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KoCo A Day

舞台公演の魅力を考える

2015.08.30 12:21

「俺らは、真面目に練習しています」


忘れていた自分を、ほんの一瞬だけ恨んだ。

そうだ、それが当たり前なのだと。

自分だけは、そのことを忘れてはいけないのだ、とも。


友達が9期として出演していたり、ゼミに8期がいたり、地元にも8期がいたりと。

意外と繋がりがあるSesSion。


大所帯で、不明確にお金がかかるという噂を聞きつけて入るのを諦めた1年生の春。

体験でゴリゴリのヒップホップを知って、密かに憧れを抱いて。

憧憬のみを胸に、座席に腰をかけた。


「ONCE」

レベルの差を見せつけられたといいますか。

なるほどね、と。

ホールってこういうもんだよな、と。


何よりまず、ストーリー性。

ONCE=一期一会

この軸がしっかりしているからこそ、あの公演は誰が見ても楽しめるものになっていたと断言できる。

開演前は「そうは言っても、創作ダンスじゃあるまいし、どうやって表現すんのかねー」って、半信半疑な部分も。

でも。

オープニングで懐疑心なんて吹き飛んだ。



300人超の大所帯がもつ強さを存分に活かしたステージ構成。

早稲田の看板サークルである放研の技術力の高さ。

緻密に練られたストーリー。

そして何より。ダンスの舞台だからこそ尤も大切で、むしろそれだけがあればいい。

スキルの高さ。


もうなんか。

本当に馬鹿みたいにお金が飛んでいくサークルだということは分かっていてもなお、あの舞台を経験できるのならば、かける価値はあるのではないかと、感じてしまうほど。


ヒップホップは2ナンバー。

一個がニュー寄り、もう一個がミドル寄り。

わたしが憧れた、そのままの、ヒップホップ。

強くて、しなやかで、それでいて楽しそうで、刹那の切なさも併せ持つ。


今回は友達に頼まれてカメラも構えていたけれど。

覗き窓に目を近づけることすら、ヒップホップは叶わなかった。


魅入る。

この言葉がぴったり合う、そんなナンバー。

主人公の1人である山本さんの振り付け。

誰も、名前を叫ばない。

ううん。

多分。


あれは叫んじゃいけなかった。

不確かだけど、でも私の中ではしっかりとした確信。

多ければいいってもんじゃない。

迫力は、それなりの代償を払って初めて与えられるもの。

立ち位置がずっと後ろで、辛い想いをし続けた下級生もいたと思う。

思っていた振りと違っていて、乗り切れないダンサーもいたと思う。


それでいて、あの完成度。

追い求めることでしか、あの強さは描けない。

「楽しければ」

そんな甘ったれた考えでは、舞台の大きさに飲み込まれてしまう。

そう、心から感じる。


ライトが消えたときの、静かな歓声が、このナンバーの全てを表していた。


やはりわたしは、バレエあがりの人の踊りが好きだ。

軸がしっかりしていて。

「先」の大切さを知っていて。

表情での魅せ方が自然と身についている。

そんな、「綺麗な」ダンスが好きなんだと。


もう一度思わせてくれた、彼女に最大限の感謝を。

「星空」


唯一、見つけることができるオリオン座のように、すぐに見つけた。

追った先に写る彼女は凛としていて、素直だ。

体調が万全でない中での、あのパフォーマンス。

感服。その一言。


重たさ×重たさ

その答えは、強さ。

もう一度観たい。

それは、「もう一度踊りたい」と願う強さと相関すると思う。


「熱情」

一生、どんなに頑張っても踊りこなすことができないジャンルだから。

わたしも熱のこもった視線で観ることができる。

細さの中の芯の太さ。

可憐な中の本能を。


見事に表現しきった、素敵としか言いようがないナンバー。



一期一会の世界で。

愛別離苦を繰り返す。

その中で、心の平静を保とうとわたしは必死だけれど。

移りゆく波をしっかり表現してあげることも、必要なんだって。



「真面目に」

「練習をする」


言い聞かせては、裏切られた気分に陥って、無視をしては、苛つく心を隠すのに必死になり。

求められたいようで、誰にも干渉されてたくない。

そんな矛盾を抱えている今。


わたしに出来ることは、「真面目に、練習をすること」



踊る世界だから。

踊れてなんぼ。


なんだ。

単純なことじゃないか。

2015.08.30

(Love You, baby)