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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

大王対女帝14-普墺2つの宮殿建設

2021.02.24 09:18

ヨーロッパにつかの間の平和が訪れた。フリードリヒ2世は、「もう流血はこりごり」と言って、自国防衛以外は他国に攻め込まない、と言った。しかし欧州諸国は自分に偏見を持っていて、それが思わぬ結果をもたらす可能性がある、と危惧している。

そのためかはわからないが、王はサンスーシ宮殿で文化を振興する。この宮殿は夏の離宮として戦争中にわずか2年で建設された東西100mのこじんまりとしたロココ風宮殿である。ここには音楽室があり、ここで普王は、音楽やオペラも楽しんだ。サン・スーシとは「憂い無し」という意味である。そしてヴォルテールをも呼びよせる。

一方のオーストリアのシェーンブルン宮殿は1750年頃完成した。縦横ともサンスーシの倍の規模がある。実はレオポルド1世は、ヴェルサイユ宮殿を凌ぐ規模を考えたのだが、とてもその財力はなく、テレジアは大幅に縮小した。外観はバロック様式だが、部屋はロココである。

女王マリアは、ハウクヴィッツを登用して、中央集権化を行う。それまで貴族には税金はかけられず、30年戦争も、貴族は皇帝の要請で自分持ちで行ったのだ。マリアは、各州に分担金をかけ、王と官僚が指導する、中央集権国家を作ろうとした。そしてダウン将軍が軍事改革を行う、シュレージエン奪還のために。