Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

一号館一○一教室

中国に関する質問(十六)

2021.03.02 12:12

【質問】 

いつも愛読しています。「第15話」で、中国人は「死」の観念を忌み嫌うとありましたが、だとすると、殺人事件を扱った小説やドラマも受け入れられないのでしょうか?もし人気のミステリーがあったら教えてください。  

【回答】 

現実の中、中国人は「死」を忌み嫌っているのですが、現実と別に、殺人事件を扱った小説やドラマを普通に多くの人に好まれているようです。むしろ、多くの人には、平凡な暮らしの中、殺人事件を扱ったミステリー文学から刺激を受けることがかけがえのない楽しみです。 

古典文学の中のミステリーはとても奥深いものです。例えば、中国の清代の短編小説集「聊齋志異」はミステリーに満ちる名作です。中国の推理小説の前身は、古代の志怪小説と公案小説の二大ジャンルです。志怪小説と主に六朝時代の中国で書かれた奇怪な話のことです。 中国・北宋の政治家である包拯(包公)を主人公とした公案小説は「合同文字記」と「三現身包龍図断冤」の2篇があり、明代に編纂された六十家小説や三言二拍などに採録されました。  

時空を現在に戻させ、「今の中国では、有名な推理作家がいますか」と、上海の大学に勤める友人に聞いてみました。「中国では推理小説家がいないじゃないですか。皆が日本の推理小説を読んでいますよ」と友人が答えてくださいました。 確かに、筆者は子供の時から日本の推理小説を愛読します。因みに、現在毎週ミステリードラマ「相棒」を観ています。

ネットで調べて、中国の推理作家が少なくないと気がしますが、特に広く知られている方がいないようです。 それにしても、推理小説作家の周浩暉氏は「中国の東野圭吾」と呼ばれています。周浩暉氏は1977年に江蘇省揚州市で生まれ、北京の清華大学で環境工学の修士号を取得しています。 彼が2008年に出版された作品である「死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)」の日本語版は今年8月に日本で出版されました。中国でシリーズ累計120万部突破、ドラマ版24億回再生、中国語圏ミステリーのトップクラスの傑作だと言われているようです。 

80年代から日本の推理小説は日本の映画とドラマとともに、中国に輸出し、今になっても、日本の推理小説は相変わらず中国で流行っています。一番人気を集めているのは東野圭吾氏の小説です。東野圭吾氏が中国で最もお金を儲ける日本作家だと言われます。 ほかには宮部みゆき、京極夏彦、綾辻行人、湊かなえ、伊坂幸太郎など日本作家の推理小説をも中国で愛読されています。