リアデイルの大地にて2ダウンロード
2020.11.04 04:21
リアデイルの大地にて2
本, Ceez
によって Ceez
3.6 5つ星のうち 14 人の読者
ファイルサイズ : 19.83 MB
内容紹介ケーナの前に"孫"現る!!VRMMORPG『リアデイル』のサービス終了時……のさらに200年後の世界で目を覚まし、ハイエルフ"ケーナ"として生きていかなければならなくなった少女"各務桂菜"。困惑する彼女だったが、この世界で生きる心優しい人々やかつて自らがゲーム内で生み出した子供たちとの出会いを経て、徐々に現実世界『リアデイル』を受け入れていく。そして、一般常識を学びながら隊商に同行し、辿り着いた北の国ヘルシュペルの王都で彼女の前になんと"ケーナの孫"を名乗るエルフが現れて――!?200年後から始まるエルフの伝説、第2弾!!WEB連載版から新規エピソードの大幅加筆、キャラクター設定資料に加え、書籍版だけの特別短編『新たなる日々』を収録!内容(「BOOK」データベースより)VRMMORPG『リアデイル』のサービス終了時…のさらに200年後の世界で目を覚まし、ハイエルフ“ケーナ”として生きていかなければならなくなった少女“各務桂菜”。困惑する彼女だったが、この世界で生きる心優しい人々やかつて自らがゲーム内で生み出した子供たちとの出会いを経て、徐々に現実世界『リアデイル』を受け入れていく。そして、一般常識を学びながら隊商に同行し、辿り着いた北の国ヘルシュペルの王都で彼女の前になんと“ケーナの孫”を名乗るエルフが現れて―!?200年後から始まるエルフの伝説、第2弾!!
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以下は、リアデイルの大地にて2に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
近年のエンターブレインはネット発小説をいま再び強化しているようですが、古強者がここまで戦えるとは思いませんでした。垢抜けないかもしれないけれど地味(ちみ)溢れた雰囲気こそがレーベルの持ち味だと分析されたのか、客層のマーケティングもしっかり済まされているのかもしれません。ここは元はゲームだったはずの「異世界」。プレイヤーが去ってから二百年後、ゲームと現実の法則が奇妙に混在する異世界に飛ばされてしまった主人公の記録です。王道と言えば、使い古されたと言えばそれまでかもしれませんけど、それだけでは終わらない何かが待っています。と、そんなわけで『リアデイルの大地にて』二巻のレビューをお送りします。一応、気になったポイントがないことはないのでその辺は先に挙げておきますね。これは一巻でも言えることなのですが、主人公の風評というか悪名のせいで親族間での掛け合いが一々オーバーリアクションになってしまうのは困りものです。主人公も否定こそしますが、その恐れに消極的ながら乗っかりつつ、結局は矛を収めるのですが……。その辺にテンポや読みやすさを損なう微妙な茶番感があります。一方で作品の特徴のひとつに挙げられる要素でもあるのでなんとも言い難い。知ってしまえば好みの範疇で十分済ませられる程度とも言えますが。一巻がファーストインプレッションとして激し過ぎた面もあったので、それを考えれば格段の問題ではないかと。ただ、比較的抑制的な反応をしてくれる二人の孫との対面によって、ある程度打開できた気もします。流通の大物である大商人「ケイリック」とはギブ&テイクを明確に商談として対等な話が出来、無骨な武人肌である「ケイリネ」相手には純粋に強さをリスペクトされるので嫌味にならない上下関係が成立します。それに、一巻から引き続き登場する主人公「ケーナ」の子ども三人も、それぞれ親子として親愛の念を持ちつつ接し方は大きく違います。なんだかんだ一辺倒にならない人間関係って意味でいいと思います。その一方で嫌でもつきまとう破壊者としての悪名と、それにリアクションを返さないといけない主人公というのは読者としても意外とストレスポイントなのかもしれません。ということで田舎暮らしゆえに過剰反応をせずに、純粋に感謝と憧れの念を飛ばしてくれる辺境の村をホームに選び、一巻から引き続きアットホームな雰囲気に癒されようと定住を視野に入れたことには納得しか覚えません。ちなみに話の筋としては交易や狩りなどのちょっとした単発のクエストをクリアしながら、高速で拠点から拠点を移動していくことに終始します。その流れの一環として一巻で話に聞いた場違いに強力な盗賊の捕縛も行うわけですが、彼はこの手の作品ではお約束の現実が見えていないプレイヤーでした。それとトップレベルには及ばないけれど現地人からすれば格段の実力を持つ、善良なプレイヤーも数名発見できたりもしました。これで、「ゲームの現実化」という不可解な現状を共に悩める仲間は一応確保できたわけです。孤独感は薄れましたが、これはこれで安心できていいことなんじゃないでしょうか?ただし、いずれも情報は全然持っておらず巻き込まれた側に入る上、現実世界では死んでいる主人公としては事態の解決に動いたところでどうしようもなかったり。まだ伏線を撒き、人脈を築いている最中と言われればそれまでで、作品全体から見れば役割は果たしているかもしれませんが、まだまだ話の落としどころが見えてきません。一応、主人公の与り知らぬところで怪しげな影が動き出しました。謎の妖精ちゃんも登場し、いつか話を終わらせるための本筋を動かしていく気配も感じます。ただ、WEB版未履修者にとって現時点ではわからない本筋を語るより、この作品の定義の方に論を回そうと思います。近年の「小説家になろう」作品は作品の性質や売りを定義する説明的/宣伝的タイトルが多いですが、この作品は初期の頃という事もあり普通の題名ですね。一般向けなら当たり前と言えば当たり前ですけど、ジャンル分けに慣れ親しんだ後では逆に新鮮な気持ちで世界を探れるというのは、少し言い過ぎでしょうか?私が思うに、この作品のジャンルは現地点では「スローライフ」に近いと思われます。二巻に入って派手な魔法も出てきましたし、その一方で素朴で生活に根差した描写も強化されているんですが、どちらかと言えば後者の方が見どころに思えます。村人との交流やちょっとした技術や設備の提供が発展として目に見えるというのは「最強モノ」における成長要素のひとつとして数えられて久しいかと。なにせ戦う相手のいない、打ち砕くための悪意が見えない「最強モノ」は虚しいだけです。強さを過剰に演出しても悪評を撒き散らすだけというのは散々に強調されています。戦闘も擬音が目立ちますし、ある程度肉薄した勝負を演出したところで焦点であるとは言えません。主人公としても降りかかる火の粉を払えればそれでいいので、箔付け兼万が一のための「最強」という保証があれば別に隠遁生活送ってもいいんですよね。主人公の成長を見るという見方なら最初から最強である以上、人との関わりで内省を深めていくっていう地味な面に目を向けるほかありませんから。以上のようにところどころ気になるところがないでもないんですが、「最強」に君臨し続ける主人公の性格を嫌味に思わせずにただ平穏を享受するための世界観を構築することは比較的できていると感じます。大人になり切れないけど、周囲の期待や責任を振り切るほどには子供ではない。超常の力を振るうのは、目の前にいる人のためだけ。主人公が自由気ままに振る舞えているのは、あくまで国を背負う親族に支えられているという事実を言及する機会もあり、また言わずとも示唆には十分なように感じられる、など。ハイエルフという種族にも助けられて子どもっぽさを保ちつつ、超越者として振る舞っても許される。むしろ権力との軋轢を避けるためにもある程度は横紙破りな権威を背負ってもらわなくてはいけない。キャラクターメイキングとしてよく出来ています。この辺、気になる人は気になるんでしょうが「自らのエゴ」込みで周囲を振り回しつつ、結果的に物事をいい方向に運んでいくタイプの主人公は、美点と欠点が同じ顔してやってくるので評価が難しいです。最初WEB版で読んだ当時はなんでもできる主人公が衝撃だったので、なんのかので好きですけどね、彼女のことは。あとは書籍版での目立たない評価点を挙げておきます。簡潔に単語を並べた章題を置き、起こった事件をまとめて振り返りしやすくしている構成が地味に好きです。詳細なあらすじ込みで読みやすくしているのも地味に評価に値し、この手のジャンルで読書経験を積む上で入り口としていいかもしれませんね。一巻でも述べましたが、同ジャンルでも尖りまくった作品が目立つ中で、こういった丸い作品が出てくれるのは有難いことです。イラスト担当の「てんまそ」さんもなんか安心できるお馴染みと言ったキャラをしっかり描き出されています。なんというか激しさや精緻な書き込みではないんですが、かつてのMMORPGを思い起こさせる独特の味が癖になります。それでいて見せ場ではきちんと鋭さを持った線も提供してくださっています。なにより作品と波長が合っているのですよ。これこそ言葉では言い表しづらいですが、好きです。それでいて局所的に登場する妙に濃いキャラが、絵・文と共にしっかり自己主張してくれていていい。一巻、二巻ともにカラー口絵で顕著ですが実に印象に残ります。あとは書籍版からの新キャラ「人魚」のミミリィがこの巻でも日常の一幕を担ってくれていていい感じでした。彼女視点による巻末の短編も、この作品としては珍しく世知辛い現実とそこからの脱却、そしてまっすぐな感謝が書かれていて面白かったです。まぁ、それでいて。結局はなるようになる牧歌的なムードの醸成に成功しているのであまり考えすぎずにゆったりとした読書を楽しめると思いますよ。単にお気楽なだけでは終わらないけれど、遮るものなどないのだと自由に道を切り拓く主人公の闊達さに惹かれたこと、それは確かなのですから。