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花粉症状

2021.03.03 22:58

急に暖かくなると花粉症状のような感じと頭が重いとか眩暈がしたりすることもあります。 

薬を飲みたくないが、数日前にあまりの痛みの為に飲んでしまったという感じだったそうです。来院時は、頭の痛みは楽になっていましたが、身体の反応を診ると右鼻から前頭部、目の奥あたりに異常を認めます。「水」の反応もあります。


頭の痛みもあったことから水分代謝をよくするような五苓散とかが適応になりそうに思いますがなりませんでした。 そのかわり柴朴湯という漢方薬が適応になっていて、手にもってもらうと、右目から鼻あたりの緊張がなくなります。

当然、花粉症状や頭痛は来院時落ちついている訳ですから、そうなってもおかしくありません。なので、五苓散をもってもらうと反発し肩や首の緊張が出てきます。 


柴朴湯は、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴うような、小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、せき、不安神経症に効果的とされています。 


効能だけを見ていたら非常に範囲の狭い部分だけにしか効果はでないような書き方です。きっと、こんな使い方だけでは、漢方薬のポテンシャルを効果的に働かせることは不可能なんじゃないかと思います。 単一ではなく組み合わせを使えば、もっと漢方薬の効果を引き出すことができると思います。 柴朴湯の次ぎに抑肝散という漢方薬も適応になりました。


追加で効果が更にあがりました。

抑肝散は、鎮痛、鎮痙作用や筋肉の緊張を緩める作用のある駆お血剤と言えます。これらの二つの漢方薬を組み合わせると、鼻から咽、胸肩にあった緊張はなくなり、頭もスッキリしてきたようです。                                     花粉症と言っても様々で、このような精神症状を含む鼻咽周囲の異常は、決して花粉症と無関係ではありません。ただ、身体の反応だけをみていると花粉症の関連症状とは言い難い感じです。 


もちろん、症状も来院時は、あまりない訳ですから、当然と言えば当然なのですが、下地にこのような異常があった上に花粉症状が起こると複数の異常が起こり一筋縄ではいかないことがあるということです。 

症状だけで判断するような鍼灸治療や漢方治療は、本来の醍醐味を知らない使い方と言えます。もっともっと研究し、既存の生薬をうまく使いこなすことで更なる発展があるのではと思ってしまいます。