仕事で“分かる”と“できる”の違いはどれぐらい大きいか
2020.11.27 07:10
仕事の初心者の時は、大きく勘違いしやすいのが、“分かる”と“できる”との違いだ。
日本人でも働きだしたばかりの駆け出しの時は、分かったらできるよう思うものだ。
誰しも経験があるが、仕事は思った(分かった)ほどは簡単ではない。
35年近く働いてもこの感覚は変わらない。特に新しいことは常にハードルがある。
これが新興国となると、とても顕著になる。
20年以上前からベトナムで活動してきてこういう発見が沢山あった。
少なくとも仕事レベルにおいては、日本人の方が相対的に上であることに異論はない。しかし、呑み込みが早いと言うか、初めてする仕事でも、しっかり説明すると、理解はベトナム人の方が早いと思う事も多々あった。どん欲だし真剣なんだろうと思う。プライドも高い。
一方、日本人の今の若い世代は、同じように説明しても、なかなか、理解ができない。分かろうとしない。最近の若者の傾向だと思うが、自分が理解するのは当然として、納得しないと仕事に入らない。こんな特徴もあるようだ。
ベトナム人は、納得するかどうかよりも先に、プライドややる気が勝っているので、仕事の理解は早い。特に大学卒の新人などは、理論的な訓練を受けているので、余計だ。
ところが、いざ実践になると、極端な差が出る。
日本人とベトナム人の新入社員を比べるとよく分かる。日本人は、分かるまでに時間がかかるし、簡単には分かりました、任せてくださいとは言わない。もちろん、例外もあるが、日本人は総じて慎重である。
一方、ベトナム人は、分かるのはとても速い。多分理解もしている。しかし、実践となるとさっぱりなことが多い。特に品質について顕著だ。
納期に対してもベトナム人は緩い。もっとも、納期に関しては、日本以外の新興国は皆緩いと言っても過言ではない。
日本のような品質がハイレベルの国は、仮に働いたことがなくても、顧客としての立場で品質について目利きができる。
高校生のアルバイトでも、日本の一流の接客サービスの世界で鍛えられているので、品質水準は高い。極端な話、日本のアルバイト学生が、新興国のホテルで接客サービスをしても、トップクラスになる。
発展途上のベトナムで、社員教育したりビジネスしたりすると、日本人として学びが沢山ある。単純に日本人だから出来て、ベトナム人だからできないではなく、できないには理由がある。
少なくとも、今のベトナムは日本に比べて顧客から求められる品質、サービス水準は低い。
ベトナム人の顧客としての体験では、日本の品質やサービスレベルが高いことは当たり前にわかっている。少なくとも噂では聞いている。