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鼻炎

2021.03.06 23:18

妊娠中で薬を飲みたくないと言うことで来院したアレルギー性鼻炎の方を診察すると、とても興味深い結果になりました。普段は抗アレルギー剤を飲んでいて花粉症状は楽だったのですが、妊娠中で薬をやめているということです。


鼻炎は、左足の異常が起こりやすいのですが、やはりこの方も左足に問題がありました。ただ、この問題は、下腹部までつながっていました。殆どがそうなります。普段は快便なのに今は便秘をしているとのことです。

妊娠して便秘をすることはよくあることなのですが、妊娠していても本来出なければならないのに、出ていないことからくる身体の緊張があるということだと思います。それを身体が表現している場所が左下腹部から左足全体にあったということです。 


鼻炎も昼間は良いのですが、夜寝るときになると詰まってくるという状態で、うまく排毒されていない状態なのではないかという漢方薬が適応になっていました。 

スコープは左足から左下腹部です。まず、大黄牡丹皮湯、桂枝茯苓丸が適応になりました。

その前に左足の状態を観察していきます。小さい動きをで股関節を回転させます。やはり左の動きがぎこちなく、本人もそれを認めています。その間、私は指示するだけで何もしていません。

この漢方薬を手にもってもらうと、左股関節の動きがあきらかに違います。本人も軽くなったことを自覚していました。プラシーボなのかもわかりませんが、手に持つと動きやすくなり、持たないと動きにくくなり、それを自覚しているということです。


大黄牡丹皮湯は、便秘や排毒に働く漢方薬です。桂枝茯苓丸は婦人科系を中心に広く使える漢方薬と言えます。 これだけなら不思議でもないのですが、スコープを顔面部に変化させると、黄連解毒湯と三黄瀉心湯も適応になっていました。 

全て血の流れの異常を調整する駆お血剤と言えます。そして概ね瀉法の方剤ばかりですが、見た目は顔色も当然悪く、あきらかな実証とは言えません。 

漢方を勉強した人なら、こんなに瀉法の投薬をするのは、かなり躊躇するのではないかと思います。もちろん漢方薬を飲ませる訳ではないですから状態を予測しているだけです。実際に飲ませるとどうなるかはわかりません。 

一回のみ処方するだけならマイナスに働くことはないのではないかとも考えられます。教科書に書いてある漢方薬の作用は、定期的に飲ませたり、長期に飲ませたりする時に作用するものではないかとも考えられます。 


きっと漢方を勉強した人は、こういう観点にはなりにくいと思います。なぜなら、体質に合わせて飲ませるものだと最初から決めつけて処方するからです。 

本当に面白い結果になりました。ちょっと経過観察をしていかなければわかりませんので、次回の診察時に症状の変化を聞いてみたいなと思いました。 


この結果がベストだとか全てだと言っている訳ではなく、一つの選択肢としてありえるかもという提案みたいなものです。基本的に花粉症は、長期に出る症状なので、一回で治ることはないと思いますが、身体の自己回復力は決してあなどれないということです。

プラシーボであろうがなんであろうが、自分の身体が良くなる傾向になったのなら、試してみる価値はありだということです。