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バタフライ・エフェクト

2012.06.29 01:15

2004年アメリカ映画。

バタフライ エフェクト(効果)とは、
ある場所での蝶の羽ばたきが、
そこから離れた場所の将来
の天候に影響を及ぼすという
カオス理論の一例のこと。

おぼろに聞いたことのある一文、
「北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる」というやつです。
小さな小さな要素が、未来に大きな影響を与えるということ。
あらためて考察すると、とても面白い・・・
とまぁ、今回は映画なので。そちらのほうを。

小さなころから時折記憶を失うことがあったエヴァン。
その治療のためにも日記を書き溜めていた彼は、今大学生に。
あるとき、ふと過去の日記を読み返すと、
その当時に意識が飛んで、
今の自分の意思で、少しずつ状況を変えられることに気付き・・・。

最初、ゾっとするシーンが続いたので、
ホラーかサスペンスかと思って見始めたのを後悔したりもしましたが、
エヴァンにどんどん感情移入して、
彼が奔走するのを手に汗握って応援し、祈る気持ちで見ていました。

本当にささいなことが、
未来を大きく変えていく。
別に押し付けがましい応援メッセージがこめられている映画ではないのに、
見終わった後、何故か元気とやる気が出てきました。
エンディングもよかったな。
かなり切なかったけど・・・。

脱線するけど、
ラン・ローラ・ラン って映画も確か何度もやり直す映画だったなぁ。
懐かしい。けっこう面白かった気がする。
題のとおり、ローラがひたすら走る映画だった。
ただあの映画の場合は直前の出来事をひたすらループする感じだったから、
その後にどう影響してくるかというところはまだない未来の話でした。

映画の中でひとつひっかかったことがあって。
それはエヴァンが最後に精神病院で書いていたメッセージ。

「失敗したら僕は死んでる、最初に戻って彼女を助ける」という内容の。
なんでこんなものを書いたのか??
ビデオ見て過去に戻ればすんなりすむでしょうに・・・
ビデオで戻れる、という確証がなかったから書いたのか?
と釈然としなかったのですが。
初期のエンディングでは、
胎児に戻って、生まれないことを選択する、という
悲しすぎるストーリーだったそう。
その意思を表すための手紙だったかと。
絶句です。制作サイドの方々、結末変えてくれてほんとに良かった。
こちらだったら間違いなく後味の悪い映画になってたと思われます。

もっとこうしたら、
もっとああしたら、
って思いはつきないはずなのに、
過去へ戻る手段を消したエヴァンの潔さ。
かっこよかった。
でも自分だけが、ケイリーや周りの人々との過去を背負っていて、
その幸せも不幸せも抱えて生きている。
やっぱり切ない。
初期エンディングはもちろん無しだけど、
DVD特典にあった他の2つの結末も違うし。
皆にとってやはり最良のエンディング。

自分も本当にたくさんいる人間のうちの日本人のうちの東京都民のうちの・・・
と、1羽の蝶のように小さな存在ですが、
日々のひとつひとつのアクションが、
未来を大きく変えていくのだと、
そう思わせてくれたから、希望をもらえる映画なのだと思います。