説明と理解、そして決定…②
荻窪病院 虹クリニック 北村誠司院長のお話
『i-wish ママになりたい 妊娠しやすいからだづくり』より
男性不妊は、本院の荻窪病院と連携も
また、男性不妊にも力を入れています。本院の荻窪病院には、泌尿器科医で日本生殖医学会の生殖医療専門医でもある大橋正和医師が男性不妊の診療をしています(生殖医療専門医は全国に561名。ほとんどが産婦人科医で、泌尿器科医は全国に47名。2015年4月現在)。
男性不妊でも、軽度の乏精子症(射精精液中の精子が少ない症状)などは、当クリニックで診察しますが、重度の乏精子症や、無精子症(射精精液中に精子が1個もいない症状)の場合には、大橋先生へ診察を依頼します。例えば、無精子症の場合に精巣から精子を回収する手術、MDーTESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)は本院で行い、回収できた精子を当院で顕微授精(ICSI)するという連携をとっています。
男性にとって妊娠が近づくからだづくりは?
男性に不妊原因がある場合に、「なにか、自分たちでもできることはないですか?」と質問される患者さんもいます。でも、どなたにも効果的な方法というものは、特にありません。精液所見の状態によっても、お伝えすることが変わってきます。
一般的によく言われるのは、『精巣を冷やしましょう』とか、『亜鉛の多いものを食べましょう』といったことですが、これらについても「中には効果のある人が時々いるよ」と伝えています。
やはり、何かしたら劇的に効果が上がるという方法はないと考えているからです。ただしこれは、シビアなケースにはお伝えはしていません。例えば、重度の乏精子症や無精子症の場合、根本的な原因を解決できない限り、一般的に言われるものは効果はないということです。
ただ、どのようなケースであっても、タバコと過度のアルコールはよくありません。
これは、女性も同じことですね。
では、女性にとって妊娠しやすいからだづくりは?
もちろん、女性の患者さんからも「何か、ありませんか?」と聞かれることもあります。これも、科学的な根拠のあるものというのは少なく、生活習慣の中で何か…と言っても、基本的な健康を管理するのと変わりはない部分もあります。
ですが、子宮筋腫や、子宮内膜症、子宮内膜ポリープなどは、これが妊娠を難しくしている要因にもなります。そこで、本院と連携して積極的に手術を勧めることがあります。それが、妊娠しやすくするために必要なことでもあるからです。
また、ストレスの少ない環境で治療を受けることも大切な要素だと思っています。