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近藤昇オフィシャルサイト

ライフシフトの時代に必要なのはこだわりシフト

2021.01.27 09:00
仕事にこだわりは必要か?

もちろん、絶対に必要です。

ますます、その考えは強くなる。

 

今でも、平均的な人より、私はこだわりは強いと思う。40年近く働いてきて今の周りの見方がそうなのだから、間違いないと思う。

では、一生こだわり派でいたいか?

と聞かれると、もちろんです。と答える。

 

一般的に、こだわりというと、良い意味ではプロフッェショナルのイメージである。

一方で、職人気質の気難しい、頑固一徹の親父のような印象もある。だから、一概に良い悪いの話ではないことを先に断っておきたい。

 

一昔前であれば、いくら職人と言えども、せいぜい60歳代で、現役から退く時代だった。

今は、人生100年時代であり、これからは70歳、80歳の職人がいても不思議ではない。

 

こだわりというのは、成長や挑戦と言う意味では重要な事だが、一方、柔軟性を失うなかなか厄介なものでもあると思っている。

この目まぐるしく変化する世の中、一つの事にこだわって30年という道が果たして存在するのだろうか?存在できるのだろうか?

 

仮に、江戸時代あたりから日本の近代化が始まったとして、最近は、加速度的に変化は早くなっている。高度経済成長期の変化のスピードは今と比べると、とてもゆっくりだったと思う。

 

それは新興国の発展の様子を見ていたら分かる。すでに中国は新興国ではないが、20年ぐらい前から上海の大都市の発展ぶりには驚きの連続だった。高層ビルは言うまでもなく、地下鉄網も一気にできた。 

あっという間に見た目は大都市になった。もちろん、資本力もあるにしても、テクノロジーやビジネスの仕組みがどんどん進化している。ITの浸透するスピードもとても速い。

今は、1日が昔の1年ぐらいの感覚で変化していると思う。

 

こういう時代の職人はどうあるべきなのか?

こだわりとは何か?をよく考えてみる。

 

職人仕事に限らないが、一つの事を極めるのに、果たして30年も必要なのか?

スキルや技、ノウハウの継承には3年もあれば十分ではないか?

この先もっと進化が期待されるが、今でも動画で技の伝承もかなりできる時代だ。すでに背中を見て覚える時代ではない。

 

実際、日本の高度経済成長期のようなモードになりつあるベトナムでは、20年近く前から、和食レストランで、すし職人の養成が始まったが、その修行期間は1か月程度だ。

 

職人の方がイメージしやすいと思うので、すし職人の事例で書いたが、専門職の人も似たような話である。専門家というのは、やはり、その道何十年と言う人も多い。

 

専門家は当然、その分野には強みを持っている。

この変化の激しい時代は、この専門にこだわりすぎると、それが弱点になる事もある。

 

こだわりを持ちつつ、柔軟であることが大事だ。

これは、複数の専門分野を追っかける話ではない。

今は人生100年時代。平均的な人で10年から20年のこだわりが必要なテーマを、人生で3回はこなせるのではないかと思っている。

これは、別でも書いたが、人生多毛作の考えとも近い。

 

そういう意味で、日本全体をとらえると、他の国に比べて、何かとこだわりが強すぎる。

こだわりはま強みであるのは間違いがないが、日本の全体の世界での評価は柔軟性に欠けるようにも思う。

 

もっと、柔軟に自由度をもってこだわる日本に進化してはどうだろうか。

そのためには、これからは、何にこだわるのかを整理し見直したほうが良い。こだわりのシフトと言える。

 

もちろん、専門的スキルやノウハウにこだわるのも大事だ。

それ以上に、その土台にある、あるいは基盤となる、どんな専門職にも通用する仕事のやり方や進め方にこだわる方の価値が高い。徹底的に、後世に伝授する役割に徹していく方が、未来への貢献は大きいと思うが、いかがだろうか?

 

以上