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ホスピスナースのカルテ

乳がんになりました

2016.10.21 12:35

他人事とは思っていなかったけど

まだ実感が湧きません。

痛みがあった方とは反対の胸。

左の胸が全体的に大きくなってじんわり痛いから検査してみました。

そしたら、左は何もなくて、何の症状もなかった右にありました。


乳がん。


血縁関係には癌の人はいなかったけど職場でたくさんの人を看取ってきたので

可能性は感じていました。

女性は多いって。

当たる確率も相当高い。


職場は終末期の方を看取る病棟。

私は看護師です。


癌の人や家族を支えるための勉強をしてきました。

死について向き合う勉強もしてきました。

果たして自分がその立場に立った時、どんな気持ちになるのか

ずっと想像していました。


まだ診断がついたばかりで治療も始まっていません。

だから実感が湧かない。


いつか死ぬと思っていたからその先が見えてきた感じもあります。


家族はプチパニックになっています。

子供達はどう感じているんだろう。


医療の本はあるけど、考えると乳がんにそんなに詳しくない。

だから書店に行きました。

乳がんってかなりメジャーに取り上げられていると思っていたけど

書籍が少なくてびっくりしました。


看護ケアに関しての本は色々ありますが、

私が知りたいのは病態の機序と今後の治療。


癌の本には精神的援助のページに大部分が割かれていますが

そこは了承しているつもりなので。


仕方がないので、癌についての一般的な構造を勉強できそうな注文しました。

*「新 癌についての質問に答える」

ベタな内容だけど、きちんと基本を理解できそう。

治療法は放射線や化学療法やら色々あるので、きちんとどの治療をするか

方向が決まってから追加で勉強することにします。

それと、キュブラーロスの「死ぬ瞬間」

講義や研修で何度も一部抜粋を目にしてきたけど、きちんと全文を読んだことがなかったから、この際読んでみよう。



手術が終わるまで、ステージの確定もできないらしい。

手術が終わって初めて治療の方向も決定するらしい。



死ぬのかな。


そんなことを思いながら1週間過ごしました。


診断から1週間。


手術は1ヶ月半後。

家族は早くできる他院を探すように助言をくれましたが、仕事しながら治療することもあるし、すぐに手術はさすがに気持ちが追いつかず。

先生の見解としても、乳がんは肺がんや膵臓がんなどと違ってゆっくり大きく成長するから1ヶ月とかのうちで大きな差は無いとのこと。


誰に知らせたらいいだろう。

誰にも黙っておいたほうがいいのかな。


早期なのか手遅れなのかもわからない今はどうしたらいいかもわからない。


先生が、術前検査の診察の時、何度も「大丈夫?」と聞いてきた。

優しい女医さん。


きょとんとしている私に不思議な気持ちを感じてのことだろうか。

もっと不安で動揺するものなのか。


もっと死と不安を感じなければならないのだろうか、なんて思ってしまった。


私もいつもケアをしていた患者さんの側の橋を渡ってみたのに

どんな風に声をかけられると落ち着くのかも今はまだわからない。


子供が帰ってきた。

鼻歌を歌いながら。


明日、この子が幸せでありますように