「救い主」が殴られるまで (燃えあがる緑の木)本ダウンロード無料pdf
2020.11.14 17:30
「救い主」が殴られるまで (燃えあがる緑の木)
本, 大江 健三郎
によって 大江 健三郎
4.9 5つ星のうち 16 人の読者
ファイルサイズ : 25.05 MB
内容(「BOOK」データベースより) 百年近く生きたお祖母ちゃんの死とともに、その魂を受け継ぎ「救い主」と見なされた新しいギー兄さん。だが彼の癒しの業は人々から偽物と糾弾される。今は女性として生きる両性具有のサッチャンは彼を支え、その一部始終を書き綴って行く…。構想六年、一人の「救い主」の運命に託して人間の魂の問題を探る、著者が「締めくくりの小説」と呼ぶ長編三部作、遂にスタート。 内容(「MARC」データベースより) 森に囲まれた谷間の村で繰り拡げられる、〈救い主〉の受難と再出発の物語。著者が「締めくくりの小説」と呼ぶ、魂の救いをめぐる長編3部作、遂に開始。
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この小説では、「ギー兄さん」という指導者が四国の村で行った言行が語られます。この小説の語り手は、サッチャンという両性具有者です。サッチャンは小説家のK伯父さんに勧められて、ギー兄さんをめぐる物語を書くことになります。・両性具有の語り手語り手のサッチャンは女性的な乳房と女性器を持ち、なおかつ男性器も持つ両性具有者です。Eテレの「100分de名著」に出演した小野正嗣さんによれば、誰の心の中にも〈女性的なもの〉と〈男性的なもの〉が同居しており、そういう意味ではみんな両性具有者だそうです。そしてサッチャンは、〈女〉と〈男〉のうち、〈女〉であることを自ら選び取った。両性具有の語り手という設定には、大江健三郎のジェンダー観が現れているという説ですね。さらにサッチャンは〈女〉として生きることを決断した人間でありながら、〈男〉である作者=大江健三郎の代わりに物語を語る語り手だから、両性具有者なのかもしれないと私は思いました。・〈永遠〉に対抗しうる〈瞬間〉「永遠と対抗しうるのは、じつは瞬間じゃないか?ほとんど永遠にちかいほど永い時に対してさ、限られた生命の私らが対抗しようとすれば、自分が深く経験した、一瞬よりはいくらか長く続く間の光景を頼りにするほかないのじゃないか?」(p.174)〈永遠〉に対抗しうるのは、〈瞬間〉ではないかとギー兄さんはカジ少年に言います。ニーチェの『(権)力への意志』はギー兄さんの説教とはだいぶ違った内容ですが、〈瞬間〉を肯定することによって〈永遠〉をも肯定する思想でしたね。〈永遠〉に対抗できるのは、〈瞬間〉だ。だから、心に残る〈瞬間〉を記憶に刻むことが大事なのだ。ギー兄さんの説教やニーチェの哲学からは、このような教訓を得ることができます。・「NHK批判」の予言!?『燃えあがる緑の木』は平成に発売された小説ですが、発売後の未来の事件を予言した小説だと言われています。第一部には、ギー兄さんの超能力を報道したNHK特集がインチキだと批判される場面があります。私はこの場面を読んで、これは数年前から活発化した「NHK批判」の予言のようだと思いました。NHKを批判する某政党や、過去にNHKスペシャルで特集された某作曲家のことを私は思い浮かべました。なお、続きの第二部・第三部には、オウム真理教事件や原発事故を予言しているような場面があります。