大王対女帝15-女帝、フランスと同盟へ
2021.03.03 08:51
哲人王というから理性的な人間かと思いきや、フリードリヒ2世は、結構癖のある人間である。バッハの作曲の件もリスペクトからとはいいがたい。そして1750年、長年の友といえるヴォルテールを呼び、厚遇するが、この二人結局ケンカして袂をわかってしまう。
さらに、公的な場でも女性を侮辱する発言を重ねていたらしい。そのせいか、オーストリアとの交渉でも、マリア・テレジアではなく夫フランツを通す。ロシアのアンナ女帝を「好色な雌豚」と言ったことがあるらしい。そのせいかどうか1746年ロシアはオーストリアと同盟を結ぶ。
そして1749年3月7日、マリア・テレジアの御前で、今後の外交に関する秘密会議が行われた。そのその席で、38歳のカウニッツ伯爵は、シュレージエン奪還のためには、フランスと組むべし、という大胆な提案を行ったのである。実にフランスとハプスブルクとは、マクシミリアン1世からの仇敵である。
出席大臣は皆度肝を抜かれた。カウニッツは、とても実現しないというだけでやらないことが多い、と伝統国らしからぬことを言って、帝国革新をめざすマリアの信任を得た。そして50年10月、カウニッツは、大使としてヴェルサイユをめざす。めざすはもう一人の女性、マダム・ポンパドゥール。