12歳少女に群がる2458人の男たち
童顔の成人女性が12歳としてSNSで友人募集をすると、2458人の男性がコンタクトしてきます。卑猥な言葉や要求がエスカレートする様が、少女達にふりかかるSNSの危険性を浮き彫りにする、チェコのドキュメンタリー映画です。この問題は日本にとっても対岸の火事ではありません。
まず、教育の場でいえば、生徒にわいせつ行為を働く教員が異常なペースで増え続けていることです。17年度210人から18年度282人と一気に82人増えたのが驚きで、犯罪の性質を考えるとこれは氷山の一角に過ぎません。児童にとって「先生は疑わざる存在」であることは事実であり、されるがままに被害にあってから、大人になって問題の意味に気づくケースもあります。さらに、こうしてわいせつ行為で休職免職した教師が、ペナルティなしで復職できてしまう仕組みも問題です。公務員制度の改正なくば、野獣は再び、子どもたちの中へ解き放たれるのです。
SNSとスマートフォンの普及も大きな問題です。今では誰でも簡単にインターネットにアクセスでき、そこは親の知らざる交友関係が結ばれる空間となっています。性知識と犯罪への警戒心が薄い幼児たちは、あの手この手で性犯罪者たちにおびき出されてしまうのです。twitterで家出をほのめかす女学生アカウントに、成人男性からの宿泊の誘い(いわゆる神待ち)が10分足らずで100件を超えることなど、SNSは性犯罪の温床と化しています。
自由を履き違えることで、人は簡単に道を踏み外します。時には叱り、時には褒めて、子どもの道を正すのが大人の役目だったはずです。悲しいのは、その大人が子どもたちを喰いモノにしている現状です。現代のネット社会の中で、親は物理的な安全だけではなく、仮想空間での児童保護をも考えなければならないのです。