火を使わないので安心度高い IHクッキングヒーター
磁力で加熱する安全な調理器具
IHクッキングヒーターとは、火を使わない電気の調理器具で、鍋そのものが磁力で加熱されます。仕組みは、
①内部にある渦巻き状のコイルに電流を流すことでコイル周辺に磁力線が発生し、
②トッププレートと接している鍋底に磁力線が達すると、そこに渦状の電流が生まれ、
③この電流が鍋を通ることで電気抵抗による熱が発生します。
これを誘発加熱(英語:induction heating=IH)と言い、調理の熱源となります。したがって、使用する鍋は基本的に磁石がつく鉄やステンレスになります。トッププレートの下には鍋などの調理器具の温度を検知するセンサーがあり、温度が異常上昇した場合は火災を防ぐため動作を停止する機能が備わっています。
火を使わないので、適切に使用すれば火災の心配がなく、またガス漏れを起こすこともありません。鍋自体を発熱させる仕組みのため部屋が暑くなることがなく、夏場も快適に調理できることも人気の理由です。トッププレートには鍋を乗せるゴトクがなく、フラットなので拭きとりが非常に簡単ですが、表面が濡れていると鍋が動き、落下することもあるのでその点は注意が必要です。
商品選びのポイント
使える鍋のチェックも必要
IHクッキングヒーターで使える鍋やフライパンは、磁石に付くこと、鍋底がフラットであることが条件となります。鉄やステンレス製の鍋なら使えます。銅鍋やアルミ鍋・多層鍋でも使える「オールメタル」タイプがありますが、こちらのタイプも鍋底が平らであることが条件です。但し鉄・ステンレス鍋と比べて火力が弱くなります。ヒーター自体が発熱して鍋を直接加熱する「ラジエントヒーター」がIHとセットで付いている機種なら、使える鍋の種類も多くなります。
1分間で理解するIHクッキングヒーター
チェック! IHの発熱の仕組みとヒーターの種類
▲IHクッキングヒーターの発熱仕組み
トレンド
高齢化に伴い安全性が高いIHコンロは益々便利に進化しました。点火や火力を目で確認できる「光るリング」は、鍋を置く位置にリング状の光が表示される機能です。高温ランプは高温時に注意を促します。また火力の設定時に腰をかがめずにワンプッシュで操作できる天面操作の商品が増えています。
調理機能ではグリル内部をフラット化して焼き網をなくした商品や、グリルパンでの調理メニューが充実した商品などが人気となっています。
リフォマガ2020年11月号掲載