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ねこだれる

体操・新体操のインターハイ予選を観にいった記 その2

2016.10.25 11:16

 えー。

 バスの時間だから帰ろうかなーと思ったら、これから新体操団体が始まるよ~というアナウンスが入ったまでが前回。

 帰るか残るかどうしようかなーと思ってフラフラと会場を出ます。とりあえず時刻表を再確認するためにバス停へ。うん。再確認したところで今は二時半過ぎぐらい。次のバスは六時だね。

 見ると、違う路線で一時間に一本というバスがあるのですが、行き先が新札幌駅。札幌のはしっこぐらいですね。

 そこから、まあ帰ったほうが6時のバスに乗るよりマシかな……。というか、物理的に6時までここで待つことに無理がある。とっくに大会だって終わるし、周りに時間を潰すような場所はありません。この辺は森です。ただただフォレストです。ずっと見てたので駅まで歩く道は分かりますが、かなり体力を使いそうです。万が一かどわかしにあったら一発で持っていかれます。

 うーん、そういうことで折角来たことだし、新体操の団体を観てから、遠回りですがゆるゆると新札幌行きのバスに乗って帰りましょう。予定より遅くなりそうなので、家に一本電話を入れておきます。

 時間までお菓子パンの残りを食べたりして、時間を潰す。近くにコンビニなどもないので、弾薬を補給しておいてよかったです。

 そういえば。

 さきほどぽやーんと見ているとき、会場の客席で、恵庭南高校の選手たちが練習中に、「お母さん、やめなよ」という男の子の声がしたのです。

 私はそちらを見ませんでしたが、たぶんお母さんがスマホで選手を撮影しようとしているので、子供がお母さんを止めようとしたようでした。

 するとお母さん、「高校生の大会だから! いいんじゃないの! いいんだよ!」とか言って強行撮影しているようでした。いや、ダメだろ……。子供(たぶん小学生ぐらい)のほうが絶対的に正しいってどうなのお母さん……。

 どう考えてもダメだろうと思っていましたが、この休憩中、腕に撮影用の腕章をつけた人を見かけたので、やはりダメだと思います。気をつけてくださいお母さん。

 新体操をやっているのか、小さい子供もたくさん見かけたので、モラルは大事にして欲しいなあと思います大人たちよ。

 そうこうしている間に時間が来たので、会場に入ります。おー、始まる始まる。

「ウォーッ! ○○高校、ファイオッ、ファイオッ、オー!(パチパチパチ)」

 久しぶりの体育会系の掛け声に、びくうっ! となりました。新体操とかでも高校の競技会では、こういうのやるんですね。こういうの昔小学校でミニバスやっていた頃以来です。記憶のかなり底から浮上してきおったよ。

 女子選手たちが、整列してピッと手を上に上げながら、手具を持ちながらスタスタとフロアに上がります。かっこいい……。

 フロアの近くには線審がいます。審査員が観客席側に何人か座っており、そちらを正面に演技をするようです。五人で最初のポーズを作って、固まります。

 音楽がジャジャーンと始まり、しゃしゃーんと美しい動きで演技が始まりました。テレビで観る新体操と変わりません。すごい、上手!

 どうやら、素人目に演技の構成を考えると。

 個人の技。手具を持ちながらその場で片足で回ったり(ピボットというらしい)。複数の技ではみんなで手具を飛ばしたりして受け渡しをする。などがメインみたいです。

 勿論、手具の扱いや美しい動きなどいろいろあると思います。

 身体も柔らかいし動きも早くて、みんなとても上手です。

 ただ、観ていると目が肥えていくもので、学校や個人によってやはりかなり差があるものだと思いました。いやでも、みんな凄く上手なんですよ!

 上手なチームは、やはり難度の高い手具の受け渡しをしています。しかも何回も行う。ピボットターンも上手。柔軟もかなりレベルが高い。

 普通のチームは、受け渡しもぽーんと。思い切ったように一度か二度ぽぽーんと。それ以外は音楽の中で踊ってなんとかごまかすよ的なことに。

 それでも各自工夫を凝らしていて、みんな練習して本当に頑張っているのが伝わってきて、とても楽しく観ることができました。

 演技が終わると、その都度得点がついて、得点板をくるりと回して観客に見せてくれます。やはり競技会なので、当然技などに得点がついていくんだよなあ……。と、文系でこういうのに疎い私は若干せつない気持ちに。

 そういえば、私は今回初めて気がついたのですが、競技線のところに手具が置いてあるのです。

 そして、演技中にスポーン! と手具を競技線の外に飛ばしてしまった場合、外に取りに行かないで、その予備の手具を使うのです。へえー。

 後にオリンピックを観たのですが、やはり同じように置いてありました。どうやら競技線の外に出ると減点になるそうなのです。知らなかった。

 で。

 先ほど、体操で一人だけ心配な人がいたことを思い出していただけるといいのですが、今回新体操でも注目してしまった人がいまして。

 というか、練習中から注目していたのですが。先ほど言ったように、みんな体操・新体操女子は凄くスタイルがいいのです。ただ。

 一人だけふっくら加減のおじょうさんがいまして。

 お、おじょうさん、ふっくら! と私の気持ちを鷲づかみです。わっしわしです。はあはあ。

 しかし、このお嬢さん、身体も柔らかいし、動きも素晴らしいし、ポジションもセンターです。というか正確にはなんというかわかりませんが、2-3で分かれたら、三人のうちの真ん中です。

 というわけで、おじょうさんの見事な動きに大着目。う、うまい……。ですが演技中、手具が飛んでしまい、予備の手具をすぐに取りに行くおじょうさん。

 そこで曲が終わり、ジャン! とラストのポーズ。

 新体操では、高度な手具の受け渡しをするので、勿論しょっちゅう飛んでいくのでしょう。慌てずに取りに行くことも大事なんだろうなあ……。とか思いを馳せる素人。

 女子が4チームほど(うろ覚え)終えると、次に男子が入ってきました。隣のフロアです。練習もこっちのフロアでやっていたし、どうやら男子はこちらで演技する模様。

 恵庭南ではなくて、もう1チームの男子チームのようです。

 えええっ。こちらも上手!

 こちらも素人目線でお伝えしますが、男子新体操は、六人で演技をするのですが、フィジカル高く美しい動きをしたり、バランス、倒立、ジャンプして回転(タンブリングというらしい)などを行います。

 どれもとても凄いのですが、一番の見所としては、向かい合った形などでコンビネーションを行い、微妙にタイミングをずらしながらタンブリングする「おいおい君たちぶつからないんですか危ないよ(意訳)」をしたりするところです。

 やはり、私としては基本的にタンブリングが熱い。床板をダンッ! と鳴らして回転するのはかなり格好いいです。

 全員でぴったり同じ動きでダン! とタンブリングしたり、タイミングぴったり同じ動きで倒立や片足でバランス。ここらで一人とかがプルプルしてると手に汗を握る……。そしてすぐさまくるくると動きます。かなり動きが複雑で難しかったりするので、私なら自分が今どこにいるのか見失います。それ以前に首の骨を折るが。

 私の説明ではたぶん全く何も伝わらないので、動画を観ることをオススメします。

 というわけで、上手だった! 私の知らないところで、みんな頑張って練習しているんだなあ……。バランスといいあのタンブリングといい、かなり練習しないとできない技なのは明白です。みんな何年ぐらいやっているんでしょうか。

 また右に戻って、女子新体操です。残りのチーム3チームぐらい(たぶん)が演技を終えて、最後が恵庭南高校なようでした。なるほど。シメでいくんですね。

 始まる前から、観客の態度が、明らかに違います。みんなざわざわして、「○○くんがナントカ……」とかつぶやいています。

 昔琴似であったロックのコンサートで、メインが『くるり』だったのですが、明らかに観客の態度が、くるりとくるり前後で違ったことを思い出しました。もう何年前の話かね。

 まあくるりはともかく、恵庭南の演技が始まりました。動画で観た事はあったんですが、さてどうか。

 おお。

 おお。

 おおおおうー!

 すごい、やはり本物は迫力が違います。動きが違う。ピッタリ揃っている美しさと緊張感。倒立などもレベルが段違いです。タンブリングも素晴らしい。最後のコンビネーションのアレも完璧です。みんな観客も演技中だというのに「すごい!」「うまい!」と心の声が外にだだもれです。

 もちろん体操・新体操競技も点数がつく競技ではあるし、みんなの小さな鍛錬や技の積み重ねだと思うのです。私は今までの全員の演技が素晴らしいと思いました。

 ですが、ここまでのレベルに行くと『感動』というものが生まれるのだなと思い知らされました。

 動画ではない、ここで本物の演技を見るのはとても感動的で、それは私だけではなくて会場全員がそういう気持ちに包まれたらしく、その場にいた観客全員が、大拍手でした。

「うわああああ」

「すごい、凄いー!」

 感動に叫ぶ観客たち。「凄い」「うまかったね~」などと言い合っています。興奮すると人は語彙が少なくなるものであります。

 ざわざわと興奮の中、みんな帰り支度を始めます。あー満足満足、残って観てよかったなあ~。とほっこりした途端、アナウンスが入りました。

「競技会はここで終了です。カッティングの後、表彰式があります(意訳)」

 ……カッティング?

 初めて聞く用語です。一体何をカットするつもりでしょうか。

 会場からはたくさんの人が出て行くので、私もひとまず客席から出ることにします。お茶飲んで一息。ふうー。楽しかったね! と一人で思う私。

 人の流れも一息ついたところで、次のバスの時間もまだあるので会場に戻り、とりあえず例のカッティングとやらを観ていくことにします。

 ……。

 なるほど。

 一言でいえば後片付けなんですが。

 たぶん出場した選手、関係者、総動員です。200名はいるんじゃないでしょうか。さっきまではいいとこ5、6人とかいなかったのに、もうフロアは人間だらけです。

 体操に使った道具を片付けるのもそうですが、見ものは床フロアの解体です。なんとなくただの平たい板だと思っていましたが、違うようです。

 日頃は違うチーム同士で話したこともない人たちの集まりなのでしょうが、かなりの人数の若者たちが、日ごろ競技で鍛えている見事なコンビネーションで解体していきます。

 ここで、床の分解の仕方を見てみましょう。

 見たのがけっこう何ヶ月も前になってしまったので、記憶があいまいなところがありますが、間違ってるよ的なツッコミがあれば平気な顔して修正しておくことにします。

 この床、なんと三分割構造になっています。三分割された二つのつなぎ目のところには、白いマジックテープかなにか(遠いので判読不能)があり、それをピーッと引っ張ってとります。これは二人で端をひっぱって、くるくると巻きます。

 一番上は、薄いマットになっておりますので、それを芯(ちゃんとある)を置いて、くるくると巻きます。

 その下は、二重にフェルトのマットになっています。ベージュと白で色分けされています。子供部屋によくある、ジグソーパズルみたいな形で組み合わせるマットがありますね。あんな感じのものです。

 それは何枚か重ねて、下に土台の板みたいなのが入った専用の袋に入れます。

 その下は、ベニヤ板に黒いゴムのスプリングが沢山ついたような板になっています。なるほど、このスプリングであの「パンッ」というジャンプができるわけですね。私の若かった頃には無かった気がしますが。日々進化。

 この板は、倉庫から持ってきた緑色の金属の「スプリング板置き」みたいな専用のものらしいのに、何個も横に立てかけます。重ねない。

 ははー、あの床こうなっていたのかーと勉強になりました。しかし、これは思ったよりも大変な作業です。けっこうな時間もかかります。こうして片付けるのをカッティング、設置するのをセッティングというらしいですが、片付けてまでが体操だぜ! と言わんばかりです。個人的には、一度セッティングしたら三ヶ月以上はそのままほっときたいものです。

 そうこうしている間にバスの時間が来たので、残念ですが表彰式は見ずに帰ります。帰りのバスで、高校生が三人ぐらい一緒でした。応援かな……。それともけっこうみんなバラバラに帰るものなのかな……。

 このバスは遠くの駅に着く予定なので、帰りが遅くなるなーと思っていたら、なんと途中野幌駅で下ろしてくれたので、助かりました。本数が少ないと思いましたがそういうことか!

 こうして無事に帰って夜にはうなぎを食べたのでした。うなぎうめえ。

 楽しかったので、また観にいきたいな~と思っていたのですが、次のチャンスである恵庭南の学校祭は招待制(チケットが必要)で行けず、次のチャンスは風邪で行けませんでした。特に個人競技は生で観た事がないので、是非またチャンスがあれば観にいきたいです。おわり。