キャリアの教科書【キャリア理論編】2_第179号
キャリア理論家で最初に出てくる(一番古い)のはおそらくParsonsではないでしょうか。Parsonsは、1908年にボストンの職業紹介所にて就労支援を始めたキャリア・カウンセリングの元祖であります。Parsonsは職業選択理論を唱えており、「賢い職業選択のための3要素」として以下を挙げております。
①自分自身、自己の適性、能力、興味、希望、資質、限界、その他の諸特性を明確に理解すること。
②様々な職業や仕事に関して、その仕事に求められる資質、成功の条件、有利な点、不利な点、報酬、就職の機会、将来などについての知識を得ること。
③上記の2つの関係について、合理的な推論を行いマッチングすること。
Parsonsは①と②から単なる職業マッチングだと誤解されているきらいがありますが、実は③の「合理的推論」が重要であるのです。「良く考えて決める」ということです。
なんとなく100年以上も前のことですから、それほどフォーカスがあたらないようにも思いますが、この「職業選択理論」は現代でも通用すると思います。
自己理解、職業理解でマッチングさせることに異を唱えられるのですが、就労支援をしていると、自己理解、職業理解ができていない人があまりにも多いようにも思います。
職種と業種の違いがわからない人もおります。
また、事務職を希望している方に「事務職とはどのような仕事だと思いますか?」質問すると「パソコンを使った仕事」と答える方も結構いらっしゃいます。
私は、「自分が好きなことや得意なことを考えて、それとあった職業を調べて、両方が会う仕事を選べば、それがうまい職業選択である」ということで、まず良いのではないかと思います。
引用文献
「社会構成主義キャリア・カウンセリングの理論と実践」