民法条文整理 第34条 2021.03.01 23:08 第34条(法人の能力)法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。重要度:3解説等:メモ書き民法第34条(法人の能力)解説(趣旨)1、本条は、法人の権利能力について規定しています。2、法人は、法令や法人の根幹となるルールである定款または寄附行為で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負います。3、本条により、法人は、あくまで定款や寄付行為で規定した目的の範囲内の権利義務があり、その範囲外については、権利義務がありません。(目的の範囲)1、目的の範囲については、判例によって、営利法人と非営利法人では、若干解釈が異なる。2、営利法人の場合は、利潤を追求するという営利法人の性格から、目的の範囲は、かなり緩やかに解釈されているのが現状です。例えば、政治献金でさえ、目的として認められています(最高裁判決昭和45年6月24日・八幡製鉄事件)。※非営利法人の場合は、営利法人と比べて、この目的の範囲というのは、厳格に解釈されています。【関連判例】※例えば、同じ政治献金にしても、税理士会という非営利法人がおこなった政治献金は、この目的の範囲外とされています(最高裁判決平成8年3月19日)。判示事項 一 政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することと税理士会の目的の範囲二 政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付するために特別会費を徴収する旨の税理士会の総会決議の効力裁判要旨 一 税理士会が政党など政治資金規正法上の政治団体に金員を寄付することは、税理士会の目的の範囲外の行為である。二 政党など政治資金規正法上の政治団体に金員の寄付をするために会員から特別会費を徴収する旨の税理士会の総会決議は無効である。※詳しくは判例参照