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イシガメの遺体

2021.02.22 23:50


「日曜日は気温が上がるから、調査へ行きます」


春のようなポカポカ陽気だった、一昨日。

カメの研究をしている後輩の調査地へ同行し、一緒にカメを探していた。



のんびりとしたカメを見て、のんびりとした気持ちで調査していた。


のだが。




ひょんなことから、川に沈んでいるニホンイシガメの死体を見つけた。



外傷はないけれど、、

何故、息を引き取ってしまったのだろう…。


冬眠が上手くできず、衰弱死してしまったのだろうか…。







さみしい気持ちを残しつつも、

この死体を、どうしようかと考える。






やっぱり、白骨標本にするかな…



あ、そういえば。

標本作製が、得意な子が身近にいたぞ…。





同じ研究室のメンバーに

哺乳類や鳥類、両爬類など、骨のある生き物を白骨標本にするのが得意な子がいるのだ。




早速、死体を研究室へ持ち帰り、相談する。




「イシガメの死体を、白骨標本にしたいんだけど、、、」


「タンパク質部分は、時間はかかるけど、土に埋めて分解させるのがいいと思いますよ」






ということで、カメを埋めるための土と容器を貸してくれることに。



昨晩、家へ来て、イシガメを埋葬してくれた。


スコップを使ってサクサクと土を移動させ、手際よく埋めていく。


…作業は、たったの5分くらいで終了した。




「3か月くらいたったら、掘り起こしてみてください」








死亡していたこのイシガメは、身体の大きい、甲羅の丸みが凛々しいメスだった。

おそらく、8齢は超えていただろう。


厳しい自然界で、何年も生き延びていたイシガメ。




本当に、「お疲れさま」という気持ちでいっぱいだ。






3か月後。


イシガメは、白骨標本となって、またその美しい姿を見せてくれるだろう。




今はただ、安らかに。ゆっくり眠ってね。