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レアハンバーグの危険性

2016.10.19 15:48

今回のテーマは重いです。

最近、レアハンバーグを売りにする店が増えつつありますが、

これは危険です。

5年前、焼肉酒家えびすのユッケにより、集団食中毒の事件がありました。

この際、肉のトリミングが行われていなかった事が取り上げられ、かつ、生食用の牛肉は存在しないという事が報じられました。肉の菌は表面に付着しますので、この表面を削ぐことをトリミング、肉屋や職人は「グリグリに剥く」などと表現します。

実は私も都内の有名老舗焼肉店にて16歳から21歳まで、修行をしていまして、当時ユッケを提供していました。


大前提として、

ユッケは挽肉ではありません。

ユッケに使用する部位は、しんしん、しんたま、ランプなど、脂身の少なくやわらかい部位を使用します。調理法は、大きなブロックの状態の肉をトリミングし、スライスした後、千切りにします。その後、タレやごま油、店によってはニンニクなどで調味して提供します。

「トリミングをする」という事は、表面を削ぐという事ですから、当然歩留まりは悪くなり、安価で提供は不可能となります。


これに対し、

ハンバーグというのは挽肉を使用します。

私は13年、国内外で飲食店の経営やプロデュース、料理教室講師などをしてまいりました。その経験からお伝えしています。

通常、ハンバーグの肉は肉屋さんに肉の挽き具合や肉質を注文し、挽いて頂くのが一般的です。そして、各店で豚挽肉と配合したり、牛100%で作ったり、いろいろです。店によっては店舗で挽く店もあると思います。店舗で挽く場合、ユッケの様に包丁で切る場合、ミンサーで挽く場合があります。もし仮に、安全なレアハンバーグを食べるとすれば、キチンとした衛生管理や技術、知識を有する職人がいる店で、トリミング後の肉を挽く訳ですから、かなりの高単価になります。


現在、巷で見かけるレアハンバーグの単価を見る限り、これらの条件をクリアしているとは到底思えません。


牛肉の表面に付着している事のある大腸菌は75度で1分の加熱で死滅します。

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サルモネラ:62℃30分で死滅

腸炎ビブリオ:60℃10分で死滅

カンピロバクター:60℃30分で死滅

病原大腸菌:75℃1分で死滅

ブドウ球菌:80℃30分で死滅

ボツリヌス菌:120℃4分で死滅


ですから、ステーキを焼く場合、表面を焼いて中がレアでも危険はありません

(もちろん、腐敗している場合は無理です)

しかし、挽肉の場合は表面の肉も混ぜこぜになりますので、ユッケ事件と同様の時間が起きる可能性が高いです。更に言えば、30度〜60度の温度帯は、菌が活発になる温度帯ですので、ハンバーグ内部で菌が繁殖している可能性が高いです。


飲食を愛すればこそ、この様な危険のある商売はやめて頂きたい。

(もちろん、前述の様に、よほどしっかりした管理体制があるのであれば別ですがね。。。)レバ刺しやユッケもキチンとした店で食せば、可能性は0ではないものの(0は何を食べてもあり得ませんので)安心して食べれる物でした。

しかし、一部の金儲けに走った飲食店により、口に出来なくなってしまいました。

「お客様の為に」と偽りの言葉を並べて「安価」で顧客を誘致し、金儲けする。

キチンとした経験や知識のない人間が調理することの怖さ。


レアハンバーグによる事件が起きない事を願うばかりです。

そして、微力ながらも私のinstaやブログを見て下さっている方々が、正しい知識を持ってお食事を楽しんで頂ける事を切に願います。


食べないで下さいね。絶対。