クリエイターとのコラボを始め、職種の枠を超えた仕事が魅力
2012年入社 about her.・Atelier Notify・R&Dセンター パタンナー
入社してから店頭での販売業務などを経て、自社ブランド専属のパタンナーとして配属されました。
世間ではファストファッションが台頭し、ものづくりにおいてもスピード感を重視して流行のものを次から次へ生産するような傾向でしたが、当社は丁寧なものづくりを行う企業で、パターンにおいても、立体裁断の手法を用いてひとつひとつの商品をつくり込むことを大切にする企業だったため、細やかなものづくりを現場で学びつつ仕事を行うことができました。
社内では3つのブランドを経験させていただきました。ブランドごとに職域も異なり、様々な工場とのやりとりや外部への加工依頼など、パターンに付随する色々な業務も経験させていただきました。
ルックブックやPR動画を作成したこともありました。
入社7年目に新規事業であるabout her.に配属が決まり、配属後はパタンナーの枠からかなりはみ出したことも経験させていただいています。
オーダーサロンや自社工場のOEM、ODM営業、お洋服以外の事業として新たにスタートした店舗の植栽施工など色々なことに携わらせていただきました。現在は上記の他にインフルエンサーや作家の方々と共同でお洋服や雑貨の企画開発を行ったり、阪急うめだ本店にある工房型店舗のAtelier Notifyの店長を務めさせていただいています。
ものづくりのをする上で恵まれた環境の中で企画から販売まで一貫して携わることができ、日々、やりがいを感じています。
これまで携わった仕事は本当に多岐に亘り、どれも印象的な仕事ばかりで、選ぶのが難しいのですが…
今、現在取り組んでいる仕事がまた新たな境地で面白いです。日本画家と共同でバッグの企画開発を行っています。バッグ自体は黒いキャンバス素材のシンプルな形なのですが、プリントの図案をプロの日本画家に製作していただき、白抜きでアウトラインのみを描いたレーザープリントを施しています。
そのままでもとても素敵なのですが、実はこのバッグでワークショップを行う企画をしています。ワークショップの内容は「ぬり絵」です。生地に筆で直接色を塗れる「布用絵の具」というものがあります。塗って乾いた後にアイロンで熱を加えると定着し、お洗濯しても取れなくなる優れものです。この布用絵の具を使用してバッグに施された日本画の美しい線画にプロの画家からアドバイスを受けながら、お客様自身が色を塗って自分だけのオリジナルバッグを製作するワークショップです。
サンプル品にテストで塗り絵を行ったのですが、素材のキャンバス生地が絵画の雰囲気と相性が良く、下絵も美しいので塗り方が多少お粗末でも素敵に仕上がるようになっています。
完成したものはとても愛着が湧き、人に話したくなるバッグになります。
普段ご一緒することが無い分野、ましてプロのアーティストと協業することは初めてだったのですが、作品の魅力をどのように企画に落とし込むか、出来上がった商品をどのようにお客様に届けて喜んでいただくか、届けた商品をお客様にどのように愛用していただくか、企画から販売後のその先までを共にデザインできたのはこの仕事が初めてです。商品の販売とワークショップの開催自体はまだ少し先の日程なのですが、イベントの演出方法を考えたり、商品自体の精度を上げてより素敵なものにしていきたいと思っています。