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「ODETTE Un printemps a Paris」Kay Fender Philippe Dumas

2016.10.27 12:52

老人と小鳥ってやはりどこか素敵な組み合わせで、だから色々な作品の中で目にすることが多い気がします。

以前に紹介した「ミンケパットさんと小鳥たち」(ヨゼフ・ウィルコン)もこの組み合わせでした。

今日ご紹介する「ODETTE」も老人と小鳥の心の交流を描いた絵本です。Kay FenderとPhilippe Dumasの二人の作品で、絵を描いているフィリップ・デュマの絵本は幾つも日本で翻訳出版されているので、見たことがある方もいるかと思います。

この「ODETTE」も「ことりのオデット」という題で出版されていましたが現在は絶版になってしまっています。紹介します当店在庫品は原書のフランス語版です。

ある春の日、一羽の小鳥がパリ、テュイルリー公園の木の上にあった巣穴から落ちてしまいます。落ちたところはなんと、下を歩いていた老人の帽子の上。

気が付かずに老人は小鳥を帽子に載せたまま、地下鉄へ通りていきます。

彼は通路の真ん中に座り込むと、アコーディオンを取り出して演奏をはじめました。この老人は路上の音楽家だったのです。

演奏を終えると、小鳥が声を上げ、老人はようやく帽子の上の小鳥に気が付きます。ですが、もとの巣穴に戻してあげたいものの、見上げてもそこは地下鉄の通路です。仕方なく彼は小鳥を自分の家へと連れて帰り・・・。

老人と小鳥は仲良くなり、一緒に演奏会をして喝采を浴びたりと、その絆を深め合うのですが、やがて別れの時がやってきます。

最後のページで描かれるお別れの場面はちょっとだけ切なく、でも心温まる素敵なお話です。

フィリップ・デュマの柔らかく暖かい色彩で描かれるパリの風景を眺めるだけでも楽しい一冊です。判型も大きすぎず小さすぎず、可愛らしいサイズなのも、好ましい一冊です。

当店在庫はこちらです。

「ODETTE Un printemps a Paris」Kay Fender Philippe Dumas