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上岡敏之指揮 ヴッバータール交響楽団 演奏会@名古屋② 10/10

2010.10.08 12:55

お待たせいたしました。昨日の続きです。

演奏曲目はまず、超有名なワーグナーのワルキューレの騎行。派手な曲をばっちり決めたので、ツカミはOKの出だし。

そして次の曲が同じくワーグナーのジークフリート牧歌。これが一般的にあまり有名でない曲の上、静かなまま盛り上がりもなく20分ぐらい続く曲なので、会場が全体的にクールダウン。ライブならではのpppでの緊張感と妙技が楽しめて結構良かったと思ったのですが、もし知らない曲だったら私も同じ反応だったかも。苦笑

そしてメインのベートーベンの交響曲3番「英雄」。これが本当に面白かった!

この曲は、ザン!ザン!という気合の入った出だしから、タ~ラタ~ラタララ~ラ~ラと始まる曲で、昔ながらの伝統的な演奏だと、ザン!。。。ザン!。。。と少し余韻を持たせてから悠々と、いかにも大曲だぞ!と始めるのですが、今回は違いました。余韻も何もあったものではなく、飛ばす飛ばす!「この曲は重い大曲ではなく、フットワークの軽い、躍動感のある曲なんだ!」という指揮者の主張をまともに浴び、ノック・アウト!

これは最近の演奏の流行でもあったようで、それをちゃんと押さえていなかった責任が多分にありますが、ともかく、最初から吹っ飛んでしまいました。

それにしてもその響く音の斬新なこと、リズムの楽しいこと!

それに、あまりのスピードの速さにオーケストラが軋みを上げながら必死についていく姿や、指揮台の上で暴れ回る上岡さんの指揮姿が「ほら、ここのフレーズ、面白いでしょ?」「ほら、ここからはこの演奏者に注目!」等々、観客にも話しかけているようで、見ているだけでも飽きませんでした。

家に帰ってから、他の指揮者のCD(他の曲を聴いて面白くなかったので、買ったものの聴いていなかった。汗)を聴いて、演奏の流行については復習しましたが、やっぱり上岡さんの解釈の方が面白かった。何せ第2楽章は葬送行進曲なので、先のCDでは速いとは言っても常識内のスピードに落としていたのですが、上岡さんの基本スピードは速いまま。どう解釈したら、そのスピードになるのかわかりませんが、そのスピードだから聴こえる音の響きというのもあって。第3楽章以降も当然そのスピードのままでしたが、こちらもその流れに気分良く乗って、フィナーレ!

そのハイ・スピード故に失った感動も確かにあったとは思いますが、久しぶりにライブ感たっぷりのクラシックの演奏会が聴けて、本当に楽しかった。

もしクラシックにご興味のお有りの方で、まだ上岡敏之さんをご存知ない方。

一度聴いてみる価値のある指揮者だと思いますし、この後、どう変わっていくのかリアルに見ることが出来る才能だと思いますので、是非!


<追記>Youtubeで上岡さんの今回の日本ツアーのプロモを発見。指揮台で暴れ回る様も見れますので、どうぞこちらをご覧ください!ちなみに、このプロモでの上岡さんの髪型はちょっと変ですが、でも、実物どおりです。。。笑


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