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ピジョン ラミエと ワインのマリアージュ探求

2016.10.20 06:52

前回記事の続きです。


フランス料理 Le Moment(ル モマン)」(※お店のHPはコチラ)の

「ピジョン・ラミエ(山鳩)のロースト, ソース・サルミ」

最高の状態での一皿に

赤ワイン3種類を探求させてもらいました。


もちろん、今回すべてフランスワインではありません。

フランスワインだったら、あれやこれや定石があるでしょうから、

今回も探求です!

写真左から

MONASTIR  S.Ⅻ Cister 2010 

モナスティル 【モナスティル・システル 2010】


パッと合わせるのに美味しい! ワインに深みや余韻はなくても、

このお料理に十分対応できるバランス!

濃いワインですが、ペアリングしてみると、嫌味がなく自然に溶け合う印象でした。


ワインにもう少し上質感を求めるなら、この上のクラスの「クルニー」もいいでしょう。

でも今の時期なら、クルニーは2012年なので、逆に2010年のこの「システル」の方が、

ちょうど良い開き具合で、鉄分ある赤身ジビエ肉や付け合せの茸にちょうど良いと思いました。

あくまでも料理とのマリアージュ。バランスを考えてのコメントです。

※在庫が無くなる前に、ヴィンテージが変わってしまう前に、ということでクルニーを抑えることもオススメですけどね。




MATSU 2012 

ボデガ・マツ 【マツ 2012】


こちらは、パワフルな赤ワイン。樽の香りもしっかりあり、フルボディ―タイプなので、

ワイン単体としても大人気です。一般ウケ間違いない。

私個人的には、前菜の鹿肉のカルパッチョとのペアリングでイケてる!って思いましたが、

こちらのピジョン・ラミエ、ソース・サルミを食べた後にマツを飲むと、

このパワフルな赤ワインの香りがドンっときて印象強く、

全体的にパンチを与え、食べ応え、飲み応えはあるので、

この料理本来の良さが引き出されないかのような気がして、

料理ファンとしては、イマイチでした。


が、若い男性は、これが一番印象的で合うと言ってました。

なるほど。

確かに、料理に一味さらなる力強さが加わり、

どちらも美味しく感じられるのかも。

こうなると、ワイン主体か料理主体かで選ぶというよりも、

やはりその食べる人次第ですよね。

年齢層、体力あるかないか、嗜好や体質、、、

色々加味して考えるのがソムリエの仕事ですね。

ワインの知識や、凝り固まった料理との古典的な相性だけにとらわれてはいけない、、、。


余談にそれてしまいました。

さて、次のワインです。


Las UVAS de la IRA 2013  

 ダニエル・ランディ【ラス・ウバス・デ・ラ・イラ 2013】


エレガントな赤ワインで、ガルナッチャ種とはいえ繊細なタイプだし、

ジビエ向きではないかな、と思いながらも試しに。


ところが!!! これが一番ドンピシャ!!!


ワイン単体だと、うっとりする艶のある香りと、やさしい味わいですが、

まさかの力強いジビエ赤身肉「山鳩!」にとろけるマリアージュを魅せるとは!!

これはたまりません。悶絶寸前の境地です!

ああ、これこそソース・サルミが美味しく、口中で余韻が広がり、

ずっと食べていたくなるほど。。。


もしかしたら、力強さは感じられないので

若い方や体力溢れる男性には物足りないかもしれませんが、

是非ともピジョンラミエやジビエの様々を食べ慣れている方には

やってみてもらいたいマリアージュです。

いかがでしょうか?



ジビエには重い赤とか、濃い赤とか、アレコレありますが、

今時のジビエ料理と、昔の濃いジビエ料理ともまた違う気がしますし、

合わせるワインも必ずしも濃いワインと、昔のままでは違う気がしてたんです。


なので、探求してみました。

時代は変わってます。技法もさらに発展しています。

フランス料理もエレガントに進化しているかと思います。

それでいて伝統を引き継ぎ、そのお店ごとの素晴らしさがあるかと思っています。

だからこそ、この料理にはこのワイン、という昔ながらの教科書的な文句にとらわれず、

このお店ならコレ、このシェフの料理ならコレ、というように、

様々なマリアージュ案があることだろうと思います。


マリアージュは楽しいですね。


それぞれのワインの詳細は、次回また。