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多様な働き方を選べる人になる秘訣とは。フリーランス・複業家の女性ゲスト3名から学ぶ、自分らしいキャリアの創り方 〜Cannpass主催イベントレポート〜

2021.02.26 15:23

リモートワークや副業など、働き方が多様化しつつある今、「キャリアを見つめ直し、自分らしい働き方をしたい」と考える人も少なくありません。でも、どうしたら実現できるのか、具体的なイメージがわかないという人もいるのではないでしょうか。


その1歩を踏み出すヒントを探るべく、2021年1月17日(日)、フリーランス・複業家として活躍する女性3名をお迎えし、トーク&ワークショップオンラインイベントを開催しました。


登壇者は、PR会社の取締役を務めながら、PRライター・文筆家としても活躍する中西 須瑞化さん、Peatix Japan コミュニティマネージャーの押切 加奈子さん、沖縄で貝殻や珊瑚を使った手づくり体験サービスを提供する清水 智加子さんです。


参加者がオンライン上でつながり、ゲストの話に真剣に耳を傾けていました。

今回のレポートは、イベント主催メンバーの渡部夕子がお届けします。


自由なキャリアへの1歩は、自分の心に素直に行動すること

モデレーター:キャリアを築いてきた過程で、決断をしたり行動したりする場面も多かったと思いますが、意思決定のときに大事にしていたことがあれば教えてください。


押切 加奈子(以下、押切):私は、「つくる人を応援する」というコンセプトから生まれた書店、BOOK LAB TOKYOの店長から、Peatix Japanのコミュニティマネージャーにキャリアチェンジしたのですが、実は転職活動はしていないんです。前職で出会った方のつながりでお声がけいただいたことをきっかけに、おもしろそうだなと思って今の会社に移りました。


私のやりたいことはずっと変わらず、コミュニティづくりをすることなので、それを実現できるかという軸で決断して行動に移してきました。ご縁やタイミングなどがあって自然と道が開けていましたが、やりたいことや信念を周りに伝えつづけてきたことが大きかったと思いますね。


清水 智加子(以下、清水):前職では、CADオペレーターという今とはまったく異なる技術職をしていたのですが、沖縄を訪れたときにたまたま入った貝殻の雑貨屋さんでアルバイトの募集を見て「これだ!」と思い、迷わず応募を決めました。それから会社を辞めて沖縄へ移住したんです。そのお店で約3年間働いて、売り上げアップなども達成し、今度は自分の想いを形にしようと独立しました。


移住を決めたときは両親もびっくりしていましたが、小さい頃からものづくりが好きだったので、実際に沖縄にきて私の暮らしを見たとき、「あなたらしくいられる環境だね」と納得してくれました。自分を信じて決断したことが、今につながっていると感じています。

中西 須瑞化(以下、中西):私は直感型なので、その瞬間にいかに納得感があるかどうかを大切にしています。新卒でNPO法人に就職したんですが、3か月で辞めて、もともとボランティアをしていた防災の団体が法人化するということで、そちらに移りました。同時にフリーランスとして、ライターの仕事も始めたんです。


NPO法人の仕事をしていた時期はすごく忙しくて、毎日終電で帰るという生活を送っていたんですよね。それであるとき、ふと思ったんです。「夕暮れが見れない人生は嫌だな」と。何気ない自然の風景を見るのが好きなので、自分が幸せだと感じることを大切にできる人生がいいと強く思ったのが、フリーランスになって働き方を変える1番の決め手となりました。


ライターも、文章の作成を頼まれて手伝いながら、「自分の文章が誰かの役に立っている」という実感を少しずつ重ねていきました。そのときの等身大の自分ができることをがむしゃらに、何でもやってみることがいつか自分の得意になったり、将来のお仕事につながっていくこともあると思います。


さまざまな人の価値観に触れることで、選択肢は広げられる

モデレーター:働き方やお仕事の選択肢を増やしたいと考えたときに、どのようなことに取り組まれてきましたか?


中西:私は大学生のときに1年間休学して、「生きる選択肢を示せる大人になりたい」というテーマを掲げてたくさんの大人に会いに行きました。当時の環境では、大学を卒業したら会社に就職するか、大学院に行くかの2択しかなかったんです。なので、このときにはじめて、フリーランスという働き方があることや、若くして起業している人がいるということを知りました。


自らが感じている社会課題を、自分の力で変えようと行動している人たちを見て、こういう生き方もあるんだなと衝撃を受けましたね。さまざまな価値観に触れることで、可能性や選択肢は広げられるんだと実感しています。

押切:私はまず、漠然と考えていた自分の想いを、周りの人たちに話していましたね。自分ではずっと誰かを支えるポジションが向いていると思って、経理や秘書業務に携わってきました。もちろんそれも好きだったのですが、「もっと外にでて、いろんな人たちと関わりながらコミュニティづくりをしたい」という気持ちがどんどん強くなっていったんです。


それを友人たちに話したら、「もともと集団の輪の中心にいることが多いし、コミュニティづくりも得意だよね」と言われて、ハッとしました。過去を振り返ると、仲間とイベントをするときも、企画したり幹事を担当するのはいつも私だったんですよね。


いろいろな人に会って自分の想いを伝えたことで、やりたいことの方向性は間違っていないんだと改めて気づくことができました。

1人で悶々と考えるよりも、自分の考えを人に伝えると、背中を押してもらえたり答えを見つけられたりするものですよ。


清水:私は好きな場所で好きな仕事がしたい、と移住したものの、誰も知り合いがいなかったので、沖縄の文化が根づいたコミュニティやイベントに参加して友達を増やしていきました。

そのときのつながりでお仕事を紹介してもらったり、イベントに招待されたり、お祭りに出店したり。そうするうちに方向性も見えてきて、柔軟なアイディアも生まれるようになりましたね。さまざまな人に会って信頼関係を築くところからスタートし、ビジネスを発展させていきました。


やりたいことに迷ったら、「誰かの役に立つこと」を考えよう

モデレーター:自由な働き方に興味はあるけれど、具体的に何をしたらいいのかわからないという方へのアドバイスはありますか?


中西:私もどちらかというと、好きなものが明確だったわけではないんですが、必ずしも、やりたいことがモチベーションじゃなくてもいいと思うんですよ。たとえば自分が感じている社会課題を解決したいという思いから、その実現のために自分に何ができるのかという切り口もありますよね。


私のように、気持ちが向かないなと思うことを選ばないようにしていった結果として、幸せに感じられること、これならできるというものが見えてくる場合もあると思います。


清水:私はものをつくることや沖縄に住むことなど、いろいろな興味のあることに挑戦して、勉強を重ねてきました。だから、とにかく興味をもったことはまず何でもやってみることが大切だと思います。

うまくいかなかったとしても、何1つとして無駄なことはないと思うんです。私自身もこれまでの経験すべてが今につながっていると感じています。つづけるうちに、自分ができることってこれだなと思えるはずですよ。


押切:やりたいことがわからないときは、自分が楽しい・嬉しいと感じることに目を向けるといいですよね。


コロナ禍で世の中の価値観が大きく変わってきているなか、「どんな人に対して、何を提供して、どう貢献できるのか」を考え直す機会も増えているのではないかと思います。自分の心も満たしながら、誰かの役に立てることにアンテナを立ててみてくださいね。


モデレーター:複業やフリーランスなど、これからの時代に多様な働き方を実現するためには、自分の心に素直になること。そして、まわりに「想いを伝える」「話を聞きにいく」といった行動が小さな1歩になるのだと思いました。ありがとうございました。



●登壇者プロフィール

・中西 須瑞化(なかにし すずか)

株式会社morning after cutting my hair取締役・PRライター/文筆家

大学在学時に「生きる選択肢を示せる大人になりたい」と休学し、いろいろな生き方・働き方をしている大人たちへ会いにいきながら全国で諸プロジェクトの企画・運営に参加。独自の哲学と、思想に寄り添い言語化する力を買われ、一般社団法人防災ガールで団体解散までの事務局長を担う。フリーランスとしてPRライター・イベントディレクター・小説家としても活動し、2018年2月からは株式会社morning after cutting my hairの発起人の1人として、「人の心が動き続ける社会」をめざし、社会課題解決に特化した企画やPRを行なう。言葉の力で、人を生かすひとであり続けたい。


・押切 加奈子(おしきり かなこ)

Peatix Japanコミュニティマネージャー

BOOK LAB TOKYO元店長。中学時代、視聴覚行事で観たミュージカルに魅了され、人をワクワクさせる空間づくりに惹かれる。専門学校に通い、バックオフィス業務に従事。

30歳目前に好きなことを仕事にしたいとBOOK LAB TOKYOの店長とコミュニティマネージャーを兼任。

その後、より多くのコミュニティや主催者に触れるべくPeatix Japanへ転職。観光協会などとのイベント企画をきっかけに、2021年より沖縄県との2拠点生活をスタート。

働き方に悩む人のためのビジネス書『ライフピボット』黒田悠介(著)の中で紹介されている。


・清水 智加子(しみず ちかこ)

ワークショップ経営/アーティスト

沖縄在住、フリーランス。小さい頃からモノづくりが大好きで、いつかはモノづくりに携わりたいという夢を持つ。芸術系短大卒業後、東京都内でCADオペレーターとして働く。

2002年、初めて訪れた沖縄で貝殻のアクセサリーを見て興味を持ち、沖縄で働きたいと移住を決意。

より自由度の高い仕事・働き方をめざし、2007年に琉球村とオキナワマリオットリゾート&スパ内に「てぃだ家」を設立。貝殻やサンゴ・琉球ガラスを使った手作り体験サービスを提供している。現在は、オンラインでの体験教室も展開中。


●記事制作

<主催>

株式会社Cannpass

・広報・PRプランナー&PRライター養成講座

<株式会社Cannpass>

PR/キャリア/人材育成の事業をつうじて、企業・個人のみなさまをサポートする企業です。PRを軸に、複業家・フリーランス・女性リーダー育成や、スキルアップ・キャリアアップ支援を行なっています。代表取締役:山崎春奈/所在地:東京都渋谷区。

イベントプレスリリース(※イベントは終了しました)


(執筆:渡部 夕子)