シンガポールに残るプラナカンの青いタウンハウス baba house
先日、Yipさんの個展を観にソフィテルホテルへ、その後にSpottiswoode park通りのアートギャラリ-へ出向いたら、オープンは2:30との張り紙がしてあった。
時計を見れば2:00少し前、それならばとギャラリーの近くにある青い館にダメもとで行ってみる事にした。
この目を引く青い館は通称ババハウス。
この家は中国福建省からシンガポールに定住した19世紀の海運王ウィービンの家族が所有していた伝統的なプラナカンのテラスハウス。
土曜日はセルフガイドで見学できる日なのだけど、いずれにせよ事前予約が必要。
そこを当日二人分空きがないかと尋ねたら、3時から一人分だけ空きがあると言う。
Benoitの”僕は近くでビールでも飲んでいるから行っておいで!”との言葉に甘えて私の分をその場で申し込み。もし3時になってもお一人で参加の方が現れなかったら、二人で入れる様に提案してもらったのです。
1時間程カフェで時間潰し、約束の3時を過ぎてもお一人の方が来ないので、結局二人で家の中を観て廻る事が出来て、本当にラッキーだった。
ほんの少し前にYipさんの個展で観て来たプラナカンの結婚式の絵を思い出してみる。
いいなぁ~この絵!
家の中は写真不可なので目に焼き付けて置かなければいけない。
玄関から中に入ると第一の間がお客を向かえるサロンになっていて、サロンを始め、家中の家具は全て清朝スタイルのデコラティブなもの、それにプラナカン特有の要素が加わる。
それをゴージャスと取るか、ゴテゴテすぎると取るかはその人のセンス次第だと思うけど、我家のリビングの家具がそうであるように、私は個人的にはシンプルな明朝スタイルが好き。
ビジネスマンが来客者を迎えてWoWと思わせるには、清朝スタイルの方が向いているらしい。僕も明朝の方が好きだけど、明朝スタイルじゃ客にインパクトは与えられないよね~とスタッフも言っていた。
このサロンでスタッフから一通りの説明をしてもらい、後は好きなように見て廻る事が出来る。一つの間に一人スタッフがいるので、セルフガイドでも聞きたいことは聞けるし、熱心に説明してくるので、ツアーガイドでなくても十分な様な気がする。
ショップハウスを改装した店は街中にあるけれど、ずーっと住居専用のタウンハウスの中がどうなっているのか興味津々だった私。
長細い家の中は光が入らず暗いのでは?と思っていたけれど、サロンの奥のリビングスペースには明り取り様に小さなパティオがあった。少し窪んでいて、雨が溜まると水盤の役目をするので、ちょっとした涼も味わえるのだとか。
雨が辺りに飛び散ってビショビショになってしまうのでは?と思うけど、雨は真っ直ぐに落ちて飛び跳ねる事はないのだそうだ。
2階に上がると、床の一部が外せる様になっていて、階下での会話を聞き取る事が出来るという、まるで日本の忍者屋敷の様な仕掛けがあったりするのも興味深い。
今現在、プラナカン博物館が閉鎖したままなので、このババハウスとカトンにあるインタンには是非行ってみたいと思っていたので、良い機会だった。