場として再建されたそうなので、噴水が設置されたのはその12年後になる。
そこでは新鮮な食材を販売し、近くのエメラルドヒルの住民によってよく愛用されていたそうだ。
噴水はその後1930年代に再びカトンのグランドホテルに移され、その後解体され、すっかり忘れ去られていたそう。
(そのグランドホテルはカトンのStill Roadにホテルの一部が残っているそうなので、今度訪ねてみたい。)
1989年に再発見され、復元チームによって本物である事が証明された後に完全に復元され、
時を同じくして1989年、ラッフルズホテルが最初に改装された時にその噴水が寄贈され、それ以来ここにある。
未だ外装などが改装中だけど中は綺麗になったラオパサ。この中にかつてあの噴水があったなんてね・・・
アイアンレースが美しいマーケットの中央に鎮座するヴィクトリアン ファンティン。
そんな噴水を見ながらのホーカー飯はさぞかし美味しかったことでしょうね・・・・
今ではジューススタンドを見ながらのご飯!(笑
きっとこの噴水がここに戻って来ることはないだろうなぁ・・・・・
ー追記ー
後日、カトンへ行ってグランドホテル跡を訪ねてみた。
Stil roadとSt.Patricks roadの角に佇むかつてのホテルはOdyssey The Global Pre schoolと言うプレスクールになっている。なので見る事が出来るのは外観のみ。
イーストコーストロードと並行に走るセントパトリックスロードも割と交通量の多い通りで、真っ白に塗られたコロニアルスタイルのバンガロウはかなり目立つので直ぐにそれだと分かった。
建物はインドの牛商人,ムーナ ケイダー スルタンによって1917年に彼自身と彼の多くの妻のための家として建てられた巨大なカリカル マハルの一部だったそう。
1947年、全20室のグランドホテルに改装され、グランドとは名ばかりのホテルは2000年に閉鎖。
2007年には不使用な家具の保管庫としても使われていたらしけれど、とにかくずーっと忘れ去られた状態だったのは確からしい。
噴水がここに移動されたのが1930年代だと言うので、ホテルに改装される前の個人の邸宅だった時の事だったのね。
アーチが連なる廊下には遊具が並び、ファサードには色を塗られる前の可愛らしい小さな椅子が無造作に置かれていた。
当時の様子は伺い知る事は出来ないけれど、今のラッフルズホテルの様に中庭にでもあったのかもしれないなぁ~