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Sasin Japan Center(SJC)/サシン日本センター

第6回:KADOKAWA Contents Academy 代表取締役古賀鉄也氏 東京第一本社

2020.06.15 14:36

当日の対談では、私たちの予想どおり(恐れていた通り?)、古賀社長と藤岡先生は、対談用の質問内容についてお答えになるのではなく、日本のコンテンツ産業の海外展開上の制約や経営上の課題、そしてマネタイズや経営人材育成について、どんどんと意見交換をされていました。お互いに、お忙しいので、お会いした際に、「グローバルとローカル(日本)の経験をアジアの文脈で実践してきた知を吸収し、Kadokawa内部で考えるのではなく外の知と共振させることが大切」(古賀社長)、「限られた時間のなかで、相互に知識をプラグインしてビジョンを共有し、次の面談時にプロジェクト化し、動きながら考える」(藤岡先生)のだそうです。古賀社長より「一緒に記者会見しようよ」、「根回しして準備しておきます」(藤岡先生)ということで、プロジェクトが立ち上がりそうです。お二人とも英国のビジネススクールで学ばれており、「グローバル」な場での企業実践と「外様」という立場で様々な産業の再生に関わってこられたので、数時間のコミュニケーションで交換できる情報の量と質が圧倒的に大きいのだと思います。

日本のコンテンツ産業高度化の話や経営上の課題などについては、別々に準備されていたにもかかわらず、驚くことに、問題意識は90%が同じでした。やはり「オタク」や「匠」なだけでは組織を動かし、海外で対等に勝負し、「長期的な競争優位」を築くことはできません。競争のレベルが上がれば、戦略、会計、財務、知財、M&Aなどの専門知識と、国境を超えたネットワーク(これがトップスクールで学ぶことの財産)がなくては仕事にならないのでしょう。

そしてお二人が、今後の個人としての課題として挙げられていたのが「社会に対して、自らの経験や知識を還元すること」を常に意識しながら、小さくても個人でできる範囲で「学ぶことのできない子供を支援する」ということで、既に2人とも財団を通じて実際に取り組まれているという点も共通しています。人間の本質を考えない経営学には、魅力を感じない。人間のための経営学という立場を崩すのであれば、仕事を変えますと、二人とも話されてました。

#「アジアにおけるクリエーター教育とアジア・オタク市場開拓戦略」

#「マンガ・アニメ・メディアミックスによるオタクのメジャー化とアジア戦略:産学連携の可能性」


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対談「アジアで本業を通じた持続的な社会貢献」

対談「アカデミックな知見を活かして海外展開」