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ウォー・ダンス  響け僕らの鼓動

2011.04.23 04:30

ドキュメンタリー映画。

ウガンダの難民キャンプで暮らす子供達が、
合唱の全国大会に出場する様子を記録したもの。

内戦によって、両親や兄弟の死、誘拐、殺人、
想像しがたい困難を経験した子供達。

まっすぐに向けられた瞳の中に、
途方も無い悲しみと、絶望が広がっている気がして、
直視できなかった。

そんな子供達の姿とは対照的に、
自然の風景はひたすら雄大で、美しくて。
対極にあるその両者の姿が、余計に虚しさを表している気がした。

少年が、反政府軍の兵士と話をするシーンが印象的だった。
「悪い事と分かっていて、なぜ誘拐や殺人をするの?」
「僕のお兄さんは生きている?」
子供の問いに、
その兵士は
「地位があがるから子供を誘拐する。」
「君のお兄さんはきっと殺されている。」
と答える。
ただ、淡々と。
少年も、その答えを受け止める。
感情を押し殺したように。

そんな中で、
音楽は人の心に響いていく。

大会に参加した子供達が、
緊張に顔をこわばらせたり、
他の学校の子に圧倒されて不安げだったり、
演技が終わってほっとした笑顔を見せたり。
自分の体験を話すときとは全く違った自然な表情に、
見ているこちらも和まされた。

少女の言葉
「私は、両親を殺された少女ではなく、
合唱大会のトロフィーを持ち帰った少女なのよ。」
大きすぎる悲しみだけれど、
色々な経験を積み重ねることで自らの傷を癒し、克服していく強さ。

とても映像が美しいと思ったら、
ナショナルジオグラフィックでも制作している監督らしい。

映像・音楽も秀逸で、
たんなるドキュメンタリー映画ではないと思う。