2月17.18日カラフル自画像を描こう!
自画像の課題をやりました!
まずは最初に3つの自画像を見せました!
右からアンリ・マチス《緑の筋のあるマティス夫人の肖像》
パブロ・ピカソ《泣く女》
どちらも、美術史を語る上では欠かせない、とても有名な絵画です!
マチスの絵は、「なぜ緑の筋が真ん中にあるのか?」
ピカソの描く女は「どういう顔をしているんだろう?」
絵から感じる疑問や気づいたことを、みんなで言い合いました。
そして一番右はわたくしの描いた自画像です!
とても実物とは似ても似つかないことは当然みんな分かります。
みんな一人ひとり鏡を渡して、
「今回は肌色や髪の黒をそのままではなく、色んな色や色んな描き方で描いてみよう!」と、
お話ししました。
「絵は自由」「肌を肌色で塗らないといけないなんて決まりはない」
「絵の具以外にも、テープや色鉛筆、カラーペン、色んな画材を使ってみよう」
「自画像だからと言って、目や鼻を描かなきゃいけない決まりもない」
などという、ぶっ飛んだことを伝えたら、
あとは各々、本当にバラバラ、個性以上の個性、心の底から素晴らしいと思える作品が生まれました。
早速紹介します!
Sさんの作品
ポスカだけで描きました。描きたてのポスカをすぐに指で擦って、絵の具で描いたようなタッチに。色も何色も重ねました。目の中を見ると、星や太陽、色んなものが見えて面白い世界が広がっています。絵の全体を見渡すと、ビックリ箱、魚、お化け、時計など、色んなものがあります。鼻はメカのように見えて生き物がはみ出ていたりします。これは、「変異した世界」なんだそう。テーマが深い!そして元気いっぱいの振り切った色使いに、最後の最後までしっかりと描く気合と集中。本当に素晴らしいものが出来ました。
Sさんの作品
絵の一部分です。写真の外側もとても良い!色彩感覚がとても豊かです。そして白い余白の残し方にセンスを感じます。今回だけではなくイスをペイントしたときもでしたね。意味深なメッセージも刻まれています。切実な言葉は、きっと誰かの心に届いていくことでしょう。描きはじめの色の使い方も、まるでプロのアーティストが描く絵のようで、頭の中がきっと芸術的なイメージで広がっているのではないかと思います。
Nさんの作品
素敵!渋い色合いで統一されていますが、よくよく見ると、前髪や背景、至る所にピンクや緑、黄色などカラフルな色が見え隠れしているところが良いです。そして思い切った色使いは本当に素晴らしい!目の周りを紫で塗るなんて、普通は勇気のいることなんです。それがアクセントになって、インパクトがあります。チューブから紙に直接出して、何色も同時に指で絵の具を広げてみたり、チューブの口についた絵の具の塊を絵に貼ってみたり、良い仕事が出来たと思います。
Hさんの作品
人柄がとってもよく出ている、素直な作品だと思います。「マスクちゃくよう」の文字、右手に鉛筆をもちまさに今自画像を描いている様子、「今」を映し出している絵に、素直な人柄を感じます。そして絵を描く上で大切なことを自然と心得ています。絵は、「自分自身」であり、「今を写す鏡」のようなものです。心の中を嘘なく素直にあらわせていると思いました。そして、青色で多くを描いていますが、よく見ると少しずつ違う青だったり、青色に対して目立つ黄色を上手く取り入れています。体のフチは赤色で描き、本当に良い絵が出来上がりました。
Sさんの作品
なんと、ペンや絵の具は一切使わず、マスキングテープのみを使って、描いています。新しい手法!描いていくうちに、「テープだけでやってみよう!」と意気込んでいました。しかし実際は、ペンや筆で描くより遥かに大変。だけど、めげずに取り組んでいました。写真はまだ未完成の状態で、家にテープと作品を持ち帰り続きを行っています。完成したら、本当にすごい作品ができると思います。いつも課題ごとに気づきを得ているSさん。取り組む姿勢も人一倍一生懸命です。
Aさんの作品
絵の神様が乗り移ったかのように、最後はノリに乗って描きました!才能に溢れています。細かいキワまで、しっかり色を塗っていて、重厚な仕上がりになりました。クレヨンを持つ手が強すぎて芯が折れてしまうほどに、力強いタッチで描いています。色も何色も重ねて、これでもか、というほどに、手を加えています。仕上げには、分厚く重なったクレヨンの色を、爪や棒を使って引っ掻きながら「引き算」をしていきます。最初に描いたものを消えるくらいにおもいっきりやりました。素晴らしいです。
Yさんの作品
人物は、斑点模様で描き、背景はペンをグルグル回して描きました。題名は「集合体恐怖症 注意!!」だそうです(笑) 背景のグルグルと人物の斑点を合わせて見た時に、不思議と目が心地良い感覚を覚えます。そして、画力というか、絵心を感じます。背景の色のバランス、人物の配置も絶妙で、こちらを見つめる目元にも独特な魅力があります。背景の中には、隠し文字が隠れているらしく、仕掛けがあることにも驚き。良い絵が出来上がりました。
Yさんの作品
良いですね。インパクトというか、不思議な魅力を感じます。人物は鉛筆と色鉛筆のみで薄く描き、背景は逆に、カラーペンの原色を使い、大胆に描いているので、人物 対 背景の書き分けが自然とされていて、プロのような仕事っぷりです。背景の色が分割されている中にも、他の色が混じっていたり、丸いシンボルマークが描かれていたり、面白味がたくさん溢れています。人物も、唇や髪の毛や眉毛も、色んな色で描いています。じっと見つめていると、絵に吸い込まれそうな力強いパワーがあります!素敵です。
Aさんの作品
絵の具をふんだんに使って、本当に魅力ある、愛嬌たっぷりの絵が出来上がりました!自然体で描いているからこそ、こんなに魅力たっぷりの絵が出来上がるんだと思います。また、可愛らしさだけでなく、豪快なタッチと力強さが、迫力を出しています。絵の具も所々厚く塗りたくり、見所たっぷりの絵が出来上がりました。色使いもムードがあります。ぜひ、もっともっと傑作を生み出してください。
以上、自画像を紹介しました。
今回の課題は、みんなの持ち味や個性がたくさん発揮されました。
良い課題となったと思います。
そして、発表するべき課題です。
展覧会でぜひ出展したいところです。